3列シートのフルサイズ電動SUV「メルセデス・ベンツEQS SUV」発売

2023.05.29 自動車ニュース webCG 編集部
メルセデス・ベンツEQS SUV
メルセデス・ベンツEQS SUV拡大

メルセデス・ベンツ日本は2023年5月29日、メルセデスEQブランドの新型電動SUV「EQS SUV」を発売した。

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「EQS SUV」は、メルセデス・ベンツのフラッグシップ電気自動車(EV)「EQS」と同様に、EV専用のプラットフォーム「EVA2」を採用した3列シート7人乗りのフルサイズSUV。米国アラバマ州のタスカルーサ工場で生産される。
「EQS SUV」は、メルセデス・ベンツのフラッグシップ電気自動車(EV)「EQS」と同様に、EV専用のプラットフォーム「EVA2」を採用した3列シート7人乗りのフルサイズSUV。米国アラバマ州のタスカルーサ工場で生産される。拡大
エントリーグレード「EQS450 4MATIC SUV」。ボディーサイズは全長×全幅×全高=5130×2035×1725mm、ホイールベースは3210mm。
エントリーグレード「EQS450 4MATIC SUV」。ボディーサイズは全長×全幅×全高=5130×2035×1725mm、ホイールベースは3210mm。拡大
「EQS SUV」のCd値は0.26で、SUVとしては極めて優れた空力性能が実現されている。
「EQS SUV」のCd値は0.26で、SUVとしては極めて優れた空力性能が実現されている。拡大
ボディー面に格納されるドアハンドルや真一文字のコンビランプなど、これまでの「EQモデル」に共通するディテールも特徴。
ボディー面に格納されるドアハンドルや真一文字のコンビランプなど、これまでの「EQモデル」に共通するディテールも特徴。拡大
上位グレードの「EQS580 4MATIC SUVスポーツ」には、3枚の高精細パネルで構成される「MBUXハイパースクリーン」が標準で装備される。
上位グレードの「EQS580 4MATIC SUVスポーツ」には、3枚の高精細パネルで構成される「MBUXハイパースクリーン」が標準で装備される。拡大
「EQS450 4MATIC SUV」のインテリア。ボディー構造部の空洞部分の多くに防音発泡材を充てんし、静粛性も高めたという。
「EQS450 4MATIC SUV」のインテリア。ボディー構造部の空洞部分の多くに防音発泡材を充てんし、静粛性も高めたという。拡大
3列シートのレイアウトを採用。2列目シートには前後130mmの電動スライドと、3列目シートにアクセスするためのイージーエントリー機構が備わっている。
3列シートのレイアウトを採用。2列目シートには前後130mmの電動スライドと、3列目シートにアクセスするためのイージーエントリー機構が備わっている。拡大
荷室容量は、3列すべてのシートを使用した場合が195リッター、3列目シートを倒した場合は最大で800リッター、2列目と3列目シートを倒した場合は同2100リッターとなる。
荷室容量は、3列すべてのシートを使用した場合が195リッター、3列目シートを倒した場合は最大で800リッター、2列目と3列目シートを倒した場合は同2100リッターとなる。拡大

高水準のエアロダイナミクス性能

今回発表されたEQS SUVは、フラッグシップ電気自動車(EV)「EQS」と同様に、EV専用のプラットフォーム「EVA2」を採用した3列シート7人乗りのフルサイズSUVである。

エクステリアデザインは、ゆったりとした面の構成や継ぎ目の少なさ、そしてシームレスデザインといった「Sensual Purity(センシュアルピュリティー=官能的純粋)」の考え方を反映したものと紹介されている。運転支援システムのカメラやセンサー類を内蔵するブラックパネルを組み込んだフロントグリル、ボディー面に格納されるドアハンドル、真一文字のコンビランプなど、これまでのEQモデルに共通するディテールも特徴だ。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=5130×2035×1725 mmで、ホイールベースはEQSと同じ3210mm。外寸はメルセデス・ベンツのフラッグシップSUV「GLS」よりも全長が80mm短く、全幅が80mm広く、全高が100mm低い。(数値は「EQS450 4MATIC SUV」と「GLS400d 4MATIC」との比較)

空力性能の向上もEQS SUVの重要な開発テーマとされ、仮想風洞内で実施した演算回数は数千回にのぼったという。アンダーボディーとハッチバックスタイルのリアエンド形状によって発生する乱気流を、スポイラーリップを設けたリアディフューザーでコントロールするほか、F1マシンにヒントを得て開発したランニングボードやエアロダイナミクスを考慮したホイールなどの最新技術を採用。その工夫は多岐にわたる。Cd値(空気抵抗係数)は0.26を誇り、SUVとして極めて優れた空力性能が実現されている。

インテリアについては、他のEQモデルと同じくジェットエンジンのタービンを模したエアアウトレットや、フローティングデザインを用いたインストゥルメントパネルの採用が特徴となる。2車種のラインナップのうち、上位グレードの「EQS580 4MATIC SUVスポーツ」には、3枚の高精細パネル(12.3インチのコックピットディスプレイ、17.7インチの有機ELメディアディスプレイ、12.3インチの助手席側有機ELフロントディスプレイ)で構成される「MBUXハイパースクリーン」が標準で装備される。これはエントリーグレードにあたる「EQS450 4MATIC SUV」でもオプションで選択できる。

3列シートのレイアウトを採用するのもEQS SUVのセリングポイントである。すべてのシートにヒーターが内蔵されており、2列目シートには前後130mmの電動スライドと、3列目シートにアクセスするためのイージーエントリー機構が備わっている。荷室容量は、3列すべてのシートを使用した場合が195リッター、3列目シートを倒した場合は最大で800リッター、2列目と3列目シートを倒した場合は同2100リッターとなる。乗員5人の場合でも、ゴルフバッグが4個積めるスペースが確保されている。

バッテリーは10年または25万km保証

EQS SUVは前後アクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)が採用されている。EQS450 4MATIC SUVは最高出力360PS、最大トルク800N・m、EQS580 4MATIC SUVスポーツは同544PS、最大トルク858N・mを発生。一充電航続可能距離はWLTCモードで前者が593km、後者が589kmと発表されている。

四輪駆動システム4MATICでは、トルクシフト機能によってフロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの緻密な連続可変配分が行われる。eATSは前後アクスルを個別に調整可能で、前後輪に必要な駆動トルクを毎分1万回の頻度でチェック。必要に応じて前後の駆動力配分が最適化される。

リチウムイオンバッテリーおよびその管理ソフトはメルセデスの自社開発品で、容量は107.8kWh。6.0kWまでの交流普通充電と150kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応している。EQSや「EQE」などと同じくバッテリーには証明書が付帯し、EQケアにより10年もしくは25万kmの性能(残容量70%)が保証される。日本仕様車には車外に電力を供給できる双方向充電が備わる。

CHAdeMO規格における充電時間(10%から80%まで)は、50kWタイプの充電器を用いた場合は100分、90kWタイプでは同53分、150kWタイプでは同49分。30分間の充電量はそれぞれ30%、49%、58%と発表されている。

安全装備・運転支援システムも充実しており、ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより周囲の交通状況を的確に把握。「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付き)」「アクティブステアリングアシスト」「渋滞時緊急ブレーキ機能」「アクティブレーンチェンジングアシスト」などのほか、緊急時に自動減速・停車(停車後はパーキングブレーキも作動)する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」や歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付き「アクティブブレーキアシスト」「緊急回避補助システム」、ペダルの誤操作による事故を防ぐ「ドライブアウェイアシスト」「360度カメラシステム」「メモリーパーキングアシスト」などが備わる。

EQS SUVのラインナップと価格は以下のとおり。

  • メルセデス・ベンツEQS450 4MATIC SUV:1542万円
  • メルセデス・ベンツEQS580 4MATIC SUVスポーツ:1999万円

(webCG)

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