トヨタが2017年のモータースポーツ参戦計画を発表
2017.02.02 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2017年2月2日、東京・江東区青海のMEGA WEB トヨタ シティショウケースで、「2017 TOYOTA GAZOO Racing プレスカンファレンス」を開催。2017年のモータースポーツ参戦計画を発表した。
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目指すはWRCとルマンの勝利
最初に登壇したトヨタ自動車専務役員で、モータースポーツ本部 本部長を務める嵯峨宏英氏は、「昨年は本当にいい年だった。しかし、一方では非常に悔しい年だった」と述べた。
SUPER GTのGT500クラスとスーパーフォーミュラをはじめ、国内レースで4つのカテゴリーを制覇し、米国ではNASCARで初めてマニュファクチャラーズタイトルを獲得。だが3台体制で臨んだ、参戦10年目となるニュルブルクリンク24時間耐久レースでは1台の「レクサスRC」がリタイア。そしてルマン24時間では、「TS050 ハイブリッド」がトップを快走、誰もが初優勝を確信したものの、残り3分で息絶えた。
「これらの悔しさから多くのことを学んだが、われわれは負け嫌い。今年はルマンで雪辱を果たし、復帰したWRC(世界ラリー選手権)でも勝とうという強い気持ちで挑戦していく」と結んだ。
続いては「ヤリスWRC」で18年ぶりに復帰した、WRCにまつわるトークセッション。初戦となるモンテカルロラリーで、2位表彰台という望外の結果に導いたチーム代表のトミ・マキネン氏と、ドライバーのヤリ-マティ・ラトバラ選手が登壇した。
「とてもいいスタートが切れたが、正直言ってモンテカルロの2位は出来過ぎ。これからもレースが終わるたびに強くなっていくことを実感するチームにしたい」とマキネン代表が言えば、ラトバラ選手は「学びの年とはいえ、負けたくない。そのためには事前のテストもしっかりして、戦っていきたい」と語った。
ステージ上で2人が、この場に出席できない豊田章男社長からのビデオメッセージに耳を傾けている最中に、なんと章男社長本人がサプライズ登場。3人そろって「We hate losing. Let's win together!(われわれは負け嫌いだ。いっしょに勝とう!)」と力強く拳を突き上げた。
その後は2017年の活動計画を発表、参戦カテゴリーのドライバーが登壇した。主なところを紹介すると、WEC(FIA 世界耐久選手権)には引き続きTS050 ハイブリッドの改良型で参戦、特に第2戦スパ・フランコルシャンと第3戦ルマンには、3台体制で出場。ルマン初優勝と年間タイトル獲得を目指す。
国内最高峰のSUPER GT GT500クラスには、新型「レクサスLC500」を6チーム(6台)投入。GT300クラスには、2台の「プリウス」に加えて、新たに2台の「レクサスRC F GT3」が参戦する。全日本スーパーフォーミュラ選手権には、6チーム11台にエンジンを供給、GT500ともども連覇を目指す。「もっといいクルマづくり」に向けたTOYOTA GAZOO Racingの活動の原点となるニュルブルクリンク24時間耐久レースは、原点に立ち返り、レクサスRC 1台での参戦となる。
そのほか、米国NASCARやダカールラリーなどの海外イベントから、全日本ラリー選手権、86/BRZ Raceや「ヴィッツ」のワンメイクレースなどの参加型モータースポーツ、そしてモータースポーツ体感イベントに至るまで、クルマの持つ夢や感動をユーザーにもたらすトヨタのモータースポーツ活動、その2017年の全体図が明らかにされた。
(文と写真=沼田 亨)