三菱が新型軽「デリカミニ」の実車を初公開! EV登場の可能性は?【東京オートサロン2023】

2023.01.13 自動車ニュース webCG 編集部
「三菱デリカミニ」と、同車の開発を主導した三菱自動車 商品戦略本部チーフ・プロダクト・スペシャリストの藤井康輔氏。
「三菱デリカミニ」と、同車の開発を主導した三菱自動車 商品戦略本部チーフ・プロダクト・スペシャリストの藤井康輔氏。拡大

三菱自動車は2023年1月13日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京オートサロン2023」(開催期間:2023年1月15日まで)において、新型軽乗用車「デリカミニ」を発表。実車を初公開した。

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「デリカミニ」のデザインは、力強さと親しみやすさが融合したもの。フロントマスクでは、「DELICA」のロゴや半円形に光るヘッドランプが目を引く。
「デリカミニ」のデザインは、力強さと親しみやすさが融合したもの。フロントマスクでは、「DELICA」のロゴや半円形に光るヘッドランプが目を引く。拡大
「デリカミニ」の特徴について説明する藤井氏。
「デリカミニ」の特徴について説明する藤井氏。拡大
ユーティリティーが第一の軽乗用車らしく、車内の収納スペースは充実している。
ユーティリティーが第一の軽乗用車らしく、車内の収納スペースは充実している。拡大
シート表皮には、ダウンジャケットなどをモチーフにしたという、はっ水加工が施された3Dパターンの表皮を採用している。
シート表皮には、ダウンジャケットなどをモチーフにしたという、はっ水加工が施された3Dパターンの表皮を採用している。拡大
濡れたものを気兼ねなく積めるよう、荷室まわりでもフロアボードは樹脂製、後席シートバックはPVC製となっている。
濡れたものを気兼ねなく積めるよう、荷室まわりでもフロアボードは樹脂製、後席シートバックはPVC製となっている。拡大
トークショーで「デリカミニ」の印象を語る竹岡 圭氏(写真向かって左)。「女性のなかにも力強いクルマに引かれる人は多い。そういった人にはぴったりではないか」とのことだった。
トークショーで「デリカミニ」の印象を語る竹岡 圭氏(写真向かって左)。「女性のなかにも力強いクルマに引かれる人は多い。そういった人にはぴったりではないか」とのことだった。拡大
「東京オートサロン2023」には標準車の「デリカミニ」のほかにも、カスタマイズカーが2台展示されている。写真は雪山をモチーフにした「デリカミニSNOW SURVIVOR」。
「東京オートサロン2023」には標準車の「デリカミニ」のほかにも、カスタマイズカーが2台展示されている。写真は雪山をモチーフにした「デリカミニSNOW SURVIVOR」。拡大
アウトドアブランド「コールマン」とのコラボレーションモデルである「デリカミニ × Coleman」。車体色にはコールマンのアイテムにも用いられるベージュが使われている。
アウトドアブランド「コールマン」とのコラボレーションモデルである「デリカミニ × Coleman」。車体色にはコールマンのアイテムにも用いられるベージュが使われている。拡大
イベント後の個別取材で聞いたところ、スーパーハイトワゴンのEV化には重量増やそれに伴う航続距離の低下などの問題があり、一朝一夕にはいかないとのことだった。
イベント後の個別取材で聞いたところ、スーパーハイトワゴンのEV化には重量増やそれに伴う航続距離の低下などの問題があり、一朝一夕にはいかないとのことだった。拡大
モータージャーナリストの竹岡 圭氏(写真向かって右)と、三菱自動車の藤井康輔氏。
モータージャーナリストの竹岡 圭氏(写真向かって右)と、三菱自動車の藤井康輔氏。拡大

注目すべきはデザインだけにあらず!

三菱デリカミニは、SUVを想起させる力強いデザインが特徴の、新型の軽スーパーハイトワゴンである。発表会では三菱自動車 商品戦略本部チーフ・プロダクト・スペシャリストの藤井康輔氏が登壇。今年で55年を迎えるという「デリカ」シリーズの歴史を振り返りつつ、デリカミニの特徴を説明した。

商品コンセプトは「Reliable & Active Super Hight Wagon」というもので、藤井氏は「デリカの名にふさわしい頼もしさと力強さを持ち、アウトドアレジャーから日常までを楽しめる軽スーパーハイトワゴン」と説明。実用的なパッケージとアクティブなキャラクターを融合させたとしている。

デリカならではの力強さと親しみやすさを併せ持つエクステリアはもちろん、インテリアにもこだわっており、シートには3Dパターンのはっ水表皮を採用。通気性に配慮したり生地に厚みをもたせたりと、座り心地も重視したものとなっている。またスーパーハイトワゴンならではのパッケージングも特徴で、後席の左右独立ロングスライド機能により、多彩なシートアレンジを実現。荷室には樹脂製のラゲッジボードやPVC製の後席シートバックを設定しており、先述のはっ水シートともどもアウトドアレジャーでの機能性を重視した仕様となっている。

走りにおいても、滑りやすい急なスロープなどを下るときに重宝する「ヒルディセントコントロール」を標準装備。安全装備に関しては、三菱が「e-Assist」と総称する各種予防安全機能を標準で備えるなど、補助金の対象となる「サポカーSワイド」相当の装備を標準で搭載している。

このほかにも、4WD車では大径タイヤを装着して最低地上高を高めるとともに、専用チューニングのショックアブソーバーを採用。荒れた路面でも安心感のある操縦性と快適な乗り心地を実現しているという。

藤井氏はこのデリカミニについて、「ミッドサイズの『デリカD:5』が親だとすれば、デリカミニはやんちゃな子供」と表現。根強い人気を誇る三菱デリカシリーズの、新しいエントリーモデルという同車のポジションを強調した。

新型デリカミニの発売は2023年5月を予定。価格は約180万円~約225万円とされている。

「eKクロス スペース」はひっそりフェードアウト?

イベントの後半では、上述の藤井氏とモータージャーナリストの竹岡 圭氏によるトークショーも実施。竹岡氏の「上位車種がデリカD:5や『デリカD:3』『デリカD:2』という名前なのに、なぜこのクルマはデリカミニなのか? 『D:1』でもよかったのでは?」という問いに対し、「デリカは若いファミリーから、『オフロードを走るのが好きな男の人のクルマでしょう』と遠い存在に感じられることがあった。デリカD:1という車名も候補のひとつにはあったが、身近に感じてもらえるよう“ミニ”という言葉を加えることにした」というエピソードが披露された。

またデリカという車名から期待される悪路走破性についても、「4WD車のサスペンションチューニングでは岡崎(愛知県の岡崎製作所)のテストコースを何度も走らせ、いろいろ調整してベストなところにもってきた」と開発の様子を披露。「『このクルマでキャンプに行ってほしい』というような提案をするからには、悪路でお客さまに不安を与えるようなクルマにはしたくない」と語り、その走りに自信をにじませた。

このほかにも「デリカミニが登場したのなら『パジェロミニ』の復活にも期待していいのか?」という問いには、「ファンの期待が多いことは理解しているが、現時点で話せることはない」と回答。「デリカミニのEV(電気自動車)の可能性は?」という問いに対しては、「スライドドアでEVを出してほしいという声はたくさんいただいている。デリカミニをこの先どう進化させていくか? EVであるとかさまざまな選択肢があると思うが、いろんな人の声を聴きながら、この先さらに進化させていけるよう考えていきたい」と述べた。

また三菱には「eKスペース/eKクロス スペース」というスーパーハイトワゴンがすでにラインナップされているが、イベント後の個別取材で今後の車種展開を尋ねたところ、「今後はデリカミニに集中していく予定。ただeKスペースについては残すかもしれない」(藤井氏)という回答が得られた。eKクロス スペースはフェードアウトさせ、今後はクロスオーバースタイルの軽スーパーハイトワゴンは、デリカミニに集約する予定のようだ。

(webCG)

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