「モーターファンフェスタ2023」開催 富士の裾野に自動車ファンが集結

2023.04.25 自動車ニュース 大音 安弘
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「モーターファンフェスタ2023」の会場より、チューニングショップや用品メーカーの展示エリアの様子。
「モーターファンフェスタ2023」の会場より、チューニングショップや用品メーカーの展示エリアの様子。拡大

自動車ファンのためのイベント「モーターファンフェスタ2023」が2023年4月23日、静岡・小山町の富士スピードウェイで開催された。2016年の初開催から数え、今回で6回目となる人気イベントである。3年ぶりの開催となった昨年は残念ながら悪天候に見舞われたが、今年は心地よい日差しが感じられる穏やかな天気となり、2万6845人が来場。会場内は、どこも活気にあふれていた。

「モーターファンフェスタ2023」の様子を写真でリポート

レーシングコースで行われた「D1 Exhibition match」の様子。
レーシングコースで行われた「D1 Exhibition match」の様子。拡大
「スーパーグリッドウォーク」では貴重なレーシングカーも展示。写真は日産がルマン24時間レースのために開発した「R390」(1998年)。
「スーパーグリッドウォーク」では貴重なレーシングカーも展示。写真は日産がルマン24時間レースのために開発した「R390」(1998年)。拡大
「スーパーグリッドウォーク」にはD1ドライバーも参加しており、ファンが交流を楽しんだ。
「スーパーグリッドウォーク」にはD1ドライバーも参加しており、ファンが交流を楽しんだ。拡大
人気コンテンツである各車最新モデルの試乗会では、燃料電池車の「トヨタ・ミライ」や、「三菱eKクロスEV」といった電気自動車も試乗できた。
人気コンテンツである各車最新モデルの試乗会では、燃料電池車の「トヨタ・ミライ」や、「三菱eKクロスEV」といった電気自動車も試乗できた。拡大
会場に展示されたグリーンの「ユーノス・ロードスター」と、4代目ロードスターの開発主査を務めた山本修弘さん(写真向かって左)。
会場に展示されたグリーンの「ユーノス・ロードスター」と、4代目ロードスターの開発主査を務めた山本修弘さん(写真向かって左)。拡大
駐車場ではさまざまなモデルのオーナーミーティングも催された。こちらは「ロードスターオーナーミーティング」の参加車両。
駐車場ではさまざまなモデルのオーナーミーティングも催された。こちらは「ロードスターオーナーミーティング」の参加車両。拡大
「MFF2023 スイフト オーナーズミーティング」のエリアには、トラストのコンプリートカーの姿も。
「MFF2023 スイフト オーナーズミーティング」のエリアには、トラストのコンプリートカーの姿も。拡大
「RENAULT・ALPINE DAY IN MFF」の駐車エリアへと誘導される「アルピーヌA110」。
「RENAULT・ALPINE DAY IN MFF」の駐車エリアへと誘導される「アルピーヌA110」。拡大
イベントには陸上自衛隊も参加。一部の車両には乗車することもできた。
イベントには陸上自衛隊も参加。一部の車両には乗車することもできた。拡大
ホームストレートでは陸上自衛隊の音楽隊による演奏も行われた。
ホームストレートでは陸上自衛隊の音楽隊による演奏も行われた。拡大

気になるクルマを体感・体験

そんな同イベントの人気の理由は、参加者の「体感」と「体験」を重視した内容だ。体感コンテンツの最大の見どころは、レーシングコースを舞台としたもの。特に多くの来場者のお目当てとなっているのが、ドリフト競技の選手権「D1グランプリ」の2023年シーズン開幕に先駆けて行われた「D1 Exhibition match」だ。プロドライバーが華麗なドリフトを披露。本戦前にもかかわらず、2台が同時に走行して技を競う「追走」では接触のアクシデントも発生するなど、本戦さながらの熱いバトルに観客は魅了された。

見て感じるコンテンツとしては、レーシングコースのホームストレートを使った「スーパーグリッドウォーク」が名物となっている。レーシングカーやスーパーカー、カスタムカーなど90台ものクルマが、レースのスターティンググリッドをほうふつとさせるかたちで展示。普段はなかなか近くで見ることができないクルマをじっくりと鑑賞できるほか、今回はD1ドライバーたちも愛機と共に参加し、ファンとの交流が図られていた。

体験コンテンツでは、イベント恒例となった試乗会が大好評。「ダイハツ・ハイゼット トラック」などの軽自動車や「ホンダ・シビック タイプR」などのスポーツカー、「アルファ・ロメオ・トナーレ」などの最新輸入車まで、さまざまなクルマに試乗できる「新型車大試乗会」や、「トヨタGR86」と「スバルBRZ」など、気になる2台を乗り比べられる「乗り比べ試乗会」などを実施。貴重な機会とあって、受付には長蛇の列ができていた。

「ロードスター」のトークショーも実施

メインステージではトークショーが実施され、「マツダ・ロードスター(ND)」の開発主査を務め、近年はロードスターアンバサダーとして活躍していた山本修弘さんがゲストとして登壇。トークのなかでは初代ロードスターの開発主査であった平井敏彦さんが、4月11日に逝去されたことに触れ、「当時、ライトウェイトオープンスポーツカーは市場から消えていため、販売サイドからは、そんなクルマは売れないと反対された。しかし、そこに平井さんの狙いがあり、競争のない唯一無二のクルマをつくろうとしていた。それは平井さんが販売を経験した際、マツダ車は値引きしないと売れないという、自分たちが一生懸命つくったクルマを安売りしなくてはならないつらい経験が原点にあった」という平井さんのロードスター開発ストーリーも語られた。

平井さんの思いが詰まった、初代にあたる「ユーノス・ロードスター」は、日本でも大きく注目され、多くの人に愛された。そして米国でも爆発的ヒットを記録したのは、皆さんもご存じのとおりだ。トークショーの後には、平井さんをしのんでつくられたステッカーが、ファンに配られた。

自衛隊の車両にも触れられる

場内の駐車エリアでは、オーナーズミーティングも開催。「RENAULT・ALPINE DAY IN MFF」「MFF2023 スイフト オーナーズミーティング」「ロードスターオーナーミーティング」「リバティーウォーク ミーティング」などが開かれ、各地からオーナーが愛車と共に集結して、親睦を深めていた。

個人的に興味を引かれたのが、陸上自衛隊の車両展示だ。普段は、移動中の車両をチラ見するくらいだが、今回はじっくりと観察できるだけでなく、内部の写真撮影こそNGであったものの「96式装輪装甲車」に乗車することができた。乗車スペースは、鉄板むき出しの車内の左右に薄いクッションのベンチシートが備わるのみ。なかなかハードな仕事であることが、車両からも伝わってきた。展示のために参加した自衛官の皆さんはとても気さくで、車両に関する質問にも答えてくれた。もちろん機密事項も多いため、すべてに回答できるわけではなかったが、特殊車両の世界を垣間見られたのは、貴重な経験となった。ぜひ次回も展示があれば、車両の見学だけでなく、自衛官の方との会話も楽しんでみてはいかがだろうか。

常に活気にあふれた会場内では、家族連れやカップル、友人などが共に行動し、クルマを楽しそうに眺め、語り合う姿が多く見られた。これまでは当たり前の景色だったが、世界中の人々が苦しんだ新型コロナウイルス感染症の影響で、その機会の多くが失われてきた。感染拡大が落ち着きはじめたことで、こうして再びクルマ好き同士が交流できる機会が復活したことをうれしく感じたイベント取材であった。

(文と写真=大音安弘)

◆画像・写真:「モーターファンフェスタ2023」の会場から

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