「2000GT」と「LFA」が爆走するファンタジードラマ、BSで放送

2018.03.26 自動車ニュース 鈴木 真人
 
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「2000GT」と「LFA」が対決!? 愛知県の自動車博物館を舞台に、自動車開発に命をかける人々の葛藤と軌跡を描いたファンタジードラマ『真夜中のスーパーカー』がNHK・BSプレミアムで放送される。

 
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左から、リカルド役の上遠野太洸、主人公・白雪役の山本美月、アニキ役の水木一郎。
左から、リカルド役の上遠野太洸、主人公・白雪役の山本美月、アニキ役の水木一郎。拡大

「ナゴヤ2000GT」と「ナゴヤLFA」が激走!

2014年にTBS系で放送された『LEADERS リーダーズ』は、トヨタが自動車製造を始めた頃の苦闘を描いたドラマだった。好評だったようで、昨年には第2弾となる『LEADERS II』が作られている。国産自動車開発に懸ける人々の熱血ストーリーは、トヨタの企業イメージ向上につながっただろう。

『真夜中のスーパーカー』にも、トヨタのクルマが登場する。歴史的事実を扱うのではなく、ファンタジー系だ。「愛知発地域ドラマ」と銘打っていて、NHK名古屋放送局が制作を担当した。出演者が街ブラする関連番組なども作られているから、地域を盛り上げようと力が入っているようだ。放送前にドラマをアピールするために、東京のNHK放送センターで試写会が行われた。

主人公はナゴヤ自動車のデザイン部門で働く白雪。ナゴヤ自動車というのはもちろんトヨタのことである。ちなみに『LEADERS』ではアイチ自動車という名前が使われていた。白雪は「家族が一緒になれるファミリーカー」をテーマにしたコンペで「ファミリースーパーカー」を提案してしまうようなちょっとイタいタイプ。ナゴヤ博物館で憧れのクルマである「ナゴヤ2000GT」をスケッチしているうちに夜になってしまい、クルマの精たちが宴を繰り広げる異次元空間に閉じ込められてしまう。

脱出するには、2000GTとサーキットで対決して勝利するしかない。どのクルマに乗ってもいいというので、白雪が選んだのは「ナゴヤLFA」だった。決戦の舞台となるのはHAMAYA発動機のテストコースである。スタートでリードを奪ったのは2000GT。LFAも追いすがり、サイド・バイ・サイドの激しい戦いが繰り広げられる。

お察しの通り、あり得ない展開だ。2000GTが作られたのは1967年で、LFAはそれから50年以上も後のクルマである。2リッター直列6気筒でエンジン150ps(グロス値)の2000GTに対し、LFAの4.8リッターV10は560ps。シャシー性能も飛躍的に向上しているから、誰が乗ってもLFAの圧勝だ。

まあ、そんな無粋なことを言っても仕方がない。この2000GTは、ガソリンではなく魂で走っているという設定なのだ。2000GTとLFAが並んで走る機会はめったにないのだから、勇姿を目に焼き付けておけばいいだろう。

試写会の後、記者会見が行われた。出席したのはヒロイン白雪を演じる山本美月と、2000GTを盗もうとするブラジル人リカルド役の上遠野太洸、そして水木一郎。水木はキャデラックの化身で、役名はアニキだ。クルマの知識がまったくなかったという美月は、トヨタ博物館を見回っているうちに欲しくなったクルマがあると話した。「フジキャビン」である。2000GT以上に希少なクルマだから、手に入れるのは難しいかもしれない。

『真夜中のスーパーカー』は3月28日22時からBSプレミアムで放送。4月21日16時からの再放送も決まっている。

(文=鈴木真人/写真=NHK、webCG)