モト・グッツィ・ステルビオ(6MT)
気合いは十分 2025.05.04 JAIA輸入二輪車試乗会2025 新世代の水冷V型2気筒DOHCエンジンを搭載した「モト・グッツィ・ステルビオ」。既存のモデルとは隔世の感のあるモダンなスポーツツアラーは、「ここまでしちゃって大丈夫?」とこちらが心配になるほどに、気合の入ったマシンに仕上がっていた。気合の入った水冷Vツインエンジンに驚く
初めてこのエンジンを見たときは驚いた。これまでの縦置きVツインから、シリンダーヘッドを90度ひねり、吸気から排気まで効率よくストレートな流れにしている。しかも水冷DOHC 4バルブ。よく考えてみれば他社のハイパフォーマンスツインでも同じようなレイアウトのエンジンはあるのだが、これまで伝統を大事にしてきたモト・グッツィが採用してきたのだから、ずいぶん思い切ったものだ。「縦置きVツインの底力を教えてやるぜ」と言わんばかりの迫力が漂っているのである。
乗ってみたらこれまでのモト・グッツィとは別次元。いや、昔からの鼓動感や独特の心地よいフィーリングは残っている。たしかにこれはモト・グッツィだ。ただ、トルクの出方がケタ違い。レブリミットまできれいにぶん回るんだけど、それよりもスゴいのは実用域が恐ろしいくらいに元気なこと。3000rpmも回っていれば、どこからでも同じように加速する。
もちろん、これまでの縦置きVツイン同様、マッタリと走っていてもバイクに急(せ)かされることはない。ノンビリ走っているときは従順そのもの。ドコドコという鼓動感を楽しみながらクルージングできる。ところが、スロットルを開けた瞬間、予想の5割増しくらいの加速をする。「え、そんな勢いで加速しちゃうの?」って最初はマジで思ったほど。おまけに低中速トルクがすごいから、回転が上がるのを待つ必要なんてない。獰猛(どうもう)な雄牛の背中に乗っているかのような力強さなのである。ストリートを気持ちよく走るのであれば、メチャクチャに楽しい特性だ。
サスペンションの動きやブレーキの利きも上質。ハンドリングもしっとりしたツアラー的な落ち着きを持ちながら、スポーツライディングだって相当なレベルでこなしてしまう。これは、えらい気合入れてつくったバイクだなあと思った。
ただ、ちょっと気合入りすぎのような気もする。普通の道路を走るのであれば、OHVでよかったんじゃないかなあとも思う。それくらい高いパフォーマンスを持ったマシンである。
(文=後藤 武/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=2195×945×--mm
ホイールベース:1520mm
シート高:830mm
重量:222kg(乾燥重量)/233kg(燃料90%搭載時)
エンジン:1042cc 水冷4ストロークV型2気筒DOHC 4バルブ(1気筒あたり)
最高出力:115HP(85.8kW)/8800rpm
最大トルク:105N・m(10.7kgf・m)/6750rpm
トランスミッション:6段MT
燃費:--km/リッター
価格:242万円
◇◆JAIA輸入二輪車試乗会2025◆◇
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後藤 武
ライター/エディター。航空誌『シュナイダー』や二輪専門誌『CLUBMAN』『2ストマガジン』などの編集長を経てフリーランスに。エアロバティックスパイロットだった経験を生かしてエアレースの解説なども担当。二輪旧車、V8、複葉機をこよなく愛す。
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