第4戦スペインGP、ライコネンV、フェラーリ1-2【F1 08】
2008.04.27 自動車ニュース【F1 08】第4戦スペインGP、ライコネンV、フェラーリ1-2
F1世界選手権第4戦スペインGP決勝が、2008年4月27日、スペインはバルセロナのサーキット・デ・カタルーニャ(4.655km)を66周して行われた。
ヨーロッパ・ラウンドの幕開け、マシンの総合力が問われるカタルーニャで、フェラーリが2戦連続となる1-2フィニッシュを達成。キミ・ライコネンが、フェリッペ・マッサを従え、今年2勝目を飾った。
3位はマクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトンだった。ハミルトンの僚友ヘイキ・コバライネンは、ハイスピードでクラッシュしメディカルセンターに運ばれたが、幸い大事にはいたらなかった。
以下、4位にBMWザウバーのロバート・クビサ、5位レッドブル・ルノーのマーク・ウェバー、6位に今季初ポイントとなるホンダのジェンソン・バトン、7位にウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴、そして8位にトヨタのヤルノ・トゥルーリらが入り得点した。
母国の大声援を背に、予選2番グリッドからスタートしたルノーのフェルナンド・アロンソだったが、力走にエンジンが音を上げ、レース中盤にリタイアした。
資金難から出場が危ぶまれたスーパーアグリ・ホンダは、佐藤琢磨、アンソニー・デイヴィッドソン2台とも出走。佐藤がしぶとく走り13位で完走した。
■大観衆の声援を背に
「その気になればもっと速く走れたけれど、それが必要な場面はなかった」とは、4戦して2勝、チャンピオンシップをリードするライコネンのレース後の弁。
セーフティカーランで各車のギャップは2度リセットされたが、フェラーリは視界にはあっても手が届かない蜃気楼のような存在だった。
しかし、もし2戦連続のフェラーリ1-2だけがスペインGPのトピックだとしたら、サーキットにつめかけた大群集は興ざめし、夏に開催されるバレンシアでのヨーロッパGP主催者はチケットの売れ行きを心配したことだろう。
予選最終Q3、スペインの英雄アロンソがフィニッシュラインを通過すると、観衆は狂喜し、アロンソは拳を突き上げた。元チャンピオンが叩き出したポールタイムは、非情にも直後ライコネンに更新されてしまうのだが、トップ3には及ばないルノーのポテンシャルをアロンソがカバーしなければなしえない、フロントロー獲得の瞬間だった。
予選2位のアロンソのマシンはガソリン積載量が少なく、レースでは3位走行中の16周目に早々に給油をしなければならなかったが、それでも折り返し地点までは5位で好走していた。だが34周目、ルノーエンジンが息を止め、アロンソは観衆に手を振りながらマシンを降りた。スペイン人によるスペインGPは、ここで終わったも同然だった。
■ハイスピードクラッシュ
サーキットに緊張が走ったのは22周目。220km/hのハイスピードで、コバライネンがドライブするマクラーレンの左ホイールが突如破損、速度を維持したままマシンはコントロールがきかない状態でタイヤバリアに激突した。車体ほとんどがバリアに埋もれ、ドライバーは自力で出る気配なし。見るものの頭によからぬシナリオすら浮かんだ。
セーフティカーとともにメディカルカーが駆けつけ、コックピットから運び出されたコバライネンは、担架の上で手をあげ意識があることをアピール。メディカルチェック後の結果も良好で次戦も出場できる模様、という状況はまさに奇跡のひとことである。
■ライコネン&フェラーリがトップに
コバライネンが大事にいたらなかったことはいいニュースだが、マクラーレンにとって今回が負け戦だったことは事実。いまや最大のライバルともいえるBMWこそ抑えたが、3位ハミルトンの前方には、鉄壁ともいえるフェラーリが居座っている。
チャンピオンシップでは、ライコネンが29点、ハミルトンは20点で9点先行を許したばかりか、クビサ(19点)やマッサ(18点)にも追われる展開だ。
コンストラクターズタイトル争いでも、フェラーリが47点でトップに立ち、BMW(35点)、マクラーレン(34点)を引き離しにかかっている。
次戦は5月11日、トルコGP。マシンのポテンシャルが顕在化する名コースが舞台となる。
(文=bg)
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