ボッシュ、事故原因解明に役立つCDRの日本導入を加速

2018.10.11 自動車ニュース webCG 編集部
今回の発表会のためにアメリカから来日したボッシュのグローバルCDRプロジェクトマネージャー、ビル・ローズ氏。
今回の発表会のためにアメリカから来日したボッシュのグローバルCDRプロジェクトマネージャー、ビル・ローズ氏。拡大

ボッシュは2018年10月10日、東京・渋谷の本社で「BOSCH CDR ステークホルダーカンファレンスインジャパン2018」を開催した。

CDRに関する日本での活動状況を紹介したボッシュのAPS CDRプロジェクトマネージャー、里 廉太郎氏。
CDRに関する日本での活動状況を紹介したボッシュのAPS CDRプロジェクトマネージャー、里 廉太郎氏。拡大

「CDR(クラッシュ・データ・リトリーバル)」とは、ボッシュがエアバッグモジュールに装着する車載用「EDR(イベント・データ・レコーダー)」のデータを読み取り、リポート化するツール。分かりやすく言えば、自動車におけるフライトレコーダーのようなものだ。

EDRは自動車事故の原因解明に役立ち、実際にアメリカでは事故関連の訴訟の際に証拠として採用されているほか、事故の際の法的責任が使用者にあるのか車両側にあるのかが大きく問われるであろう、来る自動運転時代にも公平・透明性の高いデータとして期待が寄せられているという。

現在、ボッシュのCDRは、トヨタやゼネラルモーターズをはじめとするアメリカ市場での販売車両において、17社52ブランド(2018年現在)で採用されており、さらに今後2社が同システムの導入を予定。合計19社に供給される見込みになっている。

今回ボッシュでは、日本の自動運転社会に向けた環境整備の一環としてCDRのステークホルダーカンファレンスを開催。アメリカでの使用ケースをもとに、同カンファレンスに参加した法執行機関や自動車メーカー、大手保険会社、各研究機関とともに日本独自の仕組みを構築していく考えだという。

CDRの活用や法的整備が整えば、事故原因の究明はもちろんのこと、例えば事故保険金の支払いがスピーディーに行われるなど、われわれユーザーにとってもメリットは少なくない。2020年には、日本での新車販売車両へのEDR搭載を義務化しようとする動きもあるという。事故原因の特定が複雑化、長期化するなか、CDRの重要性は今後ますます高まっていくだろう。

(webCG)