1937年の姿のまま 英国車アルヴィスの日本導入がスタート
2018.11.16 自動車ニュース![]() |
自動車部品の輸入を手がける明治産業は2018年11月16日、英国の自動車メーカーであるThe ALVIS Car Company(アルヴィス)との日本における総代理権を獲得し、アルヴィス車を日本市場に導入すると発表した。
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1919年創業のアルヴィスは、英国の高級車メーカーである。1928年にはルマン24時間でワンツーフィニッシュ、1933年には世界初のオールシンクロメッシュギアボックスを開発するなど一時代を築いたものの、1967年をもって量産車の製造を休止していた。翌1968年にアルヴィスの乗用車部門が、6万もの作業図面や技術データシートとともに、既存のオーナーにアルヴィス車のメンテナンスを提供するレッドトライアングルオートサービスを設立。その後アルヴィス本体は軍用車の生産などを手がけるが、2010年に自動車製造の再開を決定した。
今回、明治産業が導入するのは、4.4リッター直6エンジン搭載車と2.9リッター直6エンジン搭載車の2タイプ。いずれも「コンティニュエーションシリーズ」と呼ばれる限定モデルである。コンティニュエーションは日本語で「承継」を意味しており、これによってアルヴィスは過去との連続性を表現している。
4.4リッターシャシーについては、1937年に150台の製造を企画し、シャシーナンバーを登録したが、1940年に製造工場が爆撃を受けたことによって73台を出荷したところで製造が中止に。今回の復活劇では残りの77台を製造することをコンセプトにしているため、当時と同じカーナンバーとシャシーナンバーが割り振られる。レッドトライアングルによって保管されていた作業図面をもとに、直6エンジンなどは、当時のものを忠実に再現するという。シャシーの全長は約4.6mでホイールベースは約3.26m、トレッドは約1.46m、サスペンションは四輪独立懸架となる。ボディータイプは「ヴァンデンプラス ツアラー」「ベルトーリ スポーツクーペ」「ランスフィールド コンシールド フード」の3タイプ。
2.9リッターシャシーについては、製造休止前年の1966年に生産したパーツがふんだんに保管されているため、こちらをもとに生産する。ホイールベースは約3.26mでトレッドはフロントが約1.33m、リアが1.31m、サスペンションは四輪独立懸架を採用(全長は未公表)。ボディータイプは「グラバー スーパークーペ」「グラバー スーパーカブリオレ」「パークウォード ドロップヘッドクーペ」の3タイプとなる。
いずれのシャシーについても、燃料噴射方式(キャブレター/インジェクション)やマニュアルトランスミッション(4段/5段/6段)、ブレーキ形式(ドラム/ディスク)などは、顧客の要望に応じて変更できるため、エンジン出力などは公表されていない。
ボディータイプとスタート価格は以下の通り。なお、受注から納車までは数年単位の時間を要するため、為替の変動を考慮して、価格については英ポンド立てで発表されている。(カッコ内は1ポンド=145円で換算)
【4.4リッターシャシー】
- ヴァンデンプラス ツアラー:41万ポンド(5945万円)
- ベルトーリ スポーツクーペ:46万ポンド(6670万円)
- ランスフィールド コンシールド フード:48万ポンド(6960万円)
【2.9リッターシャシー】
- グラバー スーパークーペ:37万ポンド(5365万円)
- グラバー スーパーカブリオレ:39万ポンド(5655万円)
- パークウォード ドロップヘッドクーペ:28万ポンド(4060万円)
東京・半蔵門の駐日英国大使館で行われた記者発表会では、明治産業の竹内真哉 取締役社長が登壇し、1950年代から60年代にかけて明治産業の関連会社でアルヴィス車の輸入を手がけていたというエピソードを紹介するとともに、「新しい自動車の楽しみ方をお客さまに提供したい」とコメント。すでに国内で2台を受注しており、1台目が2019年6月の、2台目が2020年6月の納車となることも明らかにした。
(webCG)