第64回:花粉症はナゼ発症するのか〜答えは日光に〜(その1)(矢貫隆)
2005.08.27 クルマで登山第64回:花粉症はナゼ発症するのか〜答えは日光に〜(その1)(矢貫隆)
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■問題意識をもって、ハイキング
「まったく近ごろの若い連中は……」というのは年寄りの常套句で、だからその言葉を口にするようになったら、それはもう自分がジジイになった証拠だ。
俺はすっかりジジイになっちまった。まったく近ごろの若いやつはだらしないよ。A君、きみのことだ。
「面目ない。何しろ仕事が忙しかったし、プライベートな問題もいろいろあって、しかも病気もしまして……。どうも目眩がするんでおかしいと思って医者に診てもらったんですが、そしたら何と三半規管にちょっと問題があるらしく、そりゃ大変だとなって。通院治療を続けているんですが、途中で健康保険の切り替えとか、その他もろもろ、どうも調子が戻らなかったり……」
A君、きみの言い訳は長いんだよ。要するに運動不足がたたって登山は無理ということなんだろう!?
「まさしく」
まったく近ごろの若いもんは……。
というような会話が担当編集のA君と僕のあいだであって、結局、「クルマで登山」は、情けないが、上り勾配のまるでない日光の戦場ヶ原ハイキングと決まった。
ま、たまには湿原をハイキングするのもいいだろう。それに日光には問題意識をもって見るべき場所がたくさんあるのだし。
たとえば東照宮。唐突で、しかも意外な話に聞こえるだろうが、ここでは自動車とスギ花粉症の関係を考えさせられるのだ。
戦場ヶ原では湿原の歴史を男体山の歴史から見ることができるし、日光のとなり、あの足尾銅山の足尾を歩けば酸性雨の恐ろしさを自分の目で確かめることができるのである。だから戦場ヶ原。(つづく)
(文=矢貫隆/2005年8月)

矢貫 隆
1951年生まれ。長距離トラック運転手、タクシードライバーなど、多数の職業を経て、ノンフィクションライターに。現在『CAR GRAPHIC』誌で「矢貫 隆のニッポンジドウシャ奇譚」を連載中。『自殺―生き残りの証言』(文春文庫)、『刑場に消ゆ』(文藝春秋)、『タクシー運転手が教える秘密の京都』(文藝春秋)など、著書多数。
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