ボッシュが2017年の業績を発表 日系メーカーとの取引が拡大

2018.06.06 自動車ニュース
ボッシュ代表取締役社長のクラウス・メーダー氏。
ボッシュ代表取締役社長のクラウス・メーダー氏。拡大

独ロバート・ボッシュの日本法人であるボッシュは2018年6月6日、東京・渋谷の本社において記者会見し、2017年の業績と、今後の見通しを発表した。

取締役副社長の森川典子氏。質疑応答では「世界シェアの30%は日系自動車メーカーで占められており、その重要な決断は日本で行われている」と述べ、日本市場の重要性を語った。
取締役副社長の森川典子氏。質疑応答では「世界シェアの30%は日系自動車メーカーで占められており、その重要な決断は日本で行われている」と述べ、日本市場の重要性を語った。拡大
ボッシュのクラウス・メーダー社長(右)と森川典子副社長。2017年7月に社長となったメーダー氏にとっては、今回が就任後初の記者会見となった。
ボッシュのクラウス・メーダー社長(右)と森川典子副社長。2017年7月に社長となったメーダー氏にとっては、今回が就任後初の記者会見となった。拡大

売上高は過去最高を記録

ロバート・ボッシュは、自動車用部品や精密機械の製造などを手がけるグローバル企業であり、ドイツ・シュトゥットガルトに本社を構えている。

2017年におけるグローバル市場での売上高は、前年比6.8%増の781億ユーロ(約10兆円)と、過去最高を記録。好調をけん引したのは同社の主軸であるモビリティー関連の事業で、7.8%の売り上げ増となった。その内訳を見ると、北米を除くすべての市場で前年比増となっており、特に成長の著しかったアジアパシフィック地域では、前年比14%増となる236億ユーロの売り上げを実現したほか、EBIT(支払金利前税引前利益)も過去最高の53億ユーロとなった。

日本市場においても、メインとなるモビリティーソリューションズ事業に加え、産業機器テクノロジー事業も好調だったことから、第三者連結売上高は前年比10%増の2950億円(約23億ユーロ)を達成。2018年もモビリティーソリューションズ事業の堅調な拡大が見込まれることから、3~5%の成長を予想している。「ボッシュのクラウス・メーダー代表取締役社長は、今後さらにモビリティーの自動化、電動化、ネットワーク化を進め、持続的な事業拡大につなげたい」と述べた。

また、ボッシュは日本のみならず海外でも日系自動車メーカーとの取引を行っており、グローバル市場における売上高は、2013年以来、年平均2ケタの成長を継続。2017年も前年比11%増を実現している。取引が拡大したのは、パワートレインや運転支援システム関連の製品に加え、カーナビゲーションシステムやサイバーセキュリティー対策で重要な役割を担う“ゲートウェイ”関連の製品である。ボッシュでは、今後も成長著しいASEAN地域で圧倒的なシェアを占める日系メーカーとの取引について拡大を見込んでおり、東南アジア地域における工場の生産能力強化や、新しい工場の稼働などを通して、それに対応していきたいとしている。

今回の記者会見では、二輪車用のアダプティブクルーズコントロールや、衝突予知警報、死角検知システムなどからなる運転支援システム「ライダーアシスタントシステム」についても説明が行われた。量産開始は2020年で、まずはドゥカティやKTMなどのモデルに搭載されるという。
今回の記者会見では、二輪車用のアダプティブクルーズコントロールや、衝突予知警報、死角検知システムなどからなる運転支援システム「ライダーアシスタントシステム」についても説明が行われた。量産開始は2020年で、まずはドゥカティやKTMなどのモデルに搭載されるという。拡大
「ライダーアシスタントシステム」のプロジェクトマネージャーを務めるトーマス・マウラー氏。ホンダやヤマハ、スズキ、カワサキと、大メーカーが日本に集中していることから、バイク用のセーフティーシステムの開発は、本国ドイツではなく日本で行われているという。
「ライダーアシスタントシステム」のプロジェクトマネージャーを務めるトーマス・マウラー氏。ホンダやヤマハ、スズキ、カワサキと、大メーカーが日本に集中していることから、バイク用のセーフティーシステムの開発は、本国ドイツではなく日本で行われているという。拡大

モビリティーにまつわる幅広い分野で研究を推進

電動化、自動化、ネットワーク化と、自動車産業において現在注目される各分野で研究開発を推し進めているボッシュ。特に自動運転技術については、既存の高精度マップにローカリゼーションレイヤー(自車位置測定のための地図の構成要素)を加えた“自動運転用マップ”の製作や、地図情報と衛星測位システムを用いた自車位置推定技術の開発を推進。ネットワーク化では、ライドシェア事業への参入に加え、コネクテッドパーキングや電動車向け充電アシスタントサービス、予防診断などのサービスを統合した「コネクテッドモビリティサービス事業部」を新設(2018年2月)し、新しいサービスの開発に加えて事業拡大へ向けた体制作りも加速させている。

また、パワープラントの電動化については、マイルドハイブリッドシステムなどに用いられる48Vバッテリーや、モーターとインバーター、トランスミッションをひとまとめにした一体型電動化車軸「eAxle(イーアクセル)」の量産を発表。ともに2019年前後の生産開始を見込んでいる。

一方で、ボッシュは2025年の段階でも全世界で8500万台の内燃機関車両が新車登録されると推定(電気自動車とハイブリッド車については2000万台)しており、当面はモーターと内燃機関が共存していくことから、内燃機関の研究開発も継続して進めていくとしている。特にディーゼルエンジンについては、既存の排ガス浄化システムに大幅な改良を施すことで、1km走行あたりの窒素酸化物(NOx)排出量を平均13mpまで下げることに成功。これはテスト車両の試験によって計測されたもので、2020年に欧州に導入される予定の規制値を、大幅に下回っているという。

これら四輪車関連の技術開発に加え、二輪車向けの先進運転支援システムの開発、製造現場向けの予知保全技術の開発、農家へ向けた病害予測サービスの提供など、さまざまな取り組みを推し進めているボッシュ。2018年は、経済的、地政学的リスクを考慮しつつも、過去最高を記録した2017年から、売上高がさらに2~3%増加すると予測している。

(webCG)

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