「トランスミッションオイルの交換時期」
2001.09.28 クルマ生活Q&A トランスミッション「トランスミッションオイルの交換時期」
自動車雑誌『NAVI』を愛読している者です。質問ですが、トランスミッションオイルの交換時期はどれくらいが適当でしょう? 『NAVI』2001年2月号でBMW Mクーペのレポートがあり、1万7000km“も”交換していなかった、との記述があります。本来なら、もっと早く交換すべきなのでしょうか? ディーラーに聞いたところ、3万km程度は交換不要とのことでしたが……。(福岡県 ・OMさん)
お答えします。トランスミッションオイルはエンジンオイルと違い、それほど汚れたり劣化するモノではありません。ですからメーカー指定の交換サイクルもエンジンオイルに比べて長いわけです。
NAVIのMクーペはトランスミッションオイルが暖まらないとギヤが入りにくく、無理にギヤを入れていた可能性があり、シンクロナイザーリングの劣化も考えられました。また、サーキット走行などのハードな使い方も多かったので、できればもっと早く交換すべきであった、ということです。
ごく普通に走っていれば、マニュアル通りの、指定の交換サイクルでトランスミッションが壊れるようなことはありません。
ただしまっさらな新車のときはギア同士の歯当たりやシンクロナイザーリングのなじみが付いていないため、金属粉がトランスミッション内部に溜まりがちです。この粉が、万が一、ギアのベアリングなどの隙間に入ったら、ギアボックスが傷むことは間違いありません。ですから新車時から乗っているのであれば、最初の1回は1万km程度で行うことをオススメします。そうすれば、なかに溜まっていた金属粉を排除することができるからです。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。