日産が「統合報告書2024」を発行 脱炭素を目指す中長期戦略の現状と展望を発表

2024.07.31 自動車ニュース webCG 編集部
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日産自動車は2024年7月31日、脱炭素に向けたビジネスの進捗(しんちょく)などを紹介する「統合報告書2024」を発行した。ジャパンモビリティショー2023で登場した「ハイパーフォース」や「ハイパーツアラー」「ハイパーアーバン」などの電動コンセプトモデルが、報告書のトップに掲載されている。
日産自動車は2024年7月31日、脱炭素に向けたビジネスの進捗(しんちょく)などを紹介する「統合報告書2024」を発行した。ジャパンモビリティショー2023で登場した「ハイパーフォース」や「ハイパーツアラー」「ハイパーアーバン」などの電動コンセプトモデルが、報告書のトップに掲載されている。拡大

日産自動車は2024年7月31日、サステイナビリティーを中核に据えたミッションステートメントと、ビジネスの進捗(しんちょく)などを紹介する「統合報告書2024」を発行。報道関係者に同報告書の内容と具体的な取り組みについて説明を行った。

欧州市場で販売が予定されている「日産アリアNISMO」。欧州市場にNISMOの電気自動車が導入されるのは今回が初となる。
欧州市場で販売が予定されている「日産アリアNISMO」。欧州市場にNISMOの電気自動車が導入されるのは今回が初となる。拡大
2010年の登場以来、電気自動車普及の立役者として販売されてきた「日産リーフ」。一充電走行距離を大幅に延ばすとともに、最新のインテリジェントドライビング技術が盛り込まれた2代目(写真)は、2017年9月に発表された。
2010年の登場以来、電気自動車普及の立役者として販売されてきた「日産リーフ」。一充電走行距離を大幅に延ばすとともに、最新のインテリジェントドライビング技術が盛り込まれた2代目(写真)は、2017年9月に発表された。拡大
日産は、2024年3月25日に価値・競争力・収益性の向上を柱とした新しい経営計画「The Arc」を発表。発表イベントには日産自動車の内田 誠社長が登壇し、The Arcの内容を説明した。
日産は、2024年3月25日に価値・競争力・収益性の向上を柱とした新しい経営計画「The Arc」を発表。発表イベントには日産自動車の内田 誠社長が登壇し、The Arcの内容を説明した。拡大
日産が2028年度の実用化を目指して研究開発を進めている全固体電池のパイロット生産ライン。
日産が2028年度の実用化を目指して研究開発を進めている全固体電池のパイロット生産ライン。拡大
「サステナビリティの取り組み説明会」に臨席し、「統合報告書2024」の発行について説明を行った日産の専務執行役員チーフサステナビリティオフィサー田川丈二氏。
「サステナビリティの取り組み説明会」に臨席し、「統合報告書2024」の発行について説明を行った日産の専務執行役員チーフサステナビリティオフィサー田川丈二氏。拡大
「統合報告書2024」の発行について日産の専務執行役員チーフサステナビリティオフィサー田川丈二氏(写真右)とサステナビリティ推進部部長の田川裕美氏(同左)が、報道関係者からの質疑応答に対応した。
「統合報告書2024」の発行について日産の専務執行役員チーフサステナビリティオフィサー田川丈二氏(写真右)とサステナビリティ推進部部長の田川裕美氏(同左)が、報道関係者からの質疑応答に対応した。拡大

日産は現在、「Nissan Ambition(ニッサン・アンビション)2030」の実現に向け、2024年3月25日に発表した経営計画「The Arc」を基盤としたビジネス戦略を展開している。

ニッサン・アンビション2030は、2021年11月29日に発表された長期ビジョン。「環境問題や社会課題、そして変化するお客さまのニーズに対応し、よりクリーンで安全、誰もが共生できる社会の実現と、真に持続可能な企業となること」を目指し、「今後5年間で約2兆円を投資し、電動化を加速」「2030年度までに電気自動車15車種を含む23車種のワクワクする新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大」「全固体電池を2028年度に市場投入」という3つの具体的なミッションステートメントを発表している。

いっぽうのThe Arcは、「2026年度までに、2023年度比で100万台の販売増と、営業利益率6%以上を目指す」という経営計画である。「今後3年間で30車種の新型車を投入し、そのうち16車種を電動車両、14車種をICE車とする」「2024年度から2030年度の間に、計34車種の電動車両を投入してすべてのセグメントをカバー」「グローバルな電動車両のモデルミックスは2026年度に40%、2030年度には60%を見込む」といった内容がアナウンスされている。

今回発行された統合報告書2024は、ニッサン・アンビション2030とThe Arcによる長期ビジョンや経営計画、戦略の進捗に加え、財務情報などを公表するものである。さらに、サステイナビリティーに関する方針や実行計画を通じて、日産が中長期にわたり社会に与える価値の創造などについても説明されている。

サステナビリティーへの取り組みとして、第5世代となる「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」と「ニッサン・ソーシャルプログラム(NSP2030)」も策定。NGP2030では、2018年比で「車両一台あたりのライフサイクルCO2排出量の30%削減」「製造時のCO2排出量52%削減」に加え、「日本・米国・欧州・中国の4つの主要市場において新車走行時のCO2排出量を50%、グローバルで同32.5%を削減」「4つの主要市場におけるサステイナブル素材比率を40%へ向上させる」という目標がうたわれる。

NSP2030では、安全・品質・責任ある調達・知的財産・地域社会・Power of employeesを6つの柱とし、各分野で2030年に向けた目標設定と行動計画を策定。人を大切にし、すべてのステークホルダーの人権を尊重することを企業活動の基本に据えるという。

「サステイナビリティの取り組み説明会」に臨席した日産のチーフサステナビリティオフィサー田川丈二氏は、「大切なのはさまざまなパートナー企業やステークホルダーと連携し、継続的に進むべき方向性について社内で多様な議論を交わしながら、活動を進化させていくこと。企業を持続可能なものとし、持続可能な社会を築くためには着実な準備が必要です。これは“人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける”という日産のコーポレートパーパスに一致するものです」とコメントしている。

(webCG)

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