いすゞとUDトラックスがトラクターヘッドを共同開発 新型「ギガ」「クオン」として発売
2023.03.29 自動車ニュース![]() |
いすゞ自動車とUDトラックスは2023年3月29日、トラクターヘッドの新型「いすゞ・ギガ」「UDトラックス・クオン」を発表した。
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両社にとって初の共同開発モデル
いすゞとUDトラックスは、ともに日本の商用車メーカーである。UDトラックスはもともとボルボグループの傘下にあったが、2021年4月にいすゞが買収。海外事業の強化を目的に共同オフィスをシンガポールに開所するなど、各領域において協業を推し進めてきた。
今回発表された新型ギガ/クオンは、いすゞとUDトラックスによる初の共同開発モデルであり、両社の販売網で2023年4月4日より販売される。開発に際しては両社の技術を持ち寄り、エンジンのダウンサイジングによって高い積載効率を追求。また操作性の改善や安全装備の拡充などを通し、ドライバー不足や労働環境の改善といった社会課題の解決も目指したとされる。
ラインナップはリア1軸の「4×2」とリア2軸の「6×4」の2種類。パワーユニットには排気量11リッターの「GH11」と同13リッター「GH13」のディーゼルエンジンを設定しており、特に後者は、国内ではトップとなる最高出力530PSを発生する。組み合わされるトランスミッションは電子制御式AT「ESCOT」で、ギアチェンジがよりスムーズになるよう改良されているという。また2021年にUDトラックスが実用化したアクティブステアリングの採用も特徴で、低速域での軽い操舵性や、高速走行時の優れた直進性、不整路走行時の振動の少なさと走行安定性の高さにより、ドライバーの負担軽減に寄与するという。
生産を担うのは埼玉県のUDトラックス上尾工場。車両の基本的な部分はギガ/クオンで共通としながらも、デザインや機能装備の設定などで差異化を図り、要望の異なるいすゞ、UDトラックス双方の顧客の期待に応えるとしている。
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3年目を迎えた協業の意義と成果を強調
埼玉・上尾のUDトラックス本社で行われた発表会には、いすゞの南 真介COOと、技術本部開発部門統括の大平 隆氏、UDトラックスのダグラス・ナカノ開発部門シニアバイスプレジデント兼最高技術責任者が参加。大平氏は、より積載量が多く、また快適に運転できるモデルの投入を通して、トラックドライバーの人手不足解消と労働環境の改善に寄与したいと語り、新型車に期待を寄せた。
一方、UDトラックスは新型クオンの導入により、国内市場で実に13年ぶりに6×4の商品が復活することとなる。これについてナカノ氏は「これまでは、顧客からの要望があるにもかかわらず車型を展開できないセグメントがあったが、いすゞとの協業により、国内でもそれが展開できるようになった」とコメント。「安全技術の向上についても知見を持ち寄れるようになり、品質管理などにも多くの力をつぎ込んで、強みを実現できている。今後もさらに優れた製品を幅広く展開していきたい」と述べた。
さらに両社の協業について、いすゞの南COOは「いすゞは小型、中型、大型と幅広いラインナップがある一方、UDトラックスは大型トラックに特化してきたことによる専門性、お客さまに対する強い提案力がある。それぞれ日本ですみ分けることで、より密接な関係をつくっていける。現実にこの1、2年で大きな成果が出てきている」とその意義を強調。大平氏も「両社のリソースを有効活用することで、開発の効率が非常に高くなっている。従来技術だけでなく、カーボンニュートラルなど新しい技術にも積極的に対応し、さまざまな社会課題の解決に貢献するソリューションを提供したい」と述べた。
(webCG)
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