第7戦菅生、小暮卓史が初のポールトゥウィン達成! 【FN 07】
2007.09.18 自動車ニュース【FN 07】第7戦菅生、小暮卓史が初のポールトゥウィン達成!
波乱含みのスタート、終盤の多重クラッシュ……。波乱の展開という言葉が相応しい戦いも、ポールシッターの小暮卓史にとっては完勝へのプロローグだったのかもしれない。それほど、今回の小暮は終始レースをコントロールする強さが際立っていた。
2007年9月16日、宮城県・スポーツランドSUGOで全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第7戦が行われ、予選でトップタイムをマークした小暮卓史が圧倒的な強さで優勝。2位にブノワ・トレルイエ、そして3位にはロイック・デュバルが入った。
■小暮、今季2度目のポールポジション獲得
みちのく仙台での戦い――それはライバルとの攻防戦に打ち勝ち、拮抗するポイント争いで少しでもアドバンテージを得ることでもあった。
アップダウンに飛んだテクニカルなコースである菅生は、決勝でのパッシングも難しく、荒れる展開になることも多い。そのため、予選でひとつでも前のグリッドを取るのが望ましい。誰もがそう考え果敢にアタックするためか、一発勝負のアタックがいつもより増して緊迫した雰囲気の中で行われた。
最速ラップをマークした小暮は、予選前日での練習走行でコースアウトを喫したものの、不安を感じさせないアタックでポールポジションを獲得。2番手にはチームメイトのデュバルが続き、3番手のタイムをマークしたのは、本山哲だった。
■波乱の幕開け、開始直後にSCカー
9月中旬ながら、まだ厳しい残暑を感じる天気となった日曜日。ジリジリと照りつける太陽の陽射しを背に62周の決勝レースがスタートした。
上位陣はクリアスタートに成功。だが、後方では3台が接触し、タイトなコースの一部を塞いでしまう。結果、セーフティカーがコースインする波乱の幕開けとなった。
クリアスタートで2番手ともすでに差をつけていた小暮にとっては歓迎せざる展開。案の定、レース再開後は2番手にジャンプアップしていたトレルイエの猛追を受け、しばし応戦が続いた。
だが、抜きどころの少ない菅生。さすがのディフェンディングチャンピオンとて小暮を簡単に料理するには至らない。トレルイエはリスクを避け、2番手から様子を伺う走りにスイッチした。
■多重クラッシュ発生!
シリーズの中でも最短距離、230kmでの戦いとなった今回。給油やタイヤ交換のピット作業は義務づけられず、大半が「ノンストップ作戦」を選択。終盤はタレたタイヤでのスプリントレースとなり、入賞を狙うせめぎ合いが多重クラッシュを引き起こした。
「馬の背コーナー」手前でサイドバイサイドとなったミハエル・クルムと井出有治。マシンバランスを失った2台がなんと揃ってスピン! その直後にいた金石年弘はたまらずフルブレーキ。さらに前の車両の様子が死角となっていた片岡龍也は目の前に飛び込んできた修羅場を回避できず、そのままの勢いで金石のマシンに乗り上げてしまう。
宙を舞い、回転しながらグラベルへと墜落した片岡。幸いにも大事には至らず、破損したパーツが散乱するコース上を片付けるため、2度目のSCカーがコースインした。
■小暮、三つ巴の戦いを制す
2番手トレルイエとの差をコントロールしながらレースをマネージメントしていたトップ小暮。決して独走とは言えないが、ライバルのペースを読みながら周回するという主導権がその手から離れることはなかった。
だが、2度目のSCカーは小暮にとって逆風そのもの。築き上げたトレルイエとの差が消え、終盤で再び攻防戦が始まる可能性が出てきた。さらに今度は上位2台に3番手デュバルが加わり、三つ巴の戦いへと発展。一触即発とも言える緊迫戦が予想されたが、後続の2台はそれぞれ前の相手に詰め寄るものの逆転までには至らず。そのままチェッカーフラッグをくぐりぬけ、波乱のレースが終了。小暮は今季2勝目を自身初のポールポジションで飾ることとなった。
■残り2戦でポイント争いは激化
小暮が今季2勝目をあげ、ポイント争いでも3位へと浮上。また、暫定トップだった松田次生が5位に終わったことで、2位のトレルイエがランキング首位に躍り出た。ますます混沌としたシリーズ争いは、次のもてぎがセミファイナル戦となる。
(文=島村元子/写真=KLM Photographics J、JRP)
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