新型軽EV「ラッコ」を発表するBYDオートジャパンの東福寺厚樹社長。
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BYDジャパングループは2025年10月29日、東京ビッグサイトで開幕した「ジャパンモビリティショー2025」(会期:11月9日まで)において、BYDブランドの乗用車、商用車のそれぞれのブースを展開。予告していた日本専用開発の軽EV「RACCO(ラッコ)」の世界初公開に加え、新たな日本導入モデルもお披露目した。
「BYDラッコ」は軽で人気のスーパーハイトワゴンスタイルを採用する。
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「BYDラッコ」のリアビュー。
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「ヤンワンU9」のEV世界最速記録(496.22km/h)をアピールするBYDジャパンの劉 学亮 代表取締役社長。
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巨大なウイングが目を引く「ヤンワンU9」のリアビュー。
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日本導入が正式発表された「BYDシーライオン6」。
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「シーライオン6」に搭載されるプラグインハイブリッドシステムの説明用模型。
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BYDは、EV販売台数世界一を誇る。
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目玉は「ラッコ」と「シーライオン6」
前回のジャパンモビリティショー2023にて、日本のモーターショーに初出展した中国のEVメーカーBYD。2度目の出展となる今回は、乗用車部門である「BYDオートジャパン」と商用車を取り扱う「BYDジャパン」の2つのブースを展開。乗用車8台、商用車5台を展示している。プレスカンファレンスのオープニングを彩ったのは、BYDのハイエンドブランド「Yangwang(ヤンワン)」が誇るフラッグシップスポーツ「U9」によるダンスショー! クルマが躍るという奇想天外な演出に多くの人が驚きのまなざしを向けていた。
BYDの乗用車の目玉は、ふたつある。ひとつは、某新聞の報道でうわさになった軽EVだ。その名は、ラッコと名づけられた。日本専用モデルをうたうだけに、BYDおなじみの海獣にちなんだ車名も英語ではなく、日本語を採用したようだ。同車はまだ開発段階にあるため、今回明かされた情報は限定的だが、ボディー形状は、日本の軽自動車市場で最も人気の高いスーパーハイトワゴンタイプを採用。航続距離についても言及はなかったものの、ベーシックとロングレンジの2種類の電池容量が用意されるとのこと。既に100台を超える数の試作車をつくり、テスト走行だけでなく、衝突や充電などの試験も実施しており、2026年夏の発売を目指すとした。
もう1台は、今春に投入が予告されたプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。導入車種は、ミッドサイズSUV「SEALIONE 6(シーライオン6)」であることが正式に発表された。早くも2025年11月1日に予約受注を開始し、車両の詳細情報は、同年12月1日に明かされるという。日本ではEVメーカーのイメージが強いBYDだが、PHEVについても2008年に市販車としては世界初投入を果たしたという17年の歴史があり、これまでの累計販売台数は700万台を超える。世界各地のユーザーからは、性能や使い勝手の良さだけでなく、信頼性においても高い評価を受けてきたとし、日本初導入となるPHEVシステムにも、強い自信をみせた。
このほかにも、日本初導入モデルとなったコンパクトSUV「ATTO 3」の改良型の日本初披露に加え、商用EVトラック「T35」シリーズの世界初公開も実施。同トラックは、普通免許で運転可能な日本専用設計で、アルミバンと平ボディーを用意。2026年初めの発売を予定しており、価格は架装費込みで800万円前後を検討しているという。
日本のBYDを束ねるBYDジャパンの劉 学亮 代表取締役社長は、「BYDは、今年で日本参入から20周年を迎えた。今日までに2015年から参入したEVバスは、全国で約500台。2023年より参入した乗用EVは、7123台になる。これは、それだけのオーナーと家族から高い信頼を得てきたことだけでなく、彼らが自ら行動することで、日本のカーボンニュートラル社会を実現したいというメッセージだと思う。ワクワクする未来をつくっていきましょう!」とプレゼンテーションを締めくくった。
(文=大音安弘)
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