現場を熟知するベテランドライバーのノウハウ

膨大なデータから条件に合う答えを導き出すのはAIの得意分野で、カーナビ業界だけでなく、物流業界も熱い視線を注ぐ。物流のルート設計は一般車両以上に難易度が高い。特に個別の店舗への配送や個人宅宛てを含む宅配便など「ラストワンマイル」と呼ばれる領域はルート選択に影響する因子が多くて複雑だ。

ごくシンプルなケースを図1に示す。3つの店舗を巡回して配送センターに戻る場合、店舗1→店舗2→店舗3と回ることもできるが、店舗2が反対車線にあるため、この場合は店舗1と店舗3を回ってから折り返して店舗2に行く方が、事故リスク低減という意味でも移動時間短縮という意味でもよさそうだ。しかし、もし時間指定の関係で店舗3から回るとなれば、また違ったルートを考えなければならない。

地域の交通事情を熟知するベテランのドライバーは比較的短時間のうちにルート設計をやってのける。このノウハウをシステム化できれば、経験の浅いドライバーでも効率的に仕事ができる。そして将来的に自動運転が実現したときにはこれが頭脳の一部になり得る。人手不足に悩む物流業界にとって、ラストワンマイルのルート効率化とシステム化は極めて大きなテーマなのだ。

図1:配送センターを出て3つの店舗を巡回するとしたらどういったルートが考えられるだろうか。(図作成:筆者)
図1:配送センターを出て3つの店舗を巡回するとしたらどういったルートが考えられるだろうか。(図作成:筆者)拡大
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