数字で検証! 「日産エクストレイル」バイヤーズガイド
2016.06.30
大解剖! 日産エクストレイル<PR>
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あまたのモデルがしのぎを削る国産ミドルサイズSUVのなかでも、随一の人気を誇る「日産エクストレイル」。そんな人気SUVの、日常使いにおける使い勝手はいかほどか? 購入や維持に関わるあれこれとともに、“走り以外”の実力を調べ尽くす。
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趣味性と実用性の両立でSUVの人気が高まる
「価格の安いクルマしか売れない」といわれる中で、意外に注目されているのがSUVである。もともとSUVは悪路を走破するためのオフロード4WDとして誕生したが、今では少し大径のタイヤを装着して外観の存在感を強めれば、SUVのジャンルに含まれる。
SUVが人気を集める理由は、趣味性と実用性をバランスよく両立したからだ。ボディーの上半分はワゴンや5ドアハッチバックと同様の形状で、後席も広く5名乗車の快適な車種が多い。後部には広い荷室があり、リアゲートを使って荷物の収納もしやすい。その一方でサイズの大きなタイヤと少し高めの車高などにより、ボディーの下半分は力強く、カッコよく見える。
これまで車内の広いミニバンに乗っていたユーザーは、子育てを終えても開放感が伴うクルマに乗りたい。背の低いセダンやクーペでは窮屈に感じるし、実用重視の背が高いコンパクトカーでは物足りない。そこで快適性と趣味性を併せ持つSUVが選ばれるようになったのだろう。
SUVの代表的存在「日産エクストレイル」
国内において、そのSUVを代表する車種のひとつが日産エクストレイルである。2000年に登場した初代モデル、2007年の2代目は直線基調の外観が特徴だったが、2013年にデビューした3代目の現行型は、曲線を強めてスポーティーな雰囲気を強めた。それでもシートや荷室には従来型と同じく防水加工が施され、アウトドアで使うグッズなども気楽に積み込める。後席を畳めば平らな荷室が拡大され、荷室長は最大では1745mmだから、スノーボードなども収納しやすい。
そして現行型では快適性が大幅に向上した。インパネなどの内装は各部のつくりが上質で、シートのサイズにも余裕がある。特に後席の頭上と足元の空間は、SUVの中でも広い部類に入る。身長170cmの大人が前後に乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ3つ分の余裕を持たせた。大型セダンのようにリラックスして座れ、頭上の空間は広大。また荷室に3列目の補助席を備えた7人乗りも用意されており、短距離の移動ならミニバンのような使い方も可能だ。
日常的な扱いやすさでは、乗降性にも注目したい。最低地上高は205mmを確保して悪路のデコボコを乗り越えやすくしながら、床は適度な高さに抑えた。セダンに比べると乗降時に腰を大きく下げる必要がなく、前後席のドアも開口部が広いから乗り降りがしやすい。
ボディーサイズは全長が4640mmと適度だが、全幅は1820mmで少しワイドだ。SUVとしては標準的な大きさではあるものの、5ナンバー車に慣れたユーザーは、最初は少し違和感を覚えるかもしれない。その代わり走行安定性が優れ、峠道から高速道路まで安心して運転できる。乗り心地は少し硬いが、粗さは抑えられており不満はない。
エンジンは直列4気筒の2リッターで、ノーマルタイプとハイブリッドの2種類を用意した。ハイブリッドのJC08モード燃費は、4WDの場合で20.0km/リッターだ。ノーマルエンジン(4WD)も16.0km/リッターと良好だから、ハイブリッドの燃費数値はノーマルエンジンの125%にとどまる。
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エクストレイルの価格帯
エクストレイルの車両価格は、装備の違いを補正してハイブリッドが45万円高く、エコカー減税の差額を差し引くと39万円に縮まるが、それでも燃料代の節約で価格差を取り戻すには約20万kmの走行を要する(レギュラーガソリンの価格は1リッター当たり130円、実用燃費をJC08モードの85%で計算)。
したがって損得勘定で考えるなら、価格の安いノーマルエンジン搭載車を推奨したい。2リッターエンジンは実用回転域の駆動力が高く、ファミリーで乗車しても力不足は感じない。長距離の移動にも適する。そして装備では、安全性を高めるエマージェンシーブレーキに注目だ。単眼カメラをセンサーとして使う緊急自動ブレーキで、時速80km以下で作動する。カメラ方式だから、車両に加えて歩行者の検知も可能だ。車線逸脱時の警報も行う。
メーカーオプションのカーナビ(32万7240円)を装着すると、ドライバーの死角に入る斜め後方の並走車両を知らせる機能なども加わり、安全性がさらに高まる。各種の装備が充実することもエクストレイルの魅力だ。
機能や装備に対して価格が割安なグレードは、ノーマルエンジンを搭載した「20X“エマージェンシーブレーキパッケージ” 5人乗り 4WD」(261万9000円)になる。
ちなみに260万~290万円の価格帯には、ミドルサイズSUVの買い得グレードが集まる。そこでエクストレイルも、ライバル車に対抗すべくこの価格帯のグレードを充実させた。ライバル車と比べても買い得で、必要に応じて3列目のシートを備えた7人乗り(7万2360円の上乗せ)も検討するといい。
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自動車保険など、エクストレイルの維持費は?
購入後の維持費で気になるのは任意保険料で、エクストレイルはあまり高くない。ファミリー向けの車種とあって、ユーザーの平均年齢は35~55歳くらい。ベテランのドライバーが多いこともあり、任意保険料も抑えられている。
加入の仕方としては、対人賠償は無制限、人身傷害保険は3000~5000万円、車両保険は一般というコースが多く、保険料は年額4万5000円から6万円前後に収まる。推奨はしないが、車両保険をカットすれば、保険料を3万円前後に軽減することも可能だ。
エクストレイルは内外装や運転感覚に楽しさがあり、ファミリーカーとして快適に使える居住性や積載性も兼ね備える。大切な家族を安心して乗せられる安全装備も充実している。大量に販売するために価格は割安で、エンジンの排気量が2リッターだから税額も高まらず、任意保険料も納得できる。幅広いユーザーに適した本音で選べるSUVだと思う。
(文=渡辺陽一郎/写真=日産自動車)

渡辺 陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆さまにけがを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。特にクルマには、交通事故を発生させる甚大な欠点がある。今はボディーが大きく、後方視界の悪い車種も増えており、必ずしも安全性が向上したとは限らない。常にメーカーや行政と対峙(たいじ)する心を忘れず、お客さまの不利益になることは、迅速かつ正確に報道せねばならない。 従って執筆の対象も、試乗記をはじめとする車両の紹介、メカニズムや装備の解説、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、取り締まりなど、カーライフに関する全般の事柄に及ぶ。 1985年に出版社に入社して、担当した雑誌が自動車の購入ガイド誌であった。そのために、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、車買取、カーリースなどの取材・編集経験は、約40年間に及ぶ。また編集長を約10年間務めた自動車雑誌も、購入ガイド誌であった。その過程では新車販売店、中古車販売店などの取材も行っており、新車、中古車を問わず、自動車販売に関する沿革も把握している。 クルマ好きの視点から、ヒストリー関連の執筆も手がけている。
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