第3戦、SC430がお膝元の富士でワンツー達成!【SUPER GT 08】
2008.05.05 自動車ニュース【SUPER GT 08】第3戦、SC430がお膝元の富士でワンツー達成!
2008年5月4日、静岡県は富士スピードウェイでSUPER GT第3戦の決勝レースが行われた。予選2位スタートのNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/R・ライアン組)がライバルのミスをものにしつつ、110周、500kmの長丁場を戦いぬいて今季初優勝。開幕から続く、GT-R連勝の流れを断ち切った。
一方、GT300では、No.95 ライトニングマックィーン apr MR-S(平手晃平/国本京佑組)のルーキーコンビがポール・トゥ・フィニッシュを達成。SUPER GT参戦3戦目でのスピードウィンを果たした。
■GT-Rに大きな“足かせ”
GT500クラスは、第3戦を前にレギュレーションの見直しを実施。特別性能調整で最低重量が変更された。これは、イコールコンディションを前提とする“SUPER GTルール”によるハンディキャップで、GT-Rに課せられたウェイトは80kg。NSXは40kg、SCはナシだった。
最低車重1100kgにこの特別性能調整分を加え、さらに第2戦までの戦績による各車独自のハンディウェイトを上乗せするわけで、1、2戦と好成績を残してきたGT-Rの足かせは、もはや素性によさを見せるのも難しいほどだった。
“鬼の居ぬ間に”とはこのことか――GT-Rが鳴りを潜めるなか、NSXとSC430はポールポジション争奪戦を演じた。スーパーラップでは最多ポールポジション獲得を誇るNo.38 SC430の立川が魅せるも、No.18 TAKATA童夢NSXの小暮卓史が0.03秒という僅差でポールの座を奪取した。
GT300では、No.95 MR-Sの平手が2位に0.6秒の差をつけて、初のスーパーラップ挑戦ながら初ポールを獲得。大物ぶりを印象付けた。
■NSX、まさかの後退
土曜の予選は午前のセッションが雨、午後からのスーパーラップはドライコンディションという不安定な状態だったが、決勝の日曜は、朝からサーキット一面に青空が広がった。スタート直前には雲行きが怪しくなったものの、決勝中のコンディションは影響ナシ。
No.18 NSXの小暮は、好調なスタート。2番手No.38 SCの立川に5秒近く差をつけ、序盤は快調そのもの。が、ダンロップコーナーでシフトミスした小暮は痛恨のスピン。労せずしてNo.38 SCがトップに立った。
「ポール獲得記録を更新できず悔しかったので、今日は絶対勝とうと思った」というのは、No.38 SCの立川。通常ピットストップは1回だが、500kmある富士は2回になる。いつもは後半のスティントを請け負う立川はスタートを担当。序盤はタイヤの持ちなどを考慮し抑えたというが、思わぬ形で巡ってきたチャンスにペースアップ。チームメイトのライアンにスイッチする直前には後続を10秒近く突き放し、大半のクルマが2度目のピットストップを終えるころにはその差を13秒に広げた。立川は昨年の開幕戦以来となる勝利を手にし、自身が持つ最多勝記録をさらに伸ばして10勝とした。
■お膝元でワンツー
決勝日のフリー走行で好調だったNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥組)は予選6番手からスタート、折り返しを前に3番手まで浮上した。
井出が連続で2スティントを走破、細川へと引継ぎピットストップでポジションを下げたが、すぐさま追撃開始。前2台のSC430と攻防戦を展開した。1台をパス、前にはNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/A・ロッテラー組)の脇阪がNo.100 細川の行く手を拒むが、それでも細川は果敢に脇阪を攻め立て、粘った末に逆転を果たした。
が、なんと、チェッカーまで残り4周となったヘアピンで痛恨のスピン! No.36の脇阪だけでなく、No.18 NSXの道上にまで先行を許してしまった。
結局、No.36 SC430が2位でチェッカー。トヨタのお膝元である富士のコースで、SC430が1−2フィニッシュを達成した。3位にはNo.18 NSX。序盤のミスを取り戻し、チームとして今季初表彰台に上がった。
■GT300はルーキーコンビが制す
ポールからスタートしたNo.95 MR-Sはルーキーらしく無理せず、自分たちのレースに徹したことが、勝利につながった。一方、百戦錬磨の各先輩チームはさまざまな策が裏目に出たり、思わぬトラブルに巻き込まれるなど、不本意な結果に。
そのなかで、No.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)は、予選11位から大幅ポジションアップで2位に入り、今季初表彰台をゲット。続く3位のNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)も16位スタートながらレースマネージメントが光り、今季2度目の表彰台をものにした。
次は、SUPER GT唯一の海外戦。前半戦の締めくくりとなるマレーシア・セパンでの戦いとなる。灼熱の太陽、高い湿度、コースは路面のミューが低く、厳しい条件が揃い、いつも何かが起こる戦いでもある。果たして、今年はどんな“サプライズ”があるのだろうか……? 6月22日、その結果が明らかになる。
(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)
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