日産が自動運転技術「プロパイロット」を発表
2016.07.13 自動車ニュース![]() |
日産自動車は2016年7月13日、新たな自動運転技術「プロパイロット」を発表した。この技術は、同社の2020年の市街地交差点での自動運転実用化というロードマップにのっとって、自動運転車を段階的に市場に投入していくことを視野に入れ開発されたもので、同年8月下旬に発売予定の新型ミニバン「セレナ」に装備される。同社では、この新技術を売れ筋モデルに搭載することによって、自動運転技術が速やかに普及していくことを目指している。
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■プロパイロット技術とは?
今回のプロパイロットとは、日産の自動安全技術に、モービルアイ社(本社:オランダ)の映像技術を活用した、独自の画像解析技術を融合、前方車両や白線を瞬時に三次元把握し、精確に制御するというもの。
具体的には、フロントの高性能単眼カメラで、前方車両との距離や車線内の自車位置を計測し、ステアリング・アクセル・ブレーキを自動制御し、走行する技術である。
従来のインテリジェントクルーズコントロールの機能に加え、設定した車速(約30〜100km/h)を上限に、車間距離を保つように制御し、車線中央を走行するよう、ステアリング制御(約50km/h以下では先行車がいる場合のみ作動)をする。
一旦停止した場合での停止保持が可能になるほか、両側に白線がある場合には、全車速域でステアリング制御を行う。渋滞時のステアリング・アクセル・ブレーキすべての自動化は日本メーカー初、また2リッタークラスミニバンとしては世界初となる。
ちなみに、プロパイロットの「プロ」とは、事前に対策を講じるという意味のプロアクティブを語源としており、現段階では、国内と欧州での展開が発表されている。
同技術搭載のメリットとしては、長距離移動時のストレス軽減が挙げられるが、コストパフォーマンスという点でも満足のいくものとなりそうだ。プロパイロット技術の構成部品は、従来の単眼カメラを用いた、エマージェンシーブレーキのものと基本的には同じ。新たなコストが抑えられることで、販売価格も手ごろなものになるだろう。
(webCG 大久保)