【F1 2021】カタールGP続報:ハミルトン2連勝、残り2戦でフェルスタッペンのリードは8点

2021.11.22 自動車ニュース
F1第20戦カタールGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真)。予選では最大のライバル、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに対し今年最大の0.455秒という大差をつけ、レースでもスタートから独走して今季7勝目。フェルスタッペンに対する14点のギャップを8点に縮め、残り2戦に向かう。(Photo=Mercedes)
F1第20戦カタールGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真)。予選では最大のライバル、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに対し今年最大の0.455秒という大差をつけ、レースでもスタートから独走して今季7勝目。フェルスタッペンに対する14点のギャップを8点に縮め、残り2戦に向かう。(Photo=Mercedes)拡大

2021年11月21日、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1世界選手権第20戦カタールGP。前戦サンパウロGP同様、ルイス・ハミルトンの華麗なる逆襲に、レッドブル陣営はなすすべがなかった。

スタートでトップを守ったハミルトン(写真先頭)。その後ろに、3番グリッドから2位に上がったアルピーヌのフェルナンド・アロンソが見える。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
スタートでトップを守ったハミルトン(写真先頭)。その後ろに、3番グリッドから2位に上がったアルピーヌのフェルナンド・アロンソが見える。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
予選2位だったフェルスタッペン(写真)は、Q3セッション中のダブルイエローフラッグ区間で減速しなかったことで、レース直前になって5グリッド降格、7番グリッドと大きなハンディを背負うことに。スタートで4位に上がり、あっという間に2位まで追い上げることができたものの、ハミルトンから優勝を奪うほどの速さはなかった。ポイントリードは8点まで減ったが、レースを振り返り「楽しかったね」と余裕を見せた。チームメイトのセルジオ・ペレスは、予選でまさかの11位と下位に沈むも、レースではオーバーテイクを重ねて4位フィニッシュ。コンストラクターズチャンピオンシップでは、トップのメルセデスに5点差で迫っている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
予選2位だったフェルスタッペン(写真)は、Q3セッション中のダブルイエローフラッグ区間で減速しなかったことで、レース直前になって5グリッド降格、7番グリッドと大きなハンディを背負うことに。スタートで4位に上がり、あっという間に2位まで追い上げることができたものの、ハミルトンから優勝を奪うほどの速さはなかった。ポイントリードは8点まで減ったが、レースを振り返り「楽しかったね」と余裕を見せた。チームメイトのセルジオ・ペレスは、予選でまさかの11位と下位に沈むも、レースではオーバーテイクを重ねて4位フィニッシュ。コンストラクターズチャンピオンシップでは、トップのメルセデスに5点差で迫っている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

ラスト3戦のはじまりは、初開催カタールGP

正式に開催が決まったのがシーズンも後半に入ってからの9月の終わり。F1マシンが走ったことはなく走行データはなし。そして3連戦の最後、南米ブラジルからの長距離移動の末に開かれることとなったのが第20戦カタールGP。2021年シーズンも大詰めとなるラスト3戦は、ここカタールに始まり、サウジアラビア、アブダビと続く中東シリーズとなる。

カタールは、ペルシャ湾に突き出た半島にあり、秋田県ほどの国土を持つ。サウジアラビアとは地続きで、ペルシャ湾を挟んで開幕戦バーレーンGPが行われた島国バーレーン、同じ湾岸沿いにはアブダビと、ヨーロッパ以外でこれだけGP開催国が密集しているエリアも珍しいだろう。今回の戦いの舞台であるロサイル・インターナショナル・サーキットは、首都ドーハから北に30kmほど離れた砂漠に位置しており、2004年から二輪の最高峰カテゴリーであるMotoGPが開催されてきたものの、四輪のレースではほとんど使われてこなかった。全長5.38km、1km強のメインストレート以外は、流れるような中高速のコーナーがほとんどを占めており、レース前からオーバーテイクが難しいのではと思われていた。

初のカタールGPでも、話題の中心はマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンの王座争奪戦だった。前戦サンパウロGPでハミルトンが勝利を収め、フェルスタッペンのリードは5点減り14点となった。またメルセデスのレッドブルに対するリードは1点から11点に広がり、メルセデス陣営が反転攻勢に出ていた。

シーズンを通して火花散らすメルセデスとレッドブル。両者一歩も引かない、一進一退の攻防が最終戦まで続くであろうことは、誰もが容易に想像できることだった。

アルピーヌにとっては値千金のポディウム。フェルナンド・アロンソ(写真)が、自身7年ぶりとなる久々の表彰台3位でゴール。40歳の元王者は、3番グリッドからスタートで2位に躍進。タイヤのパンクが頻発するなか、見事1ストップでポディウムの一角を守り切った。アルピーヌは、エステバン・オコンも5位入賞を果たしたことで、レース前に同点で並んでいたアルファタウリに25点もの大量リードを築いた。(Photo=Alpine F1)
アルピーヌにとっては値千金のポディウム。フェルナンド・アロンソ(写真)が、自身7年ぶりとなる久々の表彰台3位でゴール。40歳の元王者は、3番グリッドからスタートで2位に躍進。タイヤのパンクが頻発するなか、見事1ストップでポディウムの一角を守り切った。アルピーヌは、エステバン・オコンも5位入賞を果たしたことで、レース前に同点で並んでいたアルファタウリに25点もの大量リードを築いた。(Photo=Alpine F1)拡大

レッドブル苦戦、ハミルトンが完璧なラップでポール

予選は、終始メルセデスがリードして進み、レッドブルはセルジオ・ペレスが11位でQ2敗退となるなど苦戦を強いられた。

トップ10グリッドを決めるQ3で最速だったのはハミルトン。自身も「ビューティフルだった」と認める完璧なラップで今シーズン4回目、通算102回目のポールポジションを奪った。レッドブルのフェルスタッペンは2位となるも、0.455秒ものギャップは今季ドライのQ3では最大の開き。メルセデスのバルテリ・ボッタスが3位につけ、フェルスタッペンを2台のシルバーアローが囲む包囲網ができた。

アルファタウリ勢は、絶好調のピエール・ガスリーが4位、角田裕毅は8位。アルファタウリと同点でコンストラクターズランキング5位につけるアルピーヌ勢は、フェルナンド・アロンソ5位、エステバン・オコン9位と両陣営が拮抗(きっこう)した。

マクラーレンで唯一Q3に進んだランド・ノリスは6位。同じくトップ10に残った唯一のフェラーリはカルロス・サインツJr.で7位と、こちらもチャンピオンシップ3位を争う2チームが並び、アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルが10位からレースに臨むこととなった。

フェラーリは、3戦連続でカルロス・サインツJr.(写真)がチームメイトとの予選対決を制し7位、フェルスタッペンとバルテリ・ボッタスの降格ペナルティーで5番グリッド。シャルル・ルクレールはQ2敗退で13位と、予選では2台で明暗が分かれたが、レースとなれば2台そろってポイントを獲得し、サインツJr.7位、ルクレールは8位と、最大のライバルであるマクラーレンのランド・ノリスを9位に従えてダブル入賞。コンストラクターズランキング4位のマクラーレンとの差は39.5点まで開き、ランキング3位の座を確かなものにしつつある。(Photo=Ferrari)
フェラーリは、3戦連続でカルロス・サインツJr.(写真)がチームメイトとの予選対決を制し7位、フェルスタッペンとバルテリ・ボッタスの降格ペナルティーで5番グリッド。シャルル・ルクレールはQ2敗退で13位と、予選では2台で明暗が分かれたが、レースとなれば2台そろってポイントを獲得し、サインツJr.7位、ルクレールは8位と、最大のライバルであるマクラーレンのランド・ノリスを9位に従えてダブル入賞。コンストラクターズランキング4位のマクラーレンとの差は39.5点まで開き、ランキング3位の座を確かなものにしつつある。(Photo=Ferrari)拡大
過去2戦でたった2点しか取れず、コンストラクターズランキング3位の座をフェラーリに奪われて、さらに31.5点もの大量リードを許していたマクラーレン。起死回生を狙って迎えたカタールGPでは、ダニエル・リカルドが予選で14位に沈むも、ノリス(写真)が同6位、フェルスタッペンとボッタスの降格ペナルティーで4番グリッドが転がり込んできた。しかし、ノリスはタイヤのパンクに見舞われ9位入賞がやっと。リカルドは12位無得点に終わり、フェラーリとのポイント差は39.5点まで拡大。マクラーレンは通算出走回数900回目を残念な結果で終えた。(Photo=McLaren)
過去2戦でたった2点しか取れず、コンストラクターズランキング3位の座をフェラーリに奪われて、さらに31.5点もの大量リードを許していたマクラーレン。起死回生を狙って迎えたカタールGPでは、ダニエル・リカルドが予選で14位に沈むも、ノリス(写真)が同6位、フェルスタッペンとボッタスの降格ペナルティーで4番グリッドが転がり込んできた。しかし、ノリスはタイヤのパンクに見舞われ9位入賞がやっと。リカルドは12位無得点に終わり、フェラーリとのポイント差は39.5点まで拡大。マクラーレンは通算出走回数900回目を残念な結果で終えた。(Photo=McLaren)拡大

フェルスタッペン、降格となるも瞬く間に2位に

レース直前になって、予選2位のフェルスタッペンが5グリッド降格で7番グリッド、同3位のボッタスは3グリッド降格で6番グリッドとなることが発表された。Q3セッション中にガスリーがパンクしたことでイエローフラッグが出されたのだが、この2人は減速しなかったということでペナルティーが科されたのだ。

これでハミルトンとガスリーが最前列、その後ろにアロンソ、ノリス、サインツJr.がそれぞれ繰り上がり、宵の口を迎えた現地時間17時過ぎ、57周のレースがスタート。ハミルトンがトップを守る一方、名手アロンソが2位に上がり、ガスリーは3位にダウンした。予選までは勢いがあったアルファタウリ勢は、ガスリー、角田ともにレースペースが遅くズルズルと後退し、なんと2台ともポイント圏外でゴールすることになる。

7番グリッドのフェルスタッペンは抜群のスタートで4位にジャンプアップし、さらに4周目にはガスリーを抜き3位、5周目にアロンソをかわして2位と、瞬く間にペナルティーを帳消しにしてしまう。だが、この日のレッドブルに首位ハミルトンを凌駕(りょうが)するまでの速さはなく、4.2秒あった差は10周目には5.5秒と、ジワジワと離されていった。

フェルスタッペンは先にミディアムタイヤを使い切ってしまい、18周目にハードを求めてピットに入った。これに反応してハミルトンも翌周にミディアムからハードに交換。ハミルトンとフェルスタッペンの戦いは、9秒の差で第2スティントに入っていった。

アルファタウリは、予選で絶好調、レースで絶不調と明暗が分かれた。ピエール・ガスリー(写真前)は、3回のプラクティスで2位、2位、4位となり、予選でも4位。さらにフェルスタッペンとボッタスの降格ペナルティーで2番グリッドに繰り上がったのだが、レースではスタートで3位に落ち、ペースが遅く順位が下がり続け、結果入賞圏外の11位。角田裕毅も予選Q3に駒を進め8位と健闘したものの、ヘルメットの“捨てバイザー”がリアウイングに引っかかりバランスを崩し、それを取り除くために早めのピットインを余儀なくされ、最終的に13位でレースを終えた。アルピーヌと同点で並んでいたが、ライバルの大量得点に25点ものギャップを築かれてしまった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
アルファタウリは、予選で絶好調、レースで絶不調と明暗が分かれた。ピエール・ガスリー(写真前)は、3回のプラクティスで2位、2位、4位となり、予選でも4位。さらにフェルスタッペンとボッタスの降格ペナルティーで2番グリッドに繰り上がったのだが、レースではスタートで3位に落ち、ペースが遅く順位が下がり続け、結果入賞圏外の11位。角田裕毅も予選Q3に駒を進め8位と健闘したものの、ヘルメットの“捨てバイザー”がリアウイングに引っかかりバランスを崩し、それを取り除くために早めのピットインを余儀なくされ、最終的に13位でレースを終えた。アルピーヌと同点で並んでいたが、ライバルの大量得点に25点ものギャップを築かれてしまった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
先ごろ、マイケル・アンドレッティによるチーム買収が頓挫したことが明らかになったアルファ・ロメオ(ザウバー)。来季のボッタスのチームメイトがなかなか決まらなかったが、ようやく周 冠宇(ジョウ・グアンユー/写真)がそのシートを射止めたことが発表され、2022年には中国人初のフルタイムF1ドライバーが誕生することになった。周は2015年からヨーロッパでF4やF3といったジュニアカテゴリーシリーズに参戦。フェラーリやルノー(現アルピーヌ)のドライバーアカデミーにも加わっており、ルノーではF1開発ドライバーを務めてきた。周が持ち込むスポンサー料は一説では30億円ともいわれており、中国をベースにした資金力は大きな魅力のひとつ。もちろんマネーだけでは勝ち上がれないのが現代のF1で、2021年はFIA F2選手権で2位と健闘している。これで来シーズンのドライバーラインナップは全チーム確定。チームを去ることとなったアントニオ・ジョビナッツィはフォーミュラEに活路を見いだす。(Photo=Alfa Romeo Racing)
先ごろ、マイケル・アンドレッティによるチーム買収が頓挫したことが明らかになったアルファ・ロメオ(ザウバー)。来季のボッタスのチームメイトがなかなか決まらなかったが、ようやく周 冠宇(ジョウ・グアンユー/写真)がそのシートを射止めたことが発表され、2022年には中国人初のフルタイムF1ドライバーが誕生することになった。周は2015年からヨーロッパでF4やF3といったジュニアカテゴリーシリーズに参戦。フェラーリやルノー(現アルピーヌ)のドライバーアカデミーにも加わっており、ルノーではF1開発ドライバーを務めてきた。周が持ち込むスポンサー料は一説では30億円ともいわれており、中国をベースにした資金力は大きな魅力のひとつ。もちろんマネーだけでは勝ち上がれないのが現代のF1で、2021年はFIA F2選手権で2位と健闘している。これで来シーズンのドライバーラインナップは全チーム確定。チームを去ることとなったアントニオ・ジョビナッツィはフォーミュラEに活路を見いだす。(Photo=Alfa Romeo Racing)拡大

ハミルトン完勝、アロンソ7年ぶりの表彰台

当初は2ストップが大勢を占めると思われたが、レースが始まってみると果敢に1ストップに挑むものも多く、そのなかにはスタートで失敗し大きく順位を落としたボッタスも含まれていた。ノンストップで3位を走っていた34周目、ボッタスの左フロントのミディアムタイヤが突如パンクし緊急ピットイン。その後ポイント圏外からはい上がることができず、リタイアを喫することになる。

優勝を争う2人は2度目のタイヤ交換を行い、42周目にはフェルスタッペン、続いてハミルトンもピットイン、両者ミディアムに履き替えた。

残り10周となり、1位ハミルトン、8.9秒差で2位フェルスタッペン、そして3位はアロンソ。アルピーヌ駆る元王者アロンソは、1ストップでしぶとく表彰台を守っていたが、ボッタスをはじめノリスやジョージ・ラッセル、ニコラス・ラティフィと長いスティントを走っていたドライバーが軒並みパンクに見舞われる事態が起きており、ピレリの信頼性を心配しなければならなかった。

しかし、ラティフィのマシンを撤去するためバーチャルセーフティーカーが55周目に出されたことで、ペースを抑えタイヤをセーブすることができ、アロンソも一安心。2005年、2006年のチャンピオンは、フェラーリをドライブしていた7年前の2014年ハンガリーGP以来、105戦ぶりとなる久々のポディウムにのぼり、喜びをかみしめていた。

首位独走のハミルトンは2連勝で今季7勝目。「連勝して素晴らしい気分だ。残り2レースにいいかたちで向かえる」と語った7冠王者は、この勢いのまま最終決戦に臨みたいところだ。

一方、2戦連続の2位に終わったフェルスタッペンは、バーチャルセーフティーカーのタイミングでソフトタイヤに履き替えて、ファステストラップの1点を追加。チャンピオンシップのリードはこれで8点差となった。「幸運にもスタートが本当によかった。ファステストラップが取れたのもいいことだったね」と落ち着いた表情で語るレッドブルのエース。最後の2戦、強敵メルセデス&ハミルトンの追い上げに対抗するすべはあるのか。

メキシコ、ブラジル、カタールと続いた過酷な3連戦を終え、いよいよ残りは2戦。第21戦サウジアラビアGP決勝は、12月5日に行われる。

(文=bg) 

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