【F1 2025】第12戦イギリスGPでノリスが母国初優勝、ヒュルケンベルグ3位で初表彰台
2025.07.07 自動車ニュースF1世界選手権第12戦イギリスGP決勝が、2025年7月6日、イギリスのシルバーストーン・サーキット(5.891km)を52周して行われた。
ドライからウエット、ウエットからドライへ――移り気なブリティッシュウェザーに各車が翻弄(ほんろう)され、意外なドライバーが意外な場所を走る展開に。しかしパパイヤオレンジの2台の快走にだけは、さしたる意外性はなかった。
真っ先にチェッカードフラッグを受けたのは、マクラーレン・メルセデスのランド・ノリスだった。予選3位からレース序盤のうちに2位にポジションアップ、前を走るチームメイトのオスカー・ピアストリに10秒ペナルティーが科されるとトップに立ち、母国GP初優勝。前戦オーストリアGPから2連勝、今シーズン4勝目、通算8勝目を飾った。イギリスGPを制したイギリス人ドライバーとしては、ノリスで13人目となる。
2位にはオスカー・ピアストリが入り、マクラーレンは2戦連続、今季5回目の1-2フィニッシュ。セーフティーカー中、首位にいながら急ブレーキをかけたことで10秒ペナルティーを受け、惜しくも勝利を逃した。
3位は、キック・ザウバー・フェラーリをドライブするニコ・ヒュルケンベルグだった。2010年にデビューした37歳の大ベテランにとって、キャリア239戦目にして初の表彰台。19番グリッドから16ものポジションアップで勝ち取ったポディウムに満面の笑みを浮かべていた。
母国GP最多9勝を誇るフェラーリのルイス・ハミルトンは、予選5位から表彰台を目指しヒュルケンベルグを追ったのだが4位がやっとだった。
レッドブル・ホンダRBPTのマックス・フェルスタッペンは5位だった。予選では最後の最後に形勢逆転、今年4回目、通算44回目のポールポジションを獲得。しかしレースになると、トップから程なくして3位に後退。セーフティーカーからの再スタート直前にスピンを喫しさらに後退してしまいポイント圏外に転げ落ち、そこから挽回しての順位だった。
アルピーヌ・ルノーのピエール・ガスリーは8番グリッドから6位。アストンマーティン・メルセデスのランス・ストロールは、早々にドライタイヤにスイッチしたことで一時は3位を走行、最終的に7位でゴールした。
ウィリアムズ・メルセデスのアレクサンダー・アルボンは13番グリッドから8位入賞。アストンマーティンのもう1台、フェルナンド・アロンソは2つ順位を落とし9位でフィニッシュ。入賞圏最後の10位は、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。
以下、11位オリバー・ベアマン(ハース・フェラーリ)、12位カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)、13位エステバン・オコン(ハース)、14位シャルル・ルクレール(フェラーリ)、15位角田裕毅(レッドブル)が完走した。
全24戦の2025年シーズンもちょうど半分を消化。チャンピオンシップはマクラーレン優勢で進んでいるが、チームメイト同士の戦いは激しさを増している。1位ピアストリ234点、2位ノリスは226点を集め、15点あったギャップは8点差にまで接近した。3位フェルスタッペンは劣勢のマシンで165点を獲得しているが、トップとは69点もの差があり、5連覇はかなり厳しい状況になってきた。その後ろには、4位ラッセル147点、5位ルクレール119点が続いている。
コンストラクターズチャンピオンシップは、1位マクラーレンが460点で独走。2位フェラーリ222点、3位メルセデス210点、4位レッドブル172点、5位ウィリアムズ59点といった上位の顔ぶれとなる。
次の第13戦ベルギーGP決勝は、7月27日に行われる。
(文=bg)
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