メルセデスCLがフェイスリフト、新エンジン採用
2010.11.08 自動車ニュースメルセデスCLがフェイスリフト、新エンジン採用
メルセデス・ベンツ日本は2010年11月8日、最上級クーペ「CLクラス」をフェイスリフト。新エンジンも搭載し、発売した。
■安全装備をアップデート
2010年7月に本国で発表された新しい「CLクラス」が、日本に上陸した。
従来型よりプラットフォームを受け継ぐフェイスリフトモデルではあるものの、2種の新エンジンの採用は見逃せないポイントである。
エクステリアでは、LEDを使用したフロント/テールランプやバンパー、グリルなどに新デザインを採用。精悍(せいかん)さと高級感の向上が図られた。インテリアは、新色やウッドトリムの設定が追加されたほか、ステアリングホイールのデザインが新しくなった。
安全装備の充実もトピックだ。ヘッドライトの照射範囲を自動的にコントロールする「アダプティブハイビームアシスト」や、ドライバーの疲労を検知して注意を促す「アテンションアシスト」を新採用。夜間走行時に前方を赤外線カメラで認識し、モニターに表示する「ナイトビューアシスト」は、歩行者検知機能付きの「ナイトビューアシストプラス」にアップデートされている。
さらに、操舵(そうだ)角によってギア比が変化する「ダイレクトステアリング」や、高速でのコーナリング時などにそれぞれの車輪を制御して車両姿勢を安定方向にコントロールする「トルクベクトリングブレーキ」も、新たに装備された。
■V8ユニット2種がダウンサイジング
標準グレード「CL550」は、従来の5.5リッターV8ユニットに代え、4.7リッターV8エンジンを新たに採用。直噴化し2基のターボチャージャーで過給することで、最高出力435psと最大トルク71.4kgmを発生させる。一方燃費は、約3割の改善を果たしたという。また今回ダウンサイジングされた新ユニットの採用にあわせ、グレード名に「ブルーエフィシェンシー」の名が冠された。
トランスミッションは7段AT「7G-TRONIC」が組み合わされる。
ハイパフォーマンスモデル「CL63 AMG」にも新ユニットが搭載された。こちらもやはり6.2リッターV8から5.5リッターV8へとダウンサイジング。しかしながらエンジンスペックは、ツインターボの助けもあって最高出力544ps、最大トルク81.6kgmとなり、19psと10.2kgm上乗せされている。
トランスミッションも改められ、湿式多版クラッチを用いた2ペダルの7段MT「AMGスピードシフトMCT」が採用された。スポーティモデルでありながら、アイドリングストップ機構「ECOスタートストップ」が備わることも新しい。パワートレインの変更による燃費改善は、約5割とアピールされる。
なお、CL63 AMGには、エクステリアやインテリアがスポーティに飾られるほか、エンジンパフォーマンスも571psと91.8kgmとより強力になる「AMGパフォーマンスパッケージ」がオプションで用意される。
5.5リッターV12エンジン搭載の「CL600」は、従来型ユニットを引き続き採用。「CL65 AMG」の6リッターV12エンジンは、エンジン制御の見直しなどで、629psにパワーアップされると同時に、排ガスのクリーン化も図られた。
「CL550ブルーエフィシェンシー」のみ左右ハンドル位置を選ぶことができ、他は左ハンドルのみが用意される。各グレードの価格は以下のとおり。
CL550 ブルーエフィシェンシー:1630万円
CL600(受注生産):2056万円
CL63 AMG:2275万円
CL65 AMG(受注生産):3020万円
(webCG 本諏訪)