【スペック】全長×全幅×全高=4995×1845×1490mm/ホイールベース=2870mm/車重=1770kg/駆動方式=FR/4.5リッターV8DOHC32バルブ(280ps/6000rpm、46.0kgm/3600rpm)/車両本体価格=615.0万円

日産シーマ450XV(5AT)【試乗記】

『セルシオほど眠くならない』 2001.02.05 試乗記 下野 康史 日産シーマ450XV(5AT) 2001年1月12日にデビュー。出足好調が伝えられる日産期待のニューモデル、「シーマ」。「Dynamic & Modern」をコンセプトに、(高級車としては)斬新なスタイルと4.5リッターV8で、コンサバ&4.3リッターのトヨタ・セルシオに挑戦する。自動車ライター、下野康史のファーストインプレッション。


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7つの凸レンズを組み合わせたマルチプロジェクターキセノンヘッドランプを採用し、一方、グリルの面積を抑えて個性的な顔づくりを目指したニューシーマ。新開発4.5リッターV8は、シリンダー内に直接燃料を噴射するダイレクトインジェクション。サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後がマルチリンクである。

 7つの凸レンズを組み合わせたマルチプロジェクターキセノンヘッドランプを採用し、一方、グリルの面積を抑えて個性的な顔づくりを目指したニューシーマ。新開発4.5リッターV8は、シリンダー内に直接燃料を噴射するダイレクトインジェクション。サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後がマルチリンクである。 拡大

自分でハンドルを握るなら

シーマはセルシオの対抗馬である。かつてはセドリックの派生モデルだったが、いつのまにか対米メインのインフィニティQ45と車種統合し、セルシオのライバルになった。だから、シーマが気になる人にとっての最大の興味も、セルシオと比べてどうか、ということだろう。

結論を言うと、セルシオのように、非の打ち所がないほどには洗練されていないが、そのかわり、よりスポーティでクルマらしい。自分でハンドルを握るなら、僕は迷わずシーマをとる。

新型シーマに乗っていちばん感心したのは、「エクリュ本革」という内装である。ベージュの革と、白木のような色合いの木目パネルとを組み合わせた、明るいインテリア。これが非常に高級かつ新鮮で、とてもよかった。挑戦者は、どんどんこういう新しい試みをやるべきだ。



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インテリアには、「カフェラテ」と呼ばれるベージュのモケットほか、本革仕様には「エクリュ」「カフェラテ」「ブラック」が用意される。リアドアを、半ドア状態から自動的に閉める「オートクロージャー」「後席パワースライド」「助手席リラックスシート(バイブレーター付)」、ボタン操作でトランクの開閉が可能な「トランクオート開閉機構」など、ショファードリブンを考慮した装備も豊富だ。

インテリアには、「カフェラテ」と呼ばれるベージュのモケットほか、本革仕様には「エクリュ」「カフェラテ」「ブラック」が用意される。リアドアを、半ドア状態から自動的に閉める「オートクロージャー」「後席パワースライド」「助手席リラックスシート(バイブレーター付)」、ボタン操作でトランクの開閉が可能な「トランクオート開閉機構」など、ショファードリブンを考慮した装備も豊富だ。 拡大

シーマはBMW

「レーンキープサポートシステム」も、ちょっとした驚きである。CCDカメラで、高速道路の両側の白線を認識し、そのなかでの微舵修正は、自動でやってくれる。まっすぐな道なら、手を離したまま走れる。これはあくまでサポートであるから、絶対にハンドルから手を離してはいけないと日産は言うが、ちょっときつめのコーナーが現れて、レーンを逸脱する警告音が鳴り、自動的にシステムがキャンセルされるまで、僕は九州自動車を約4kmにわたって、手も足も使わずに走った。足は、「車間自動制御システム」のおかげで、アクセルペダルから解放されていたのだ。

というような「自動・車」的ハイテク装備もぬかりないが、シーマはけっして退屈なクルマではない。セルシオほど眠くならない。輸入車のベンチマークはメルセデスE430とBMW540だったそうだが、性格的には、セルシオがメルセデス、シーマはBMWだ。

(文=下野康史/写真=日産自動車)

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