住友ゴムが「DUNLOP(ダンロップ)」ブランドのグローバル展開を発表

2025.12.03 自動車ニュース webCG 編集部
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コミュニケーションブランドを「DUNLOP(ダンロップ)」に統一することを発表する、住友ゴム工業の山本 悟代表取締役社長。
コミュニケーションブランドを「DUNLOP(ダンロップ)」に統一することを発表する、住友ゴム工業の山本 悟代表取締役社長。拡大

住友ゴム工業は2025年12月3日、2026年よりコミュニケーションブランドを「DUNLOP(ダンロップ)」に統一すると発表。同時に、新たなブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」を策定し、グローバル市場でのプレミアムブランドとしての地位確立を目指すと表明した。

写真向かって左から、イギリスで住友ゴムの製品を手がける、ミッチェルディーバー タイヤサービスのグラハム・ミッチェルCEO、ファルケンタイヤ ヨーロッパのマルクス・ボーグナー社長兼CEO、住友ゴム工業の山本 悟社長、住友ラバー ノースアメリカのダレン・トーマス社長兼CEO。(販売会社の社名はいずれも改称前のもの)
写真向かって左から、イギリスで住友ゴムの製品を手がける、ミッチェルディーバー タイヤサービスのグラハム・ミッチェルCEO、ファルケンタイヤ ヨーロッパのマルクス・ボーグナー社長兼CEO、住友ゴム工業の山本 悟社長、住友ラバー ノースアメリカのダレン・トーマス社長兼CEO。(販売会社の社名はいずれも改称前のもの)拡大
タイヤブランドの「FALKEN(ファルケン)」をはじめ、各商品ブランドについては今後も存続。住友ゴム工業の社名についても、変更はされないという。
タイヤブランドの「FALKEN(ファルケン)」をはじめ、各商品ブランドについては今後も存続。住友ゴム工業の社名についても、変更はされないという。拡大
発表会では、ダンロップのブランドアンバサダーを務める大谷翔平選手のメッセージビデオも流された。
発表会では、ダンロップのブランドアンバサダーを務める大谷翔平選手のメッセージビデオも流された。拡大
発表会では住友ゴム工業の最新の取り組みについても解説。会場内にはダンロップがドライビングシミュレーター『グランツーリスモ』のオフィシャルパートナとなったことを記念した特別デザインの「ポルシェ911 GT3 R」や、ダンロップのタイヤを履いてルマン24時間レースで優勝した「マツダ787B」「ベントレー4 1/2リッター」が展示されていた。
発表会では住友ゴム工業の最新の取り組みについても解説。会場内にはダンロップがドライビングシミュレーター『グランツーリスモ』のオフィシャルパートナとなったことを記念した特別デザインの「ポルシェ911 GT3 R」や、ダンロップのタイヤを履いてルマン24時間レースで優勝した「マツダ787B」「ベントレー4 1/2リッター」が展示されていた。拡大
参考出展されたSUV・ピックアップ用大外径タイヤ。
参考出展されたSUV・ピックアップ用大外径タイヤ。拡大
同じく参考出展されたプレミアムスポーツタイヤ。
同じく参考出展されたプレミアムスポーツタイヤ。拡大
既存のタイヤ「SPスポーツLM705」(写真右)と、軽量化技術が投入された次世代タイヤ(同左)の比較コーナー。持ち上げてみると、後者のほうが明らかに軽量となっている。
既存のタイヤ「SPスポーツLM705」(写真右)と、軽量化技術が投入された次世代タイヤ(同左)の比較コーナー。持ち上げてみると、後者のほうが明らかに軽量となっている。拡大
住友ゴム工業では、タイヤやスポーツ用品のほかにもさまざまな製品を開発。写真は同社の正極材を用いたリチウム硫黄電池(左)で、既存のリチウムイオン電池(右)より、軽量・大容量となっている。
住友ゴム工業では、タイヤやスポーツ用品のほかにもさまざまな製品を開発。写真は同社の正極材を用いたリチウム硫黄電池(左)で、既存のリチウムイオン電池(右)より、軽量・大容量となっている。拡大
元F1ドライバーで、SUPER GT GT500クラスを戦うModulo Nakajima Racingの中嶋 悟監督によるトークショーも開催。ダンロップタイヤと共に戦った今シーズンを振り返った。
元F1ドライバーで、SUPER GT GT500クラスを戦うModulo Nakajima Racingの中嶋 悟監督によるトークショーも開催。ダンロップタイヤと共に戦った今シーズンを振り返った。拡大

散り散りになっていたブランドの商標権を獲得

ダンロップは、1888年にジョン・ボイド・ダンロップが創設したイギリス発祥のタイヤブランドである。空気入りタイヤをはじめとする、さまざまな革新技術を実用化してきた歴史を持つが、近年はマーケットによって異なる企業が商標権を持つ事態となっていた。

そこで住友ゴムは、それまでダンロップの商標権を持っていた日本やアジアなどの地域に加え、2025年1月に欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤの商標権を取得(参照)。同年3月には長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を発表し、今後はダンロップブランドを事業の中心に据えることを表明した。さらにこの2025年12月3日には、マレーシア、シンガポール、ブルネイにおけるダンロップ商標の独占使用権を、Continental Tyre Malaysiaグループから取得することも発表(2026年1月1日取得予定)。ダンロップブランドを、グローバルに展開する体制を整えた。

今後、住友ゴムはダンロップブランドを経営の中心に据え、グローバルで統一されたブランドコミュニケーションを推進。“住友ゴムのブランド”というかたちでダンロップを上段に据え、そのもとにタイヤブランドの「FALKEN(ファルケン)」や、スポーツ用品ブランドの「SRIXON(スリクソン)」「XXIO(ゼクシオ)」といった製品ブランドを展開していくかたちとした。これにともない、世界各地の販売会社も社名を変更。米国の住友ラバー ノースアメリカはダンロップタイヤ ノースアメリカ、ドイツのファルケンタイヤ ヨーロッパはダンロップタイヤ ヨーロッパと、ダンロップの名を冠する新しい社名を名乗ることとなる。

同時に発表されたブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」は、「挑戦するすべての人々の可能性を広げ、その先へ導く存在であり続けるという想(おも)いを込めた」という標語であり、今後は「挑戦を支える安心」「期待を超える体験」「限界への挑戦」という3つの提供価値を、すべての商品・サービスで体現。革新的な体験を通じて、世界中の人々にポジティブな感情を生み出すことを追求していくとしている。

住友ゴムでは今回のブランド改革を通し、タイヤ、スポーツ、ライフスタイル領域を横断してブランド価値を高めていくと表明。タイヤやスポーツ用品におけるプレミアム商品の展開に加え、モータースポーツへの積極的な参入や、テニスやゴルフといったスポーツ競技へのコミットメントによるブランド好意度の底上げ、社会課題を解決するソリューションの提供などを通じて、ブランドの信頼を高めるとした。

また、欧州を起点にブランド発信力を高めるための施策も推進。ダンロップ発祥の地であるイギリスにブランド発信拠点やマーケティング拠点を開設し、グローバルでのブランドの存在感をさらに強化するとしている。

生産設備を刷新して高付加価値商品を市場投入

今回の説明会では、タイヤの新製品に関する展開のロードマップや、それを実現する新技術の導入についても解説がなされた。

すでに、オールシーズンタイヤ「ダンロップ・シンクロウェザー」の欧米投入(2027年予定)は公表されているが、それに加えて、2027年7月には日本の白河工場で欧米向けの高性能スポーツタイヤを生産開始。同様に、タイ第1工場で北米向けSUV・ピックアップ用大外径タイヤを(2027年1月)、同第2工場で欧米向けプレミアムオールシーズンタイヤを(2027年8月)、インドネシア工場で北米向けプレミアムオールシーズンタイヤを(2028年4月)、それぞれ生産開始するとした。

また、これらの生産を実現するため、各工場にはコンパクトな次世代成形機や、シームレスな自動搬送システム、データ駆動型の生産管理システムからなる「プレミアム商品専用ライン」を導入。生産拠点の稼働を止めることなく、シームレスに最新設備への移行を進めていくとしている。

タイヤそのものについても、「SDIプラットフォーム」の導入による設計の共通化や、25%の重量軽減(2019年比)を実現する軽量化技術の導入を推進。高品質で環境負荷の低い製品を、グローバルに展開していくと述べた。

(webCG)

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