第12戦マッサ2年連続ポール・トゥ・ウィン、フェラーリ1-2達成【F1 07】
2007.08.27 自動車ニュース【F1 07】第12戦トルコGP、マッサ2年連続ポール・トゥ・ウィン、フェラーリ1-2達成
F1世界選手権第12戦トルコGP決勝が、2007年8月26日、トルコのイスタンブール・パーク・サーキット(5.338km)を58周して行われた。
昨年、初ポールポジションから初優勝を飾ったイスタンブールで、フェラーリのフェリッペ・マッサがまたもポール・トゥ・ウィンを達成した。
2位にキミ・ライコネンが入り、フェラーリは今年2度目の1-2フィニッシュを飾った。
3位はマクラーレン・メルセデスのフェルナンド・アロンソ。チームメイトでポイントリーダーのルイス・ハミルトンがパンクで脱落したことで、ポイント差を5点にまで縮めることに成功した。
4位のBMWザウバー、ニック・ハイドフェルドに次いで、5位でゴールしたのはハミルトン。3位走行中の43周目にタイヤが壊れて順位を落としたが、なんとか4点は獲得した。
以下、終盤ハミルトンに猛チャージをかけたルノーのヘイキ・コバライネンが6位、ウィリアムズ・トヨタのニコ・ロズベルグが善戦し7位、ピットストップ作戦で失敗したBMWのロバート・クビサが8位でフィニッシュし、それぞれがポイントを手に入れた。
トヨタ勢は、ラルフ・シューマッハーが12位、オープニングラップでスピンし順位を落としたヤルノ・トゥルーリは16位でレースを終えた。
いっぽうホンダ勢は、レース前に2台ともエンジンを交換したことで最後尾からスタート。苦しい状況でジェンソン・バトン13位、ルーベンス・バリケロ17位という成績を残した。
スーパーアグリ・ホンダは、予選11位と健闘したアンソニー・デイヴィッドソンが14位、佐藤琢磨は18位だった。
スパイカー・フェラーリから出場している山本左近は、最後尾20位で完走を果たした。
■勝負は予選でついていた
2005年にGPサーカスの仲間入りを果たしたトルコ。名物の高速複合第8ターンをもつイスタンブールは、フェラーリ、そしてマッサが得意とするサーキットだ。
ライバルのハミルトン(2番グリッド)、ライコネン(同3番)、アロンソ(同4番)を後ろに従えてのポールポジション。マッサの十八番――スタートから独走して優勝――のお膳立ては、土曜予選の時点で整った。
その事実を誰よりも深刻に受けとめていたのは、実はチームメイトのライコネンだった。
予選アタック中の自らのミスで3番グリッドに甘んじたライコネン。スタートでは、路面状況が悪い偶数グリッドのハミルトン、アロンソがもたついている間に、マッサの背後にぴたりとつけ、レース中はトップを奪おうと終始チームメイトにプレッシャーをかけ続けた。
しかし、いくら速いからといってもコース上でのオーバーテイクは至難の業。加えて、ピットインのタイミングがマッサよりも早めにとられたライコネンにとって、既に勝負は土曜日に決していたのだった。
■ハミルトン、まさかのタイヤトラブル
今回、フェラーリの後塵を拝したマクラーレン。先頭から距離をおいて3位を走るハミルトンにとっては、前の紅い2台よりも、タイトルを争う最大のライバル、アロンソの順位だけが気がかり。
フェラーリよりもスティントを長くできるハミルトンは、2位の可能性を残しながら、レース終盤へと向かった。
いっぽうアロンソは、スタートで6位までドロップし、BMWの2台に先行を許した。しかしピットインのタイミングでBMWを料理。ハミルトンの後ろ、4位で事実上のクルージング走行を余儀なくされていたのだが……。
残り16周、3位ハミルトンの右フロントタイヤが突如壊れた。トレッド面をバラバラにしながらピットへと駆け込むハミルトン。3位から5位に後退したが、被害を最小に抑えてコースに戻れたのは幸いだった。
アロンソにとっては願ってもない展開。どんな順位であれ、ハミルトンの前でフィニッシュし、1点でも得点差を縮めないとタイトル防衛は不可能だ。
3位表彰台にのぼったアロンソは6点、5位ハミルトンは4点をポケットに入れた。7点あった両者のポイント差は、5点に減った。
■2強の“悩み”
2007年は残り5戦。ハミルトンが84点でトップ、2位アロンソ79点、3位マッサ69点、4位ライコネン68点というチャンピオンシップの状況だ。
いっぽうコンストラクターズランキングでは、1位マクラーレン148点、2位フェラーリ137点と、2強のギャップは11点しかない。
僅差で争うマクラーレン、フェラーリの2チーム、4人のドライバーだが、両チームにも共通した“悩み”がある。
ハミルトンによるルーキーイヤーの初タイトルか、アロンソによる3年連続タイトル奪取か。ドライバー間のイコールコンディションを“社是”とするマクラーレンは、難しい舵取りをなんとかこなしている。
そのいっぽう、マッサ/ライコネンは、首位ハミルトンに15/16点もリードされている。これだけチームメイト同士が接戦だと、1人がもう1人をサポートするという作戦はとれないゆえ、効率よくチャンピオンシップを戦うことができない。これがいまのフェラーリである。
両チームとも、チーム内外のコントロールが難しいなかのタイトル争奪戦――2強が直面している課題がここにある。
次はフェラーリの聖地、モンツァでの一戦。またもフェラーリ向けの高速コースで、凱旋レースを飾ることができるか?決勝は9月9日だ。
(文=bg)
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