フォード・フォーカス2000GHIA5ドアハッチ(4AT)【ブリーフテスト】
フォード・フォーカス2000GHIA5ドアハッチバック(4AT) 2000.11.17 試乗記 ……220.0万円 総合評価……★★★「華」がない
予想はしていたが、予想以上に早く追加発売されたフォード・フォーカスの2リッターモデル。日本でのフォーカスの販売台数は、2000年3月以降の半年間で約2000台。デリバリー開始が予定より3ヵ月ほど遅れたことを考えると、まずまずの成績といえる。
しかし、いっぽうで最大にして最強のライバルたるフォルクスワーゲン・ゴルフは、シリーズ全体でおよそ2万台を販売(2000年1から9月)。せめてその5分の1ぐらいには持っていきたいというわけで、2リッターエンジンを積む上級モデルの投入と相成った。
2リッター「ゼテックE型」ユニットは、131ps/5500rpmと18.2kgm/4500rpmだから、従来の1.6(100ps/6000rpm、14.8kgm/4000rpm)に比べてその差は明らか。ひとことで言って、格段に扱いやすくなった。
しかも値段は23.0万円増しの220.0万円ポッキリ。ゴルフのCLi/Gli(ともに2リッター)はそれぞれ253.0/270.0万円だから、ずっと手頃である。
ただし、エンジン以外での1.6モデルとの違いはごく細かな部分に留まっており、上級グレードとしての「華」に欠ける。もう少しぐらい高くてもいいから、オーナーを喜ばせる仕立てや工夫が欲しかった。シリーズ全体を見た、ラインナップと仕様の見直しが必要だ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「Break from the Routine」(既成概念からの脱却)をコンセプトに、ヨーロッパフォードによって開発されたフォーカス。1998年にエスコートの後継車種としてデビューした。「1999年度欧州カーオブザイヤー」および翌年の「北米カーオブザイヤー」を獲得。欧州では、3/5ドア、ワゴン、セダンボディに、1.4から2リッターの幅広いエンジンラインナップを誇る。
(グレード概要)
日本には、2000年3月1日に1.6リッターの5ドアハッチとワゴンが上陸。同年10月23日、2リッターモデルが加わった。トランスミッションは、いずれも4段AT。2リッターモデルは、後席が分割可倒式になるほか、運転席にアームレストが、助手席にサイドポケットが備わった。また、ルーフアンテナが可倒式に変更された。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
インストゥルメントパネルまわりは、1.6リッターモデルと違いはない。エアコンやCDチェンジャー付オーディオなどの装備はもともと充実していたのだが、逆にそれが不満。今後も1.6リッターを並売するのだから、2リッター版はもう少し違いを打ち出しても良かったのではなかろうか。ボディカラーが7色(1.6は4色だけ)に増えたのは嬉しいが、インテリアは相変わらず黒一色。パッと目を引く小技が欲しい。
(前席)……★★★
シートまわりでの変更点は2つ。助手席シートのバックレスト横に携帯電話サイズのポケットが付いたこと、そして運転席側にセンターアームレストが備わったことだ。機能的にはもちろん問題ないが、シート地まで1.6と同じなのはちょっとがっかり。オプションで明るいトリムカラーを用意するとか、レザーシートを選べるようにするとか……。
(後席)……★★★
リアシートも従来通り、充分に使える広さを備える。クッションは硬く、形状もやや平板だ。使い勝手では、後席の畳み方に改良点あり。従来は一体式で持ち上げるしかなかったシート座面が、バックレスト同様60:40で畳めるようになった。そのうち、1.6リッターモデルも同じように改良されるはず。
(荷室)……★★★
350リッター、後席を倒せば1250リッターの容量を確保したラゲッジスペース。リアにマルチリンク式を採りながら、ダンパー、スプリングを別体に配置するなどして、荷室への侵入を最小限に抑えた。テールランプを高い位置に置いて、開口部の横幅を稼いだのもポイント。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
当たり前だが、2リッターユニットの余裕は明らかだ。車重は1.6モデルより40kg増えて1220kgとなったが、パワーアップしたおかげで実用上のストレスはかなり減った。またエンジン音もこちらのほうが静かである。4ATは1.6と同じでやや古臭いものの、相対的にキックダウンする機会が少なくなって、鈍いレスポンスにイラつくことがなくなった。最初から「2リッター+4AT」があれば、CG長期テスト車にも迷わずこちらを選んだのに。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
サスペンションも基本的に1.6モデルと変わらず。依然としてハンドリングはこのクラスのトップレベルにある。乗り心地も従来通り、やや硬めだがフラットでビシッと締まっている。ちなみにタイヤも1.6と同サイズ(195/60R15)。それは賢明な判断だが、せめてアルミホイールのデザインぐらいは変えてほしかった。何だか、「この先1.6リッターは売れなくてもいい」と思っているんじゃないだろうか。それとも1.6には、MTのスポーツタイプでも追加するするつもりなのだろうか?
(写真=阿部ちひろ)
【テストデータ】
報告者: CG編集部 高平高輝
テスト日:2000年10月25日
テスト車の形態: 広報車
テスト車の年式: 2000年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ :(前)195/60R15 88V/(後)同じ(いずれもPirelli P6000)
オプション装備 :--
テスト形態 :ロードインプレッション(プレス向け試乗会)
走行状態: 高速道路(5):山岳路(5)
テスト距離 :--
使用燃料: --
参考燃費: --

高平 高輝
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