【東京モーターショー2004】見るのみならず乗ってみる(前編)――大型トラック同乗試乗
2004.11.05 自動車ニュース【東京モーターショー2004】見るのみならず乗ってみる(前編)――大型トラック同乗試乗
2004年11月2日のプレスデイで幕を開けた第38回東京モーターショー(商用車)。幕張メッセの各社ブースを見てまわるのもいいが、ぜひ実車に乗ってみたいという方には、会場からちょっと離れた場所で行われている同乗試乗会がオススメ。大型トラックや福祉車両を体験できるチャンスだ。
■参加の価値あり
普段は乗れないクルマに(運転はできないものの)同乗できるという機会はそう頻繁にあるものじゃない。ぜひ参加していただきたいのが、東京モーターショーの同乗試乗会だ。
今回は、働くクルマのなかから、メルセデスベンツの大型トラック「アクトロス」を選んでみた。理由は、とにかくカッコイイという個人的な思い入れから。
■欧州生まれのトラック
ヨーロッパで鍛え上げられたスリーポインテッドスターのトラックがわが国にやってきたのは1998年のこと。用途に合わせて選べる車種バラエティを揃え、これまで2500台以上が販売されたという。
アクトロスの2台の試乗車は、改良型エンジンを搭載した最新型。まずは赤いボディのトラクタ「メガスペースキャブ」に同乗した。
見て驚くのは車両のサイズだ。幅約2.5m、高さ3.4〜3.7mの、まるでカベのようにそそり立つトラックのドアを開けてまたビックリ。キャビンのフロアは自分の背丈ぐらいの場所にあり、乗り込むには4段のステップを上がらないといけないのだ。ちなみにメガスペースは他のアクトロスよりステップが1段多い。
「国産トラックでは2段が主流ですね」とは、運転をお願いしたダイムラークライスラー日本のスタッフ。グリップに手をかけ体を支えながら助手席に乗り込むと、広大でフラットなスペースに配置された2席とベッド1つが目に飛び込んできた。
「2段ベッド仕様もあるんですよ」と、隣の運転席にいるのだが遠くに見えるスタッフ氏。2人で上下に寝てもスペース的にはまだ余裕がある。何しろ、室内高は1920mmもあるのだから(!)。
■「どんなに走っても疲れない」
パワーソースは、インタークーラー付き12リッターV6ディーゼルターボ。435psの最高出力と214.0kgmの最大トルクを発生するエンジンに火を点け、いざ出発だ。
16段あるギアボックスは電子制御オートマチック。運転席の左アームレストに腕を置くと自然に手が届く場所に、シフターが設けられる。操作する様は簡単・軽快に見える。
---国産トラックが多いなかで、アクトロスの武器は何なんでしょう?
「どんなに走っても疲れない、ってことでしょうね。乗り心地もいいし快適性も抜群。一度乗ってしまうと他車に移る気がしないってお客様はいわれます」
なるほど、それは長距離を走るトラックにとっては重要な要素だ。試乗車は前にリーフ、後はエアスプリングを用いた足まわり。荷台を付けたもう1台の「カーゴ」は総輪エアサス仕様だった。乗り心地は、カーゴの方が路面の凹凸をいなしているように感じたのだが、
「積荷を載せたりすれば(乗り心地も)また変わりますので」
とのこと。得意とする高速巡航が試せなかったのは残念だが、シートの座り心地(運転席はエアサス付き!)はよく、また眺めも素晴らしく、気持ちがいい。
メルセデスベンツをはじめ、欧州車は高速長距離移動に長けているが、トラックも例外ではないらしい。
■“ベンツのトラック”
---価格面で競争力は?
「国産車と比べれば若干プラスされますが、国産車ではオプション扱いの装備がアクトロスでは標準で備わっていたりするので、競争力は十分あります」
ちなみにメガスペースキャブは1500万円前後。ABSはもちろん、滑りやすい路面などで車両を安定させるASRや、総輪ベンチレーテッドブレーキなども標準で装備される。
---どういう方が購入されるのですか?
「『ベンツのトラックだから』という方もいらっしゃいますが、そういったお客様でも実際乗られると性能のよさを実感するそうです。それから法人では、西濃運輸さんなどにもお使いいただいております。大きな会社が認めてくれた、ということですね」
帰り道、ドアに「●×運送」と書かれたアクトロスを偶然発見した。
はるばる海を渡ってきた“ベンツのトラック”は、極東の小国でも活躍中の様子だ。
(webCG 有吉)
メルセデスベンツ「商用車」:
http://www.mercedes-benz.co.jp/shoyo/
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