第848回:全国を巡回中のピンクの「ジープ・ラングラー」 茨城県つくば市でその姿を見た
2025.10.03 エディターから一言ボディーはピンク、頭上にはアヒル
出会うと幸運が訪れる!? といううわさの「ピンクラングラー」の一行によるジープ初の全国キャラバン「ピンクラングラーキャラバン 見て、走って、体感しよう!」が、2025年12月24日まで実施されている。キャラバン隊の特徴は、鮮やかなピンク色にラッピングされた3台の「ジープ・ラングラー アンリミテッド」の車列。それだけでも十分目立つ存在だが、さらにトレードマークとして、先頭車のルーフ上に巨大なアヒルが鎮座しているという。巡回先のひとつである茨城県つくば市の「ジープつくば」で開催されたイベントの模様をお伝えしよう。
キャラバンは7月の東京からスタートし、最終目的地である福岡まで各地を巡り、27拠点のジープ正規ディーラーでイベントをこなすとともに、その近隣エリアを巡回。3台のラングラー アンリミテッドは、先頭が「サハラ」、2台が「ルビコン」だ。サハラの頭上には、「Jeep Duck(ジープダック)」と呼ばれる巨大なアヒルの人形がある。一体、なぜアヒルなのだろうか。
ジープダックは、人と人とのつながりが希薄になりかけたコロナ禍のカナダで、ジープファンがすてきなジープを見かけたときに、小さなアヒルのおもちゃをクルマに置くという遊びから始まったもの。アヒルを置かれたジープオーナーは、「You’ve been Ducked!(ダックされた!)」を合言葉に、SNSなどで世界中のジープファンとの交流を楽しんでいるそうだ。その象徴として、巨大なアヒルがリーダー役となり、キャラバン隊を率いている。
極限の走行状態を疑似体験
今回のジープつくばでは、2025年9月21日に、キャラバン隊によるオフロード体験会が実施された。走行体験は、プロドライバーが運転するルビコンが、巨大なスロープでつくられた傾斜路を乗り越えるというもの。斜面には左右で高低差があるため、左右の片輪がフルバンプした状態でも、もう片輪は宙に浮く。その状態からシーソーのように、浮いた前輪が路面に着地するまでの走行を体験。まさにクロカンならではの極限の走行状態を疑似体験してもらうわけだ。
店舗にはイベント開始直後から、キャラバン隊とオフロード体験会を楽しみにしていたラングラーオーナーが続々と来店。しばしの非日常的な走行体験に心を躍らせた。皆さんのカラフルなラングラーを眺めていると、世界屈指のクロカンを愛用するオーナーのカーライフが気になり、少し話をうかがってみることに。
最初のオーナーは、ラングラー初のプラグインハイブリッド車(PHEV)「アンリミテッド ルビコン4xe」を愛車とする若いご夫婦。「日産リーフ」からの乗り換えだという。もともとアウトドアが好きなことから、次の愛車にSUVを検討していたところ、電気でも走るラングラーのPHEVに引かれたそう。自宅に充電環境もあるため、買い物などの日常的な走行は電気のみ。週末にはハイブリッドの強みを生かし、ロングドライブも楽しんでいる。静かで経済的なところはもちろんだが、左ハンドル仕様という点もお気に入りだという。やはり、クロカンとしての実力が気になり、今回のイベントを楽しみにされていたそうだ。
私が乗るしかないと購入を決断
もうひとりはピンクのラングラーで来店したMiki☆さんだ。このピンクは、2024年9月に発売された限定車「リミテッドエディションウィズサンライダーフリップトップフォーハードトップ」に設定された純正色なのだ。もともとラングラーに興味はあったが、大きすぎると考えて「レネゲード」を愛用していたそうだ。しかし、車検時の代車で借りたラングラーにハマってしまう。ピンク色が好きなことから、限定車の登場に「私が乗るしかない」と即購入を決断されたそう。ピンクのラングラーに乗り換えてから、よく声をかけられるようになり、出会いの多いカーライフを楽しまれている。ご自身も、愛車に負けないくらいエネルギッシュ。「YouTube」で楽曲配信をしており、それがカラオケにも収録されているという。
午後になると参加者の数はさらに増加。多くがジープ以外のクルマで来場しており、ジープブランドに対して幅広い客層が関心をもっていることをうかがわせた。
キャラバン隊はクリスマスイブの12月24日まで全国を巡る。最後の最後でジープダックに出会えたら、クリスマスの奇跡も期待できるかもしれない。
(文と写真=大音安弘)

大音 安弘
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