プジョー408 GTハイブリッド(前編)
2023.08.03 あの多田哲哉の自動車放談 ファストバックとクロスオーバーを融合したという、プジョーの新たな4ドアモデル「408」。車両開発者として長年プジョーを意識してきた多田哲哉さんが、乗り味の特徴について語る。トヨタも一目置いていた
この連載企画で取り上げるクルマとしては初のフランス車となる408を前に、多田さんはプジョーにまつわる自身の思いを語り始めた。
「私のクルマ人生で1、2を争う衝撃を受けたのが、ほかでもない『プジョー405』なんですよ」
プジョー405といえば1987年から1997年まで生産販売(国内販売は1989年~1996年)されたDセグメントセダン/ステーションワゴンだ。405は1996年に「406」、2004年に「407」へと世代交代した後、そのポジションは2011年に上級の「607」と統合した「508」に受け継がれた。新しい408は「308」と主要コンポーネンツを共有しており、かつての405/406/407とは別系統の新種といえるモデルだ。
「405に初めて乗ったのは、私がトヨタに入ってしばらくして、東富士研究所に配属されてテストする機会が増えた時でした。当時はトヨタ社内でも『405はすごいぞ』という話になっていましたね。405は普通の道でも良かったのですが、特に北海道の士別試験場で凍結路や雪道で走った時の安定性やハンドリングには衝撃を受けました」
開発責任者として「86」や「GRスープラ」をつくった多田さんといえば、この連載ではポルシェへの造詣の深さが印象的である。そんな多田さんから405の名前が出てくるとは、失礼ながらちょっと意外だ。
「プジョーのこのクラス……特に405や406で、なぜこんな乗り心地やハンドリングが実現できるのかと、トヨタでもすごく研究していました。ただ、当時は具体的に設計や部品のどこがいいのかは判然としませんでした。結局のところ、やっぱり歴史の違いか……なんて、よくわからない話になってしまったりしていました」と多田さんは笑う。
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