【SUPER GT 2017】オートポリスでau TOM'S LC500が勝利

2017.05.22 自動車ニュース
第3戦オートポリスを制した、中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のNo.36 au TOM'S LC500。
第3戦オートポリスを制した、中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のNo.36 au TOM'S LC500。拡大

2017年5月21日、SUPER GTの第3戦が大分県のオートポリスで開催され、GT500クラスはNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター)が、GT300クラスはNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太)が勝利した。

2年ぶりに開催されたオートポリス大会には、3万人近い観客が来場。熱いレースを見守った。
2年ぶりに開催されたオートポリス大会には、3万人近い観客が来場。熱いレースを見守った。拡大
予選を1位で終えたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)は、決勝で思わぬ苦戦を強いられることに。
予選を1位で終えたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)は、決勝で思わぬ苦戦を強いられることに。拡大
GT500クラスのスタートシーン。ホンダを先頭に、日産、レクサスと続いた。
GT500クラスのスタートシーン。ホンダを先頭に、日産、レクサスと続いた。拡大
No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)。ピットスタートから健闘を見せ、2位表彰台を獲得した。
No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)。ピットスタートから健闘を見せ、2位表彰台を獲得した。拡大

ハンディの内容に批判の声

昨年は熊本地震の影響で開催できなかったSUPER GTのオートポリス大会が、およそ2年ぶりに復活した。コース上のバンプ(路面のうねり)が悪化していたり、周辺の道路に一部通行止めが残っていたりと、地震の爪跡はそこかしこに見られたものの、イベントそのものに大きな影響はなく、2日間で2万8670人の入場者を集めて無事開催された。

予選を制したのは、ホンダ勢のNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)。NSXは開幕戦でもNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志)が予選トップだったが、あれは予選中の赤旗中断で転がり込んできた“時の運”というべきポールポジション。しかし、今回は2番手のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正)にコンマ6秒近い大差をつけて堂々と手に入れたものだった。なお、3番グリッドは開幕2連戦で上位陣を独占したレクサス勢のNo.1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)が獲得した。

今大会から重量ハンディの見直しが行われたためにホンダは躍進できたと、多くの関係者は見ていた。現行レギュレーションに従えば、GT500クラスはフロントエンジン/リアドライブ(FR)で参戦するのが本筋。そこをホンダは、量産モデルがミドエンジン/リアドライブ(MR)の「NSX」だからという理由で、FR用に設計されたモノコックを無理やり転用してエントリーしているのだが、レースを運営するGTAは「ミドシップは原理的に有利」という立場から“ミドシップハンディ”としてライバルより24kg重い最低重量をNSXに科してきた。ところが、NSXには2015年の第6戦以降勝ち星がなく、今シーズンに入ってからはレクサスのワンサイドゲームが続いた。しかも、低速コースの岡山国際で開催された第1戦でも、高速コースの富士で開催された第2戦でもこの傾向は変わらない。そこでようやく、前述のミドシップハンディを15kg軽減して9kgとする緩和策をGTAは実施したのである。

もっとも、この判断に対しては議論が渦巻いている。GT500クラスはこうした性能調整を行わないのが建前。そこでレクサスと日産がこれに反発するいっぽう、ホンダ側は「そもそもFR用モノコックを使ってミドシップのメリットを発揮できるはずはなく、9kgといえどもハンディを科せられるほうがおかしい」と主張しているようだ。

7番手スタートから勝利を手にしたNo.36 au TOM'S LC500。素早いピットワークが功を奏した。
7番手スタートから勝利を手にしたNo.36 au TOM'S LC500。素早いピットワークが功を奏した。拡大
レクサス勢は開幕から3連勝。その強さを印象づけた。
レクサス勢は開幕から3連勝。その強さを印象づけた。拡大
GT300クラスは、No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太)を先頭にスタート。
GT300クラスは、No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太)を先頭にスタート。拡大
No.25 VivaC 86 MC(写真手前)は、わずか0.091秒差でNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(同奥)を抑え、勝利を手にした。
No.25 VivaC 86 MC(写真手前)は、わずか0.091秒差でNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(同奥)を抑え、勝利を手にした。拡大
予選4位から3位表彰台を獲得した、No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)。
予選4位から3位表彰台を獲得した、No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)。拡大

決勝ではNSX苦戦

こうした議論と並行して、ホンダ内でNSXの熟成が進行。今回のポールポジション獲得も、重量ハンディ見直しより技術開発の成果と見る向きがホンダ社内にはあった。せっかく勝っても「ハンディ見直しのおかげ」と周囲からいわれたら面白くないだろう。こうした背景もあって、ホンダ勢からは「今回は大差で勝って実力で勝利をつかみ取ったことを証明してみせよう」という強い意気込みがヒシヒシと伝わってきた。

実際、決勝レースが始まってもNo.100 RAYBRIG NSX-GTは速く、わずか4周で2番手を6秒差まで引き離したのだが、ここでアクシデントが発生してセーフティーカー導入。この影響でタイヤの温度がいったん下がると、それ以降のNo.100 RAYBRIG NSX-GTはスタート直後のような速さを示すことができなくなった。さらに彼らはピットストップで数秒をロスしたほか、レース後半になると路面上のゴム滓(かす)がタイヤ表面に付着してグリップを低下させる“ピックアップ”という現象が発生。そのメカニズムは詳しく解明されていないものの、No.100 RAYBRIG NSX-GTは特にこの影響を受ける傾向が強く、結局2台に抜かれて3位でフィニッシュすることになった。

優勝したのは、No.36 au TOM'S LC500。彼らは7番グリッドからのスタートだったが、前半を受け持ったロシターの快走で3番手にまで浮上。さらに素早いピットストップのおかげでトップに浮上すると、終盤はNo.1 DENSO KOBELCO SARD LC500の猛攻を受けながらもこれを下し、今季初優勝を果たしたのである。

2位の座は、本来であればNo.1 DENSO KOBELCO SARD LC500のものとなるはずだったが、彼らはNo.36 au TOM'S LC500とのバトル中に接触してリタイア。代わって2位に入ったのがNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)だった。公式練習から好調だったNo.17 KEIHIN NSX-GTは予選中にクラッシュ。その修復に時間がかかってピットスタートとなったが、レース序盤のセーフティーカーランで失地を挽回。その後は後半を担当した塚越の奮闘もあって2位表彰台を手に入れた。

激戦はGT300クラスでも繰り広げられ、結果的に昨年のチャンピオンチームであるNo.25 VivaC 86 MCがNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)を0.091秒差で下して優勝。3位はNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)が勝ち取った。

第3戦は、7月22~23日にスポーツランドSUGOで開催される。

(文=大谷達也<Little Wing>/写真提供 GTA)

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