【F1 2023】第18戦カタールGP続報:フェルスタッペンがスプリントで3連覇達成 レースでもポールから貫禄勝ち

2023.10.09 自動車ニュース bg
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F1第18戦カタールGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真右から2番目)、2位に入ったマクラーレンのオスカー・ピアストリ(同左端)、3位でレースを終えたマクラーレンのランド・ノリス(同右端)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
F1第18戦カタールGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真右から2番目)、2位に入ったマクラーレンのオスカー・ピアストリ(同左端)、3位でレースを終えたマクラーレンのランド・ノリス(同右端)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

2023年10月8日、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1世界選手権第18戦カタールGP。土曜日のスプリントでタイトルを決めたトリプル・チャンピオンが、レースでもいつもどおりミスなし、敵なしで完勝した。

土曜日のスプリントでは、マクラーレンの新人ピアストリが初優勝を遂げたが、真のウィナーはといえば、2位でゴールし2023年のドライバーズチャンピオンを確定させたフェルスタッペン(写真中央)だった。3年連続のタイトル獲得は、ファン・マニュエル・ファンジオ、ミハエル・シューマッハー、セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトンに次いで史上5人目の快挙。6戦を残しての戴冠は、2002年シーズンを席巻したシューマッハー&フェラーリに匹敵する早さである。なお日曜日以外にタイトルが確定した例は過去にあり、1987年の第15戦日本GPでは、ナイジェル・マンセルが予選で大クラッシュ、その後のセッションを欠場したことで金曜日の時点でネルソン・ピケがチャンピオンに。さらに1983年の最終戦南アフリカGPはレースが土曜日に行われており、この時もピケに栄冠が渡った。ちなみにフェルスタッペンのいまのガールフレンドは、そのピケの娘ケリーである。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
 
土曜日のスプリントでは、マクラーレンの新人ピアストリが初優勝を遂げたが、真のウィナーはといえば、2位でゴールし2023年のドライバーズチャンピオンを確定させたフェルスタッペン(写真中央)だった。3年連続のタイトル獲得は、ファン・マニュエル・ファンジオ、ミハエル・シューマッハー、セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトンに次いで史上5人目の快挙。6戦を残しての戴冠は、2002年シーズンを席巻したシューマッハー&フェラーリに匹敵する早さである。なお日曜日以外にタイトルが確定した例は過去にあり、1987年の第15戦日本GPでは、ナイジェル・マンセルが予選で大クラッシュ、その後のセッションを欠場したことで金曜日の時点でネルソン・ピケがチャンピオンに。さらに1983年の最終戦南アフリカGPはレースが土曜日に行われており、この時もピケに栄冠が渡った。ちなみにフェルスタッペンのいまのガールフレンドは、そのピケの娘ケリーである。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
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FIAが承認した“11番目の新チーム”はF1に参戦できるのか?

2025年からF1に新規参入するチームを受け付けていたFIA(国際自動車連盟)は、その審査結果を2023年10月2日に発表。元F1ドライバーであるマイケル・アンドレッティ率いる「アンドレッティ・フォーミュラ・レーシング」の参戦が承認された。

とはいえ、晴れて11番目のチームがグリッドにつけるかどうかはまだ決まっていない。商業権を握るフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)との契約を結ぶ必要があるからなのだが、この契約交渉が困難を極めるであろうことは誰もが予想していること。なぜなら、既存10チームの多くが新規参入を快く思っていないからだ。

F1に参戦するチームは、成績やF1への歴史的貢献度をベースにFOMから分配金を受け取っている。近年は空前のF1人気により懐具合もだいぶ良くなってきてはいるはずだが、分配金を10チームで分けるのと11チームで分けるのとでは額が変わってくる。既得権益といえばそれまでだが、収益が減ることを歓迎するチームなどいないのは事実である。

F1人気の中心にアメリカ市場があるのは周知のとおりで、2023年は彼の地で3レースも開かれるほど活況を呈している。アメリカを拠点とするアンドレッティが、取りあえずバッジだけとはいえキャデラックをパートナーに連れてくこともアナウンスされており、また2026年からは(これまたブランド名としてだが)フォードがレッドブルとタッグを組むこともある。

近年のF1人気を支えるアメリカとの蜜月を象徴する「アンドレッティ・キャデラック」が反対されるというのも皮肉な話だが、コース外の政治的な駆け引きも、世界最高峰のF1ならではの熾烈(しれつ)な戦いなのである。

レースのスタートでトップを走るフェルスタッペン(写真前列左)に、メルセデスの2台が並びかけ、3台が重なり合うようにターン1へ進入。ジョージ・ラッセル(同中央)とチームメイトのルイス・ハミルトン(同右)が接触、ハミルトンはコースアウトしリタイアを喫した。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
レースのスタートでトップを走るフェルスタッペン(写真前列左)に、メルセデスの2台が並びかけ、3台が重なり合うようにターン1へ進入。ジョージ・ラッセル(同中央)とチームメイトのルイス・ハミルトン(同右)が接触、ハミルトンはコースアウトしリタイアを喫した。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

2年ぶりのカタールGP、金曜予選はフェルスタッペンがポール

2年ぶりの開催となったカタールGP。ロサイル・インターナショナル・サーキットは、初開催の2021年からピットやパドックが一新され、路面も再舗装されたというのだから驚きである。さらに今季4度目のスプリントウイークにあたったこともあり、1時間だけのプラクティスでさまざまなことをチェックしなければならず、加えて砂漠の砂や風、暑さの影響も重なり、ドライバーやチームにとってはいっそうタフな週末となった。

そしてこの週は、マックス・フェルスタッペンのチャンピオン決定がかかっていた。早ければ土曜日のスプリントでタイトル決定の可能性があったレッドブルのエースは、金曜日の夜に行われたレースに向けた予選で堂々のトップタイムをマークし、今季10回目、通算30回目のポールポジションを獲得した。

その後ろにはメルセデスが並び、ジョージ・ラッセルが今季3度目のフロントローとなる2位、ルイス・ハミルトンは3位。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが4位、フェラーリのシャルル・ルクレールは5位に続いた。

マクラーレンは最前列につけるポテンシャルを示しながら、この週末多くのドライバーが引っかかったトラックリミット違反でタイムを抹消され、オスカー・ピアストリ6位、ランド・ノリスに至っては10位に落ちた。2台そろってQ3に進んだアルピーヌは、ピエール・ガスリー7位、エステバン・オコン8位。アルファ・ロメオのバルテリ・ボッタスが9位からレースに臨むことなった。

またしても完勝したレッドブルのフェルスタッペン。金曜日の予選では今季10回目、通算30回目のポールポジションを獲得。レースではいつものとおり、スタートでトップを守るとタイヤマネジメントに徹しながら快走し、17戦して14勝目をマーク。ポールに加えファステストラップも記録する“ハットトリック”としては通算10回目で、ミハエル・シューマッハー(22回)、ルイス・ハミルトン(19回)、ジム・クラーク(11回)に続く歴代4位の記録。これでドライバーズランキング2位のセルジオ・ペレスとの間には209点ものギャップができたことになる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
またしても完勝したレッドブルのフェルスタッペン。金曜日の予選では今季10回目、通算30回目のポールポジションを獲得。レースではいつものとおり、スタートでトップを守るとタイヤマネジメントに徹しながら快走し、17戦して14勝目をマーク。ポールに加えファステストラップも記録する“ハットトリック”としては通算10回目で、ミハエル・シューマッハー(22回)、ルイス・ハミルトン(19回)、ジム・クラーク(11回)に続く歴代4位の記録。これでドライバーズランキング2位のセルジオ・ペレスとの間には209点ものギャップができたことになる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
フェルスタッペンの後を追うマクラーレンのピアストリ(写真前から2番目)はキャリア最高の2位でレースを終えた。予選ではトラックリミット違反でタイムを抹消され6位となるも、レースではメルセデス勢が脱落したこともあって2位に躍進。暑く過酷な環境下でもゴールまでミスなく走り切り、2戦連続で表彰台にあがった。前日のスプリントでは初優勝しており、今後が期待される大型新人である。チームメイトのノリスも予選10位から3位でゴール。マクラーレンが2人そろって2戦連続でポディウムにのぼったのは、2010年のカナダGP、ヨーロッパGP以来となる。コンストラクターズランキング5位につけるチームは、11点差で4位アストンマーティンを猛追している。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
フェルスタッペンの後を追うマクラーレンのピアストリ(写真前から2番目)はキャリア最高の2位でレースを終えた。予選ではトラックリミット違反でタイムを抹消され6位となるも、レースではメルセデス勢が脱落したこともあって2位に躍進。暑く過酷な環境下でもゴールまでミスなく走り切り、2戦連続で表彰台にあがった。前日のスプリントでは初優勝しており、今後が期待される大型新人である。チームメイトのノリスも予選10位から3位でゴール。マクラーレンが2人そろって2戦連続でポディウムにのぼったのは、2010年のカナダGP、ヨーロッパGP以来となる。コンストラクターズランキング5位につけるチームは、11点差で4位アストンマーティンを猛追している。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

フェルスタッペン、土曜日のスプリントで3連覇達成

初日の走行後にピレリタイヤのサイドウォールに剥離(はくり)が見つかった。タイヤと縁石の間で起こる高周波干渉と、タイヤが高さ50mmの縁石に乗り上げた際の衝撃によりパンクを引き起こす可能性が指摘され、急きょ一部コースの幅を狭めて縁石から遠ざけるようなラインとしたのに加え、土曜日のスプリントのグリッドを決めるスプリント・シュートアウト(SS)前に10分間の試走が追加された。

SSでトップ10に入ったなかで、ピアストリ1位、ノリス2位とマクラーレンが最前列独占。トラックリミットでタイム抹消となったフェルスタッペンが3位、ラッセル4位、フェラーリのカルロス・サインツJr.が5位、ルクレール6位、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ7位、レッドブルのセルジオ・ペレス8位、アロンソ9位、オコン10位だった。

フェルスタッペンがスプリントで6位以内に入ればチャンピオン決定。19周の短期決戦は、滑りやすい路面で3度もセーフティーカーが出動した荒れた展開となった。序盤はソフトタイヤ勢がけん引、その筆頭のラッセルでしばしトップを走るも、タイヤのパフォーマンスが落ちると後退し結果4位。11周目に首位を奪還したミディアムを履く新人ピアストリが、スプリントでうれしい初優勝を飾った。

フェルスタッペンはスタートで一気に5位までダウンするも挽回し2位でゴール。この結果、先頃26歳になったばかりのオランダ人ドライバーの戴冠が確定した。フェルスタッペンは、アイルトン・セナ、ネルソン・ピケ、ニキ・ラウダ、ジャッキー・シュチュワート、ジャック・ブラバムといった名だたる王者とともに“3冠組”の仲間入り。またファン・マニュエル・ファンジオ、ミハエル・シューマッハー、セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトンに次ぐ3連覇を達成したチャンピオンとなった。

スプリント3位はノリス。スタートで順位を落とすも、残り3周で6位から3位まで挽回した。以下、4位ラッセル、5位ハミルトン、6位サインツJr.、7位に17番手からスタートしたウィリアムズのアレクサンダー・アルボン、8位アロンソまでがポイントを獲得した。

メルセデスのラッセル(写真)は4位フィニッシュ。予選ではライバルのマクラーレン勢がトラックリミット違反でポジションを落としたことで、ラッセル2位、ハミルトン3位と好位置を獲得したメルセデス勢。しかしレースとなると、スタート直後にハミルトンとラッセルが同士打ちとなる最悪の幕開けとなり、やや強引なラインどりだったハミルトンはリタイア、ラッセルも緊急ピットインで最後尾に落ちながらの挽回劇となった。シルバーアローを駆る2人は、前戦日本GPでもコースに押し出すなど丁々発止とやり合っていたが、今回はハミルトンが「100%自分のせいだ」と非を認めていた。土曜日のスプリントは、ラッセルがソフトタイヤの勢いを借りてトップを走るもタイヤ性能がダウンするとペースも順位も落とし4位、ハミルトンは5位だった。(Photo=Mercedes)
メルセデスのラッセル(写真)は4位フィニッシュ。予選ではライバルのマクラーレン勢がトラックリミット違反でポジションを落としたことで、ラッセル2位、ハミルトン3位と好位置を獲得したメルセデス勢。しかしレースとなると、スタート直後にハミルトンとラッセルが同士打ちとなる最悪の幕開けとなり、やや強引なラインどりだったハミルトンはリタイア、ラッセルも緊急ピットインで最後尾に落ちながらの挽回劇となった。シルバーアローを駆る2人は、前戦日本GPでもコースに押し出すなど丁々発止とやり合っていたが、今回はハミルトンが「100%自分のせいだ」と非を認めていた。土曜日のスプリントは、ラッセルがソフトタイヤの勢いを借りてトップを走るもタイヤ性能がダウンするとペースも順位も落とし4位、ハミルトンは5位だった。(Photo=Mercedes)拡大
不振が続くレッドブルのセルジオ・ペレスはカタールGPを10位でゴールした。タイトルはチームメイトのフェルスタッペンに渡ったとはいえ、ドライバーズランキング2位を守り、チャンピオンシップでレッドブル1-2を達成するためには気が抜けないところ。とはいえ、金曜日の予選ではトラックリミット違反でQ2落ちとなり13位、土曜日のスプリントではもらい事故でリタイアと流れは良くなかった。レースではトラックリミット違反を3回もおかし、その度に5秒ペナルティーを受けたのだからいただけない。残り5戦、ランキング3位ハミルトンとの間にある30点差を守り切ることができるか?(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
不振が続くレッドブルのセルジオ・ペレスはカタールGPを10位でゴールした。タイトルはチームメイトのフェルスタッペンに渡ったとはいえ、ドライバーズランキング2位を守り、チャンピオンシップでレッドブル1-2を達成するためには気が抜けないところ。とはいえ、金曜日の予選ではトラックリミット違反でQ2落ちとなり13位、土曜日のスプリントではもらい事故でリタイアと流れは良くなかった。レースではトラックリミット違反を3回もおかし、その度に5秒ペナルティーを受けたのだからいただけない。残り5戦、ランキング3位ハミルトンとの間にある30点差を守り切ることができるか?(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

周回数制限の緊急措置、スタート直後にメルセデス2台が接触

日曜日、FIAとピレリからタイヤ問題の対応策が新たに発表され、新品タイヤでの最大周回数を「18周」とし、中古タイヤは使った分を差し引いてカウントするという暫定措置が決まった。レース周回数は57周、つまり事実上3ストップが義務づけられたことになったのだが、スティントを細かく刻んだ分、結果的に予選のようなラップを毎周繰り返すことになり、砂漠の暑さも相まってドライバーたちの体力は見る見る奪われていった。

レース直前、サインツJr.のフェラーリに燃料系のトラブルが発覚し、跳ね馬の1台は欠場。19台によるレースは、シグナルが消えた直後のターン1でメルセデス勢が接触するという波乱の幕開けとなった。持ちタイヤがないハミルトンは、戦略上不利なソフトタイヤを履いてスタートせざるを得ず、蹴り出しこそ良かったものの強引にアウトからかぶせたことが災いし、チームメイトのラッセルを巻き添えにして0周リタイア。一方ラッセルもノーズとタイヤの交換を余儀なくされ最後尾に落ちたものの、シルバーアローのリカバリーは素晴らしく、結果的に4位でレースを終えることとなる。

この同士打ちにより早々にセーフティーカーが出動。1位フェルスタッペン、2位にピアストリが上がり、3位アロンソ、4位ルクレール、5位オコン、6位ノリスといったオーダーで5周目にレースが再開した。

10周を過ぎるとミディアムタイヤ勢が最初のタイヤ交換を始め、3位アロンソは12周目、翌周ピアストリやルクレール、14周目にノリス、そしてトップのフェルスタッペンは18周目にピットに入った。その後トップ3の顔ぶれは変わらず、フェルスタッペンを先頭に2位ピアストリ、3位アロンソ。4位にはノリスが上がり、ルクレールは5位に落ちた。

上位陣の2度目のタイヤ交換は26周目からで、ピアストリ、ルクレールを皮切りに27周目にはアロンソもハードタイヤに替え、35周目にはフェルスタッペンが2度目のタイヤ交換。これで1位フェルスタッペン、2位ピアストリ、3位ノリス、4位ラッセル、5位ルクレール、6位アロンソとなる。名手アロンソは34周目に珍しくコースアウトを喫しタイムロス、せっかくの表彰台をふいにし、最終的に6位でチェッカードフラッグを受けることとなった。

アルファタウリの角田裕毅(写真前)は15位完走でカタールGPを終えた。プラクティスがたった1時間しかないスプリントウイークにあって、角田は金曜日の予選では0.004秒差で惜しくもQ3進出は逃したものの、11位とまずまずのポジションを獲得。入賞圏目の前からスタートしたレースでは、メルセデス勢の脱落もありスタートで8位にジャンプアップするも、マシンのバランスは良いのにペースを上げられずポイント圏外に脱落。そこから抜け出すことができなかった。スプリントでは、トラックリミット違反で18位と下位からスタートし11位で完走している。チームメイトのリアム・ローソンは、予選18位から17位、スプリントは14位からスタート直後にコースアウトしリタイア。なお次戦アメリカGPではダニエル・リカルドが負傷からカムバックすることが見込まれており、そうなればローソンにとってはカタールが最後のレースになる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
 
アルファタウリの角田裕毅(写真前)は15位完走でカタールGPを終えた。プラクティスがたった1時間しかないスプリントウイークにあって、角田は金曜日の予選では0.004秒差で惜しくもQ3進出は逃したものの、11位とまずまずのポジションを獲得。入賞圏目の前からスタートしたレースでは、メルセデス勢の脱落もありスタートで8位にジャンプアップするも、マシンのバランスは良いのにペースを上げられずポイント圏外に脱落。そこから抜け出すことができなかった。スプリントでは、トラックリミット違反で18位と下位からスタートし11位で完走している。チームメイトのリアム・ローソンは、予選18位から17位、スプリントは14位からスタート直後にコースアウトしリタイア。なお次戦アメリカGPではダニエル・リカルドが負傷からカムバックすることが見込まれており、そうなればローソンにとってはカタールが最後のレースになる。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
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3冠王者フェルスタッペンが今シーズン14勝目

3度目にして最後のピットストップは、ピアストリとルクレールが44周目に入ると、続いてノリス、アロンソがタイヤをチェンジ。同じようなドライバーが同じようなタイミングでピットインするのは暫定ルール上仕方のないことで、フェルスタッペンもほぼきっちりと規定周回数を走り切り、52周にミディアムを履いてコースに戻っていった。

マクラーレンは2人のドライバーには、「ポジションをホールドしろ」との指示。急成長している新人ピアストリを前に、先輩格のノリスは勝負を挑みたかっただろうが、パパイヤオレンジの2台はチームの指示に従いゴールするのだった。

もはや珍しくもなくなったフェルスタッペンの圧勝。今シーズン14勝目、ポールからスタートしたレースとしては14戦連続優勝となり、これは史上最多記録だ。また今季のリードラップ数は739周を数え、ベッテルが保持していた年間最多記録を更新。さらに2022年4月のエミリア・ロマーニャGPから36戦連続でポイントを獲得しており、これは史上2番目のレコードとなる。

今季17戦して16勝を飾っている「レッドブルRB19」がグラウンド・エフェクトカーとして完成度が高いマシンであることに異論を挟む余地はないものの、同じマシンで苦戦するペレスを見れば、無敵といっていいフェルスタッペンがかつてないほどの高みに到達していることもまた疑いようがないだろう。

一方で、キャリア最良の2位で終わったピアストリや、3戦連続今季5回目のポディウムにのぼった3位ノリスといった若手の台頭は、この3冠王者の勢いを止めるポテンシャルを秘めているといっていい。表彰台の3人は疲労困憊(こんぱい)の様子だったが、それぞれがやり切った表情をしていた。

残り5戦、次からはいよいよアメリカ大陸での4戦がスタートする。第19戦アメリカGP決勝は10月22日に行われる。

(文=bg)

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