【FN2005】ライアン、王者の貫禄で開幕戦もてぎを制す!
2005.04.04 自動車ニュース【FN2005】ライアン、王者の貫禄で開幕戦もてぎを制す!
2005年4月3日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの開幕戦が、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。62周で行われたレースでは、予選5位スタートのリチャード・ライアンが優勝。ポールポジションの井出有治は、レース中盤までトップをキープしていたが、ピットストップ作業でタイムロス、2位に甘んじた。3位には、ライアンのチームメイトである服部尚貴が入った。
■予選のもてぎに吹いたインパル旋風
予選1回目は、本山哲と井出のふたりがトップタイムの行方を巡り、しのぎを削りあった。残り5分で本山がトップに立つも、その直後に井出が0.021秒の僅差で逆転。暫定ポールポジション(PP)につけた。
午後からの予選2回目は日が陰り、肌寒くなる。各車セットアップを進めて、ニュータイヤでのアタックに入る中、まずブノワ・トレルイエが自己ベストタイムを更新。だが井出の暫定トップタイムには届かない。
その井出や2番手本山もアタックを行ったが、ともに予選1回目のタイムを上回ることはできず、タイムアップ。結果、井出がPPを獲得。本山、トレルイエが続き、今季から3台体制となったインパルが上位3台を占領した。
■トレルイエがロケットスタート!だが……
今シーズンから決勝の走行距離が延び、2回のピットストップを視野に入れたレース展開が予測されたが、上位入賞者の中で2回ピットストップを行ったのは、結局トレルイエのみだった。
トレルイエは、少なめの燃料でマシン重量を軽くしてロケットスタートを決めたが、勢いあまってスピン。渋滞の中に飲み込まれた。
井出、本山の後ろにはライアン。ハイペースのライアンは早々に本山を料理し、2番手に浮上。ここからトップ井出との駆け引きが始まった。
■レース折り返しでトップ2台が動く
レースは、井出、ライアン、本山がトップ3を形成したまま中盤を迎えた。3人のうちでまず本山がピットイン。追い上げが期待されたが、後半は本山のペースが思うように上がらず、逆に後続車との攻防戦を強いられた。
これでますます井出とライアンとのガチンコ勝負がヒートアップ。テール・トゥ・ノーズの緊迫した闘いの行方は、チームの総合力が問われるピットストップへと委ねられた。
32周を終え、ライアンがピットイン。18.5秒で給油とタイヤ交換を済ませ、コースへ復帰した。その翌周には井出。だが、右フロントタイヤ交換に手間取り、タイムロス。事実上のトップでコースインしたものの、ひと足先にタイヤを温め終えたライアンが、1コーナー進入で難なく井出を抜き去った。
■井出の粘り実らず、ライアンが逃げ切り
逆転直後、トップ2台の差は1秒に満たないものだったが、残り10周ともなると2秒以上へと広がった。
タイヤにやさしい走りをすると定評がある井出だが、猛追モードの状況となれば話は別。息切れした井出を突き放したライアンが、ディフェンディングチャンピオンとしての貫禄を見せ、初戦を制した。
■ルーキーがファステストラップをマーク
開幕戦には、スポット参戦を含む4人のルーキーが参戦。予選では、山本左近がルーキートップの9位を獲得した。だが、その山本はスタートでエンジンストール。後方に沈んだ。
一方、11位からスタートを切った平中克幸は、ユーロF3で身に着けた勝負強さを披露。先輩たちとの一騎打ちに怯まず挑み、ルーキー最高位の8位でゴール。併せてファステストラップをマークする活躍を見せた。
第2戦・鈴鹿はわずか2週間後。オフシーズン中、鈴鹿で行われた2日間のテストでは1日が雨となり、大半のチームがデータ不足を指摘。今回の闘いで得た情報をもとに、どのような戦略を立ててくるのか、注目したい。
(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)
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