マクラーレン570GT(前編)

2017.09.23 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 SUPER GTや86/BRZ Raceで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回の主役はマクラーレンのベーシックライン“スポーツシリーズ”に属する「570GT」である。ラゲッジルームを拡大したり、乗り心地をややソフトにしたり、その名の通りグランツーリスモ的に仕立てられたマクラーレンを、谷口はどう評価するのだろうか?
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こっちのほうが断然いい!

「ちょっと、格好がビミョーかな。日本製のスポーツカーに、なんかこんなカタチしたのがありましたよね」
マクラーレン570GTをしげしげとながめながら、谷口信輝がそう語り始めた。

この連載で谷口がマクラーレンに試乗するのは、これが2度目。前回はほぼ1年前に、570GTと同じスポーツシリーズの「570S」をテストしてもらった。2台のスペックはよく似ているが、570Sはサーキット走行まで視野に入れた文字通りのスポーツ仕様であるのに対し、570GTはファストバックにしてラゲッジルームを拡大したり、ロングツーリングを前提にして乗り心地をややソフトめにしたりといった違いがある。

この日の箱根はあいにくの雨。ここのところ本企画の取材で雨が降ることはなかったが、570psものハイパフォーマンスカーをウエットコンディションで走らせてきたわりには、谷口の表情は明るかった。

「これ、全然いいじゃないですか。乗り心地はとっても快適だし……」
さすが谷口、われわれがなんの解説もしないうちに、570GTの本質を鋭く見抜いてくれたようである。

「エンジンもパワフルで速い。刺激感のあるパワーですよね。リアのグリップもよくて、だからこのぬれた路面でもすごくトラクションがかかっていいですね。ちょっと無理して踏んでいっても、しっかり受けとめてくれます」

実は谷口、以前570Sに試乗した際には、スロットルペダルを踏み直したときの“トルクのつき”が悪いと指摘。「僕がチューニングするなら、ターボチャージャーのタービンを小径なものに変えてエンジンレスポンスを鋭くするでしょうね」とコメントしていたが、今日操った570GTはどうやらだいぶ印象が異なるようだ。

 
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マクラーレン570GT
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4530×2095×1201mm/ホイールベース:2670mm/車重:1350kg(乾燥重量)/駆動方式:MR/エンジン:3.8リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:570ps/7550rpm/最大トルク:600Nm/5000-6000rpm/タイヤ:(前)225/35ZR19 (後)285/35ZR20/車両本体価格:2752万7000円
マクラーレン570GT
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4530×2095×1201mm/ホイールベース:2670mm/車重:1350kg(乾燥重量)/駆動方式:MR/エンジン:3.8リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:570ps/7550rpm/最大トルク:600Nm/5000-6000rpm/タイヤ:(前)225/35ZR19 (後)285/35ZR20/車両本体価格:2752万7000円拡大