「メルセデス・ベンツEクラス」が7年ぶりに全面改良
2009.05.26 自動車ニュース「メルセデス・ベンツEクラス」が7年ぶりに全面改良
メルセデス・ベンツ日本は2009年5月26日、新型となった「Eクラス」を発表、同日販売を開始した。
■新しい顔
日本におけるメルセデス・ベンツ全販売台数の約2割を占める基幹モデル、「Eクラス」が7年ぶりに全面改良を受けた。初代の登場以来、これまでに累計で1000万台を超えるセールスを記録したというEクラスセダンは、日本での累計販売台数も20万台を超え、メルセデスを代表するモデルとして認知されている。
新型Eクラスはプラットフォームの一新にあわせて、デザインも大幅リニューアル。フロントマスクは、過去2代に渡り続いた丸目4灯に別れを告げ、新たに複雑な形状のヘッドライトを採用、シャープな顔つきに生まれ変わった。
日本市場でのラインナップは、3リッターV6「E300」、そのスポーティ版「E300アバンギャルド」、3.5リッターV6搭載の「E350アバンギャルド」、5.5リッターV8搭載の「E550アバンギャルド」の4タイプ。価格は、E300が730.0万円、E300アバンギャルドが780.0万円、E350アバンギャルドは850.0万円、E550アバンギャルドは1080.0万円に設定される。なお、2010年には、ディーゼルモデルの追加も予定されている。
■大幅に高められた安全性
ボディサイズは、「E300」で全長×全幅×全高=4870×1855×1470mm。先代モデルと比べると20mm長く、35mmワイドになった。また、ホイールベースも20mm延長(2875mm)されるなど、全体が少しずつ拡大した。
その広がったスペースは、居住空間に割りあてられたという。また、居住性の向上とともにアップしたのが衝突安全性で、新型Eクラスは、合計9つのSRSエアバッグで乗員を保護。さらに、シートベルト装着後に、自動的に最適な位置までベルトを巻き上げる機構が運転席と助手席に標準装備された。
フロントガラスには、マルチファンクションカメラが設置された。このカメラは、他の制御システムと連動し、先行車や対向車の有無を検知、ヘッドライトの照射範囲を自動的に調整する仕組みになっている。これまでは見通しの悪い路面では、ドライバーが状況を見ながらハイビームとロービームを切り替える必要があったが、新型Eクラスではそれをクルマ任せにできるようになった。この「アダプティブハイビームアシスト」は全車に標準装備される。
そのほか、歩行者との衝突の際に、ボンネット後端を約50mm持ち上げてエンジンとボンネットとの間に空間を稼ぎ出すことで、歩行者の損傷リスクを軽減するアクティブボンネットが全車に標準装備された。
■ねじり剛性が3割アップ
ボディは、その約72%に超高張力鋼板を使用。重量増を最小限に抑えながら、車体の高剛性化が図られた。ねじり剛性は先代モデルと比べ、約31%アップしているという。
サスペンションは、フロントが先代モデルの4リンク式から3リンク式に。リアは変わらずマルチリンク式となっている。ダンパーは、走行状況によってオイル流量を変化させて減衰力を最適化する、「ダイレクトコントロールサスペンション」を採用。また、E550アバンギャルドには、エアサス「AIRマチックサスペンション」が標準装備される。
ステアリングは、速度が上がるにつれ手応えが重くなる車速感応式。これに操舵角が6度を超えるとギア比がクイックになり、ダイレクトなフィーリングを演出する「ダイレクトステアリング」が組み合わされた。
■ディーゼル導入は2010年
「E300」と「E300アバンギャルド」に搭載の3リッターV6は、最高出力231ps/6000rpmと、最大トルク30.6kgm/2500-5000rpmを発生し、10・15モード燃費は9.6km/リッターをマーク。
「E350アバンギャルド」に積まれる3.5リッターV6エンジンのスペックは、最高出力272ps/6000rpm、最大トルク35.7kgm/2400-5000rpm。10・15モード燃費は9.5km/リッター。最上級の「E550アバンギャルド」は、5.5リッターV8を搭載し、最高出力387ps/6000rpm、最大トルク54.0kgm/2800-4800rpmを発生。10・15モード燃費は7.8km/リッターとなっている。
トランスミッションは全車に7段ATが組み合わされる。
上記4モデルには、バイキセノンヘッドライト、HDDナビゲーション付きのCOMANDシステム、メモリー付きパワーシート、キーレスゴー、イモビライザーが標準装備される。また、夜間に車内をやさしく照らし出すアンビエントライトも全車に備わる。
2009年後半には、4気筒モデルと高性能版「E63 AMG」が追加されるとのこと。さらに2010年には、ポスト新長期排出ガス規制をパスするブルーテックディーゼルモデルの投入も予定されている。
(webCG 曽宮)