バイクレースの最高峰、MotoGPがタイで初開催
2018.08.29 自動車ニュース![]() |
2018年8月28日、タイのチャーンインターナショナルサーキットで開催される「MotoGP PTT Thailand Grand Prix 2018」のプレスカンファレンスが、東京・港区で行われた。
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舞台となるのはSUPER GTでもおなじみのコース
二輪ロードレースの最高峰として知られるMotoGPは、これまで年間18戦で開催されていたが、2018年シーズンからは新たにタイランドGPが加わったことで、全19戦で競われることとなった。今回の発表イベントは、新たな開催地のPRのためにタイ政府の主催によって行われ、観光スポーツ省の事務次官であるポーンパヌ・サウェータルン氏と、スポーツ庁総裁代理のサンウィアン・ブーントー氏という2人の高官や、メインスポンサーであるPTTオイル&リテールビジネス社のジラポーン・カーウサワット社長代行兼CEOなどが登壇した。
開催の舞台となるチャーンインターナショナルサーキットは、2014年9月にオープンしたばかりの新しいサーキットである。設計者は、セパン(マレーシア)、バーレーン(アラブ首長国連邦)、上海(中国)などのサーキットを手がけたドイツ人設計者ヘルマン・ティルケ氏で、F1開催条件であるFIAグレード1とMotoGP開催条件であるFIMグレードAの認定を受けている。一見、日本とは縁遠いものに思える同サーキットだが、実はレースファンにとってはなじみ深い場所でもある。2014年のオープン以来、SUPER GTの海外戦の舞台となっているからだ。このため、現地サーキットを熟知するひとりとして、SUPER GTを運営するGTアソシエイション代表取締役の坂東正明氏も、同イベントに招かれていた。
レースの開催とともに観光もPR
海外で唯一となるプレスカンファレンスが日本で実施された背景には、日本のモータースポーツファンに、ぜひ観光を兼ねてレース観戦にタイを訪れてほしいとの思いがある。現在、タイ政府は観光スポーツ省によるスポーツ産業の推進と発展に積極的に取り組んでいる。タイのスポーツ産業の売上高は63億7000万ドルにも上り、これは国内総生産(GDP)の1.43%を占め、しかも継続的な成長が期待されている。観光客の統計を見ても、スポーツ関連の滞在者のほうが滞在期間が長いというデータもあるのだそうだ。
また、タイ政府は地方の活性化策のひとつとしてもモータースポーツに注目している。チャーンインターナショナルサーキットがあるブリーラム県はタイの東北部に位置し、これまで大きく注目される機会はなかったというが、近年では同県に拠点を置くサッカーチーム「ブリーラム・ユナイテッドFC」の活躍と、タイ唯一の国際サーキットの誕生によって発展を遂げている。今回のMotoGP開催には、タイにおける地方のさらなる発展、観光産業の成長といった効果が期待されているのだ。
観光スポーツ省のサウェータルン氏は、「MotoGPの開催は、タイがスポーツ分野で設備が整っていることを世界中のファンに示す絶好の機会。ホスト国として優れたサービスとケアを提供し、必ず成功させる」と強く意気込みを語ると共に、モータースポーツ観戦とともに観光も楽しんでもらいたいと述べた。
またSUPER GTで同サーキットを使用する坂東氏は、「観客席からすべてのコーナーが見渡せ、どこでバトルが展開されているのかを観客がすぐに把握できるのが魅力。暑さについては、この夏の日本に比べたら、ずっと快適だ」と観客視点を大切にしたサーキットの特徴を紹介した。
MotoGP のスケジュールは、9月7日~9日に行われる第13戦サンマリノGP(サンマリノ)と、9月21日~23日の14戦アラゴンGP(スペイン)を経て、第15戦タイランドGPへと続く。初開催のコースだけに各チームやライダーがどんな作戦を立ててくるかは未知数。シーズンも終盤に差し掛かっての一戦となるだけに、タイトルを占ううえでも大事なレースとなるだろう。いろいろな意味で注目を集めるタイランドGPは、10月5日~7日に行われる。
(文と写真=大音安弘)