三菱eKアクティブ VT(4AT)【試乗記】
這い上がるために 2004.06.27 試乗記 三菱eKアクティブ VT(4AT) ……151万6200円 「いい軽」がテーマの「eK」シリーズ最新作となる「三菱eKアクティブ」が、2004年5月25日に発表された。その名の通り、アクティブなユーザーをターゲットにしたというクルマに、『webCG』本諏訪裕幸が乗った。真打ちのeK
三菱自動車から発表された、新型軽自動車「eKアクティブ」は、「スポーティ&SUVスタイルワゴン」というコンセプトを持つ。「eKワゴン」より最低地上高を10mm、全高を50mm上げ、ボディと色違いのバンパー、サイドガーニッシュなどで「アクティブなイメージ」を出したクルマだ。
実用的なeKワゴンの使い勝手、スポーティな「eKスポーツ」の運動性能、上質な「eKクラッシィ」の静粛性と乗り心地を組み合わせたという。すなわち、既存「eK」モデルのよいところをピックアップしてつくられた、ミツビシいわく“真打ち”のeK。ラインナップはエンジンがNA(50ps、6.3kgm)とターボ(64ps、9.5kgm)の2種。それぞれにFFと4WDモデルがある。
街乗りで重宝する実用性だけでなく、海や山などに行く活動的なキャラクターもあわせ持つという。そのキャラクターに一番マッチしているであろう、ターボ+4WDの「VT」グレードに試乗した。
SUVテイスト
エクステリアでは、鼻の穴を大きく広げたような“ミツビシ”グリルに、プロテクター風の色違いバンパー、その下のスキッドプレート風ガーニッシュが目をひく。サイドからリアにかけても、同じく2トーンのガーニッシュ、サイドスカートを装着。足もとには軽自動車としては大きめとなる、「165/60R14」サイズのタイヤを履く。加えてeKワゴンより10mm高められた最低地上高や、ホイールアーチとタイヤの大きな隙間に、“SUVテイスト”が漂う。
迫力のある外観とは裏腹に、内装はシンプル。インパネとドアまわりのパーツは、eKスポーツと多くを共用する。ボディカラーに関わらず、すべて同じとなるインテリアカラーは、ホワイト、グレーとブルーを用いた清潔感のあるもので、非常に好感が持てた。
前席は、最低地上高アップに加え、ヒップポイントもeKワゴンより45mm高められた。SUVらしく高くなったアイポイントは、運転中の広い視界を確保。運転席まわりのユーティリティは、運転席ドアのカップホルダーやダッシュボード上のアッパーボックスなど、使いやすい。シートヒーターやヒーテッドドアミラーなどが備わり(4WDに標準)、活動範囲を広げるニオイがある。
eKシリーズ共通のスクエアなボディのおかげで、後席は左右が広い。前席より高い位置にある座面のおかげで、多少ヘッドクリアランスは犠牲になるが、左右独立でリクライニングできる機能を持ち、座り心地も悪くない。後席シートバックの背面には、ディーラーオプションで、ゴムのコード「リアシートバックコード」を付けることができる。袋状なわけでもなく、モノを挟み込む使い方をするのは、なにかワイルドさを感じさせて、これもまたSUVテイストを増幅させる。
アクティブな気持ちで
ターボエンジン(64ps、9.5kgm)は思っていた以上のパフォーマンスを見せた。アクセルペダルを踏み込むと、スタートから元気よく加速。レスポンスがいい。「軽」のかなしさ、絶対的に「ストレスなく」とまではいかないけれど、箱根の山道をそこそこのスピードで登ることができた。
サスペンション形式はeKシリーズ共通となる、前マクファーソンストラット/後リジッドアクスルのトルクアーム式3リンクタイプ。ストラットのボディへの取り付け剛性アップなどはeKスポーツと同じく強化された。スプリングレートはeKクラッシィと同様に柔らかめにし、ダンパー減衰力のアップ、スタビライザー径の拡大などが施された。
乗り心地を重視したという足まわりは、40-60km/hぐらいの街乗りスピードで、しっかり感とソフトな乗り心地を両立している。それ以下の速度だと多少のざらつきを足もとから感じ、それ以上だとロードノイズをよく拾う印象がある。コーナリングでもおとなしめなセッティングが出ており、アンダー傾向が強い。しかしこれも曲がりくねった山道での話で、街なかでトコトコ走るには、落ち着いたしっかりした挙動を見せる。
特別にオフロード性能を高めたわけではないので、あまりワイルドに走るのは遠慮したい。あくまで気持ちの問題。「どこにでもいってやろう!というアクティブな気持ちで、クルマをブンブン走らせて欲しい……という願いからの命名である」と三菱スタッフの方はおっしゃっていた。
このeKアクティブ、「ミツビシのRV&SUVイメージを受け継ぐクルマ」であるとも言っていた。「やはり三菱といえばパリダカ」とも。
昨今のSUVブームはすたれつつあるとリポーターには感じられるが、「パジェロ」で一世を風靡したミツビシは、自社イメージの優位性を使いたかったのだ。しかし現在三菱のイメージは、アリ地獄の底に落ちてしまった。SUV風味のeKアクティブで、どん底からの脱出を図ることができるだろうか。パリダカで荒れた大地を走りきったように。
(文=webCG本諏訪裕幸/写真=中里慎一郎/2004年6月)

本諏訪 裕幸
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