トヨタ、2018年シーズンのWRCでタイトルを目指すと表明
2017.11.24 自動車ニュース![]() |
2017年11月23日、TOYOTA GAZOO Racingの世界ラリー選手権(WRC)シーズン報告会が、トヨタ自動車の東京本社で開催された。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
今シーズンの経験を糧に、さらなる飛躍を目指す
18年ぶりにWRCに復帰したトヨタ。復帰初年度となる今年は、スウェーデンとフィンランドで勝利。マニュファクチャラーランキング3位、ドライバーズランキングではヤリ-マティ・ラトバラが4位という成績を残した。この日の報告会には、WRCの最終戦オーストラリアを終えたばかりのチームから、チーム代表のトミ・マキネン氏、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組、そしてTOYOTA GAZOO Racingカンパニープレジデントの友山茂樹氏が出席。またサプライズとして先日トヨタ入りが発表されたオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組も登場した。
冒頭、友山氏からは2017年の総括とともに、来シーズンに向けての抱負が語られた。復帰初年度を「学びの年」として位置づけながらも、年間2勝と望外の戦績を収めたことを報告するとともに、特にフィンランドでの勝利については、多くのファンが祝福してくれたことに表彰台で思わず涙したエピソードを披露。また、WRCへの参戦から数字には表現できない学びを得ることができ、ラリー車の開発だけにとどまらず、市販車両へのフィードバックにも奏功していることなどが語られた。また2018年シーズンは、開幕戦のモンテカルロから、新たに加入したタナック組を含めた3台体制で参戦。マニュファクチャラーチャンピオンを目指すと力強く宣言した。
続いて、チーム代表のマキネン氏からは、シーズン序盤は好調だったものの、メキシコでのマシントラブルなど多くの問題に見舞われたこと、その度にチームは迅速に問題を改善し、今シーズンに得られたデータを元に「ヤリス」のさらなる改善を進め、来年1月の開幕戦モンテカルロに向けての準備が着々と進んでいることなどが語られた。また来シーズンについては、コンスタントに結果を出していくことを目指し、チーム一丸で競争力を高めていきたいと抱負を述べた。
新規加入のタナックに寄せられる期待
今回の報告会には1000人以上の応募者から選ばれた30人のファンも参加。ファンの代表からチームに、来シーズンの勝利を祈願したダルマが贈呈されるなど、報告会は終始和やかなムードに包まれた。シーズンを終えた安堵(あんど)感も手伝ってか、チームメンバーのにこやかな表情も印象的だった。
レギュレーションが変更された今年のWRCは、全13戦でラトバラ、ラッピを含めた7人の勝者が生まれるという混迷のシーズンとなったものの、終わってみれば“王者”セバスチャン・オジェが年間チャンピオンを獲得するという結果となった。しかし、そのオジェもフォード(Mスポーツ)の動向いかんでは、来シーズンの活動が流動的な状態だ。そうした状況を尻目に、トヨタはランキング3位のタナックを獲得するなどして着実に参戦体制を強化。何もかもが初めて尽くしだった今年の経験を糧に、さらなる躍進が期待される。
(文と写真=山本佳吾)