【SUPER GT 2018】開幕戦はKEIHIN NSX-GTが苦しみながらもポール・トゥ・ウイン

2018.04.09 自動車ニュース
SUPER GT 2018の初戦を制した、塚越広大/小暮卓史組のNo.17 KEIHIN NSX-GT。
SUPER GT 2018の初戦を制した、塚越広大/小暮卓史組のNo.17 KEIHIN NSX-GT。拡大

2018年4月8日、SUPER GTの開幕戦が岡山県の岡山国際サーキットで開催され、GT500クラスではNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)がポール・トゥ・ウイン。初のSUPER GTフル参戦となったF1王者のジェンソン・バトンのNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/バトン)が2位で、NSX-GTのワン・ツーとなった。GT300クラスはNo.18 UPGARAGE 86 MC(中山友貴/小林崇志)が初の勝利を手にした。

GT500クラスがスタート。手前には、接戦の予選において上位に並んだ「ホンダNSX-GT」の姿が目立つ。
GT500クラスがスタート。手前には、接戦の予選において上位に並んだ「ホンダNSX-GT」の姿が目立つ。拡大
元F1ドライバーのジェンソン・バトンをドライバーに迎えたNo.100 RAYBRIG NSX-GT。接戦の末、2位でレースを終えた。
元F1ドライバーのジェンソン・バトンをドライバーに迎えたNo.100 RAYBRIG NSX-GT。接戦の末、2位でレースを終えた。拡大
GT500クラスの3位には、2017年シーズンのチャンピオンでもあるNo.1 KeePer TOM'S LC500が入った。
GT500クラスの3位には、2017年シーズンのチャンピオンでもあるNo.1 KeePer TOM'S LC500が入った。拡大

塚越が雨のQ2で“水を得た”走りを披露

開幕戦はノーハンディのSUPER GT。今季の車両の戦闘力を計るレースである。2017年の開幕戦は、レクサスの「LC500」が参戦6台で決勝のトップ6を独占。車両規定では今年も基本的に同じシャシーを使うため、LC500の優位が続くという声が多かった。しかし3月のテストでは「ホンダNSX-GT」も「日産GT-R 」も好タイムで、戦闘力の差は互角と思われる。

それを証明するかのように、曇り/ドライの予選Q1では、トップのNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(高星明誠)から最後尾15位のNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)までは1.155秒差。コバライネンはコースをはみ出すというワンミスだけで、最下位に落ちた。Q2進出の8台はGT-RとNSXが3台、LC500が2台だった。

Q1終了後には雨が降り出して、Q2はウエット路面に。ここで、ちょいぬれの滑りやすい路面で抜群の速さを見せたNo.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大が、本領を発揮してポールポジションを獲得。なお塚越は「僕、ウエットも滑る路面も好きじゃないんですよね(苦笑)」と、予選後には自信を見せるところか愚痴を一言。予選2位はNo.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也)で、NSX-GTがフロントローを独占。3、4番手はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山 哲)、No.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也)となった。

No.17 KEIHIN NSX-GTがフィニッシュ。初戦のGT500クラスでは、全車が完走した。
No.17 KEIHIN NSX-GTがフィニッシュ。初戦のGT500クラスでは、全車が完走した。拡大
勝利に笑顔を見せる、KEIHIN REAL RACINGの3人。写真左から塚越広大、金石勝智監督、そして小暮卓史。
勝利に笑顔を見せる、KEIHIN REAL RACINGの3人。写真左から塚越広大、金石勝智監督、そして小暮卓史。拡大
こちらはGT300クラスのスタートシーン。88号車のマネパ ランボルギーニ GT3を先頭に、戦いの火ぶたが切られた。
こちらはGT300クラスのスタートシーン。88号車のマネパ ランボルギーニ GT3を先頭に、戦いの火ぶたが切られた。拡大
GT300クラスで初勝利をおさめたNo.18 UPGARAGE 86 MC(中山友貴/小林崇志)。
GT300クラスで初勝利をおさめたNo.18 UPGARAGE 86 MC(中山友貴/小林崇志)。拡大

重なるピンチを逃げ切ったKEIHIN NSX-GT

翌日の決勝レースは、曇りのドライ路面となった。スタートで躍進したのがNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)とNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(J.P.デ・オリベイラ)で、トップのNo.17 KEIHIN NSX-GT(小暮)の背後につけて攻め立てた。しかし、2台のGT-Rはローリングスタートの手順に違反したとしてドライブルスルーペナルティーを受け、上位から脱落。次に17号車を脅かしたのは、昨年の王者で岡山連覇を狙うNo.1 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)だった。キャシディはサイド・バイ・サイドで車体をぶつけながら小暮をパスして、トップを奪う。だが、ピット作業で少し時間が掛かった1号車はポジションダウンを喫してしまった。

このピットインでジャンプアップしたのが、No.100 RAYBRIG NSX-GTだ。バトンは予選5位からスタートするも、慣れない混戦で一時8番手までダウン。しかし、タイヤをキープし確実に順位を上げた。チームもタイヤ無交換を決断し、山本を実質トップの形でコースに戻した。ここで100号車とKEIHIN NSX-GTの塚越が激しいドッグファイトを展開。塚越が制してみせた。

これでトップに立った塚越だが、山本も1秒差で食いついていく。その時、17号車のフロントに異変が! グリルに他車から外れたパーツが食い込んでおり、チームも観客も騒然となった。「でもピットからは何の連絡もなかった。100号車がタイヤ無交換なのも知らなかった。僕の集中を優先したんでしょう」と塚越。その金石勝智監督の思惑通り、塚越のKEIHIN NSX-GTは、山本に1秒強のリードをつけたまま82周をフィニッシュ。チームと自身に7年ぶり2度目の勝利をもたらした。バトンと山本のRAYBRIG NSX-GTは惜しくも2位。3位にはLC500同士のバトルを制したNo.1 KeePer TOM'S LC500(平川 亮)が入った。

松井孝允/坪井 翔の駆る86 MCもトップ争いを見せたが、最終的にはクラス3位でフィニッシュ。


	松井孝允/坪井 翔の駆る86 MCもトップ争いを見せたが、最終的にはクラス3位でフィニッシュ。
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No.7 D'station Porscheは、予選20番手からスタートし2位の座を獲得した。
No.7 D'station Porscheは、予選20番手からスタートし2位の座を獲得した。拡大
No.18 UPGARAGE 86 MCの(写真左から)小林崇志と中山友貴。
No.18 UPGARAGE 86 MCの(写真左から)小林崇志と中山友貴。拡大

タイヤ無交換作戦で2台の86 MCがバトル

GT300クラスも予選Q2の雨により、「ルーキーのデビュー戦ポールポジション」を呼び込んだ。ただ、ルーキーといっても、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3のマルコ・マッペリはランボルギーニが送り込んだファクトリードライバーで、ツーリングカーレースの経験は豊富。今回は路面温度の低いレインとあって、ヨーロッパの低ミュー路面の走りがフィットしたのかもしれない。

ドライ路面の決勝では、マシンの不調もあったらしくNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰一貴)はズルズルとポジションを下げてしまった。その後、レース前半はトップが数回入れ替わる混戦模様に。このままではパワーのあるFIA GT3勢に逃げ切られるとみたマザーシャシーの2チームは、早めのピットインでタイヤ無交換作戦を敢行。マザーシャシーはコースに合わせた細かいセッティングが許されるため、テクニカルコースでのタイヤ無交換はギャンブルではなく、十分勝算がある手段になっている。

これでトップを争うのはNo.25 HOPPY 86MC(松井孝允)とNo.18 UPGARAGE 86 MC(小林崇志)に絞られた。GT500のシートを失い、今季18号車に招かれた小林は、これまでもGT500とGT300の勝利に際して見せてきた後半の速さを遺憾なく発揮。25号車を残り25周でパスし、そのまま逃げ切り、TEAM UPGARAGEに初勝利をプレゼントした。

第2戦の決勝は、5月4日に富士スピードウェイで開催される。

(文=古屋知幸/写真提供 GTA)

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