三菱が新型「パジェロ」を発表 クロスカントリーSUVのフラッグシップが5年ぶりに復活
2026.09.02 自動車ニュース 拡大 |
三菱自動車は2026年9月2日、クロスカントリーSUVの新型「パジェロ」を世界初公開した。
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強じんなフレームと足まわりで悪路も快適に走破
三菱パジェロは、高い悪路走破性と乗用車並みの快適性を併せ持つクロスカントリーモデルの旗手として、1982年に登場。2021年に4代目が販売を終えるまで、世界170の国と地域で329万台超が販売されてきた。
5代目となる今回の新型は、「First-class&All-rounder CHARISMA」というコンセプトを掲げて開発。従来の価値である「Confidence(走破性、信頼性)」「Comfort(快適性)」を今まで以上に追求しつつ、新たに「Prestige(存在感、上質さ)」という価値を付与し、時代が求める先進性や上質さも備えた新しいフラッグシップとなっているという。
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4920×1925×1910mmと、従来モデルよりひとまわり拡大。そのデザインは水平基調で塊感や力強さを強調したもので、T字型のヘッドランプや「初代のロールバーから着想を得た」というCピラーの装飾などが、特徴的なアイコンとなっている。また「日本の剣道に着想を得た」というフロントフェイスには、横桟タイプとハニカムタイプの2種類のラジエーターグリルを設定。車体色にはテーマカラーの「アーマーカッパーメタリック」と「ファントムブルーメタリック」を含む全8種類の色を用意している。
一方、車両構造には3・4代目で採用してきたビルトインラダーフレームのモノコックではなく、シャシーとボディーが別体となる堅牢なボディー・オン・フレーム構造を採用。ラダーフレームは「トライトン」のものをベースに改良を加えたもので、クロスメンバーの追加や高張力鋼板の適用範囲拡大、サイドメンバーの大断面化などによって、耐久性とねじり剛性を大幅に強化している。
サスペンションは前がハイマウントのダブルウイッシュボーン式、後ろがパジェロ専用の5リンクリジッド式で、強化されたボディーマウントともども、悪路でも安心・快適に移動できる性能を追求。安心感の高いブレーキフィールを提供するべく、ブレーキには18インチの大径ローターと電動ブースターを装備している。悪路走破性能に直結する対地クリアランスは十分に取られており、最低地上高は230mm、アプローチアングルは30.4°、ランプブレークオーバーアングルは22.6°、デパーチャーアングルは25.8°を確保。前:後ろ=52:48という好適な前後重量配分も、優れた走行性能に寄与するとしている。
※ディメンションはいずれも20インチタイヤ装着車のもの。
電子制御の強化によって意のままの走りを追求
パワートレインは、2.4リッターディーゼルターボエンジンと新開発のスポーツモード付き8段ATの組み合わせで、エンジンにはトライトンのユニットをもとにワイドレンジの可変ジオメトリーターボを搭載。480N・mの最大トルク(一部地域では470N・m)により、レスポンスのよい加速を実現しているという。駆動方式はローレンジを備えたセンターデフ式の4WD(センターデフロック付き)で、パートタイム式とフルタイム式の両方の特徴を備えた「スーパーセレクト4WD-II」を踏襲する。
一方、姿勢制御システムは最新のものにアップデートしており、パジェロとして初めて「S-AWC(Super All Wheel Control)」を採用。4WDの前後駆動力配分と、トルクベクタリング機能による左右の駆動力配分、4輪独立式のブレーキ制御を統合コントロールすることで、自然で意のままの走りを実現したとしている。加えて、「ECO」「NORMAL」「GRAVEL」「SNOW」「MUD」「SAND」「ROCK」の7つのモードからなるドライブモードも用意。4WDやパワートレイン、AYC、スタビリティーコントロール、トラクションコントロールを最適に制御し、あらゆる天候・路面状況で安心感のある走りを提供するという。
車内空間に見る快適性の追求と上質なつくり込み
キャビンのつくりは、快適に移動できること、ストレスなく運転できることを重視したもので、トライトンよりAピラーを立たせることで、ゆとりある車内空間を実現。また、ドライバーの着座位置を30mm高めて見晴らしのよいワイドな視界(視野角81.7°)を確保するとともに、見切りのよいボディー形状と5.8mの最小回転半径により、大柄なボディーと取り回しのしやすさの両立を図っている。
シートレイアウトは3列7人乗りで、1・2列目シートについては体を自然に支える優れた座り心地を追求。ベンチ式の2列目シートには、タンブル機構と150mmのロングスライド機構を備えている。また3列目のシートまわりに関しても、十分なヘッドクリアランスと好適な座面高、足先を2列目シート下に差し入れられるフロアの設計などにより、自然な着座姿勢で過ごせる空間を実現。運転席・助手席・後席で個別に温度設定が可能な3ゾーンエアコンや、シートヒーター、シートベンチレーション、豊富に用意されたUSBポートなど、快適性を高める装備も充実している。各席で自然に会話ができるという高い静粛性も特徴で、フロントウィンドウだけでなく、前後のドアウィンドウも遮音ガラスとなっている。
内装の仕立ても三菱の上級モデルにふさわしいもので、上質なキャメルカラーのセミアニリン本革を用いた仕様も用意。インストゥルメントパネルやドアトリムなどには、日本の伝統工芸「木目込み」に着想を得たという、独自の縫製を用いたソフトマテリアルが張られている。
安全で快適なドライブをサポートする機能・装備にも注目
操作インターフェイスは従来の三菱車から刷新しており、インストゥルメントパネルには2枚の14.3インチディスプレイ(グレードによっては12.3インチを設定)からなるモノリスディスプレイを搭載。タッチスクリーンには、インフォテインメントシステムやスマートフォン連携ディスプレイオーディオ、空調のコントローラーなどの機能が備わり、またGPSやジャイロセンサー、前後左右の加速度などを表示する「マルチメーター」は、パジェロの伝統である3連メーターをモチーフにした表示デザインとなっている。
安全・快適なドライブをサポートする装備も充実しており、先進運転支援システムには、衝突被害軽減ブレーキやレーダークルーズコントロールなどに加え、車線逸脱の危険を検知して操舵支援を行う緊急時車線維持支援機能を初採用。三菱車として初めて、センターエアバッグを含む8つのエアバッグを装備している。
このほかにも、3Dモデルによって自車周辺の状況を直感的に把握できる3Dマルチアラウンドビューモニターや、電動パノラマサンルーフ、ヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」などを採用。12基のスピーカーとデュアルアンプからなるこのオーディオには、ロードノイズの影響を低減するサウンド補正機能も搭載されている。
三菱は新型パジェロについて、「日本のパジェロ、三菱のパジェロとしての独自性を追求。ほかとは一線を画すデザインと長年培ってきた技術の集大成として、『独創進化』を遂げたモデルとして登場する」と説明している。
生産はトライトンなどと同じくタイで行われ、2026年度は同国を皮切りに、日本、オーストラリアに投入。2027年度以降はアセアンや中南米、中東にも導入し、世界約100カ国へと順次展開していくとしている。日本での正式発表は2026年10月末の予定だ。
【主要諸元】(プロトタイプ)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4920×1925×1910mm
ホイールベース:2870mm
車重:2460kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.4リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:204PS(150kW)/3500rpm
最大トルク:480N・m(48.95kgf・m)/1750-2500rpm
タイヤ:(前)255/55R20/(後)255/55R20
(webCG)
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