第8戦もてぎは、小暮卓史ブッチギリでPIAA NAKAJIMAのワンツー!【FN 07】
2007.10.22 自動車ニュース【FN 07】第8戦もてぎは、小暮卓史ブッチギリでPIAA NAKAJIMAのワンツー!
ポールポジションからの完璧なスタート。後続との差をいっきに広げ、申し分のないレース運びを展開した小暮卓史は、今年3度目の優勝。2戦連続のポール・トゥ・ウィンを手にした。
2007年10月21日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第8戦は、小暮が独走で完勝。2位にはチームメイトのロイック・デュバル、3位にブノワ・トレルイエが続いた。
■小暮、予選から独壇場
金曜日の練習走行、そして予選でもひたすらトップタイムを刻み続けた男。それが小暮だった。ライバルと比較しても少なめの走行周回数、そしてムダのないタイムアタック、すべてが思い通りだった。
予選2回目ではアタック中に前車との差が詰まり、ダウンフォースが抜けてコースアウト、という場面もあったが、ライバル達は小暮が事前に叩き出していたファステストラップを上まわることができず。結果、小暮が今年3度目のポールポジションを獲得。2番手にチームメイトのデュバルが続き、3番手には本山哲と、ここまでは前回の第7戦菅生とまったく同じ展開に。
だが、本山は菅生戦の後、イレギュラーのエンジン交換をしており、規則により10グリッド降格が決定。代わって立川祐路が3番手の位置からスタートを切ることになった。
■PIAA、1-2体制でレースを牽引
レースウィークのなかで一番の好天気に恵まれた決勝日。レース前には、INDYカーレースでおなじみのスーパースピードウェイ(オーバルコース)にフォーミュラマシンを並べ、3周のパレードラン。シリーズ初の試みに観客はもちろん、ドライバー自身もオーバルの疾走を楽しんだ。
その余韻が残る午後2時30分、52周のレースがスタート。今季5月、第3戦がこの地で開催されたときは300kmレースだったが、今回は250km。比較的距離が短く、強制的なピット作業もない。ノンストップ作戦がとれる戦いなのだ。
だが、ストップ&ゴーのレイアウトを持つもてぎで、ガソリンを満タン近く搭載したクルマをコントロールするとなれば、スピードを活かすことができない。結果的には、後方グリッドからの大幅な追い上げを狙った数台のマシンだけがこの作戦を実施し、上位陣は“正統派”戦略でレースに挑んだ。
クリアスタートを切った小暮。隣りのチームメイト、デュバルはやや出遅れ、6番手のトレルイエが2番手にジャンプアップ。だが、速さで勝るデュバルはあっという間にトレルイエから自分の指定席を取り戻し、2位をキープする。
その間にトップ小暮は早くもひとり旅モード。序盤で10秒を超えるマージンを作り、3番手のトレルイエをして「コグレは2ピット作戦かと思った。今日は、追いつく気がしなかったよ」と言わしめるほどの圧巻の走りだった。
■入賞をかけた激バトル
レース後半、もはやトップ3は磐石の走り。それぞれ10秒以上の差があり、バトルには程遠い状態に。これと対照的だったのが、8位入賞を狙う4台の攻防戦だった。
高木虎之介、本山、立川、そしてJ・P・デ・オリベイラ。この中でノンストップ作戦を採ったのは高木だけ。また本山は誰よりも早くピット作業を行っている。立川はまず本山を料理し、さらに高木の背後に迫る。だが、これを上まわる勢いを見せたのがオリベイラだった。
予選の1発が出せず18位スタートを強いられたが、コンスタントにラップタイムを刻み、着実なポジションアップを果たしてきたオリベイラは、本山、立川と立て続けに抜き去り、高木とはサイド・バイ・サイドの末に逆転。その後も自己ベストタイムを連発するアグレッシブなパフォーマンスを披露し続けた。
■三つ巴の最終戦、スペシャルゲストも
完勝で今季3度目の優勝を飾った小暮は、シリーズポイントランキングで2位へ浮上。これまで単独2位にいた松田次生が5位に終わったため、この2人が同ポイントでトレルイエを追うことになった。
その差は4点。実質この3名が最終戦の鈴鹿でしのぎを削る。
ところで今回、今年4月にもてぎで開催されたインディジャパンの覇者、トニー・カナーン選手がフォーミュラニッポンの最終戦にゲスト参戦することが発表された。
日本レースプロモーションは、レースの活性化を目指し、世界的に著名なドライバーの招聘にいたったというが、2004年IRLシリーズチャンピオンでもある実力派ドライバーは1996年以降、オーバルでのレースを専門としている。未踏の地である鈴鹿で、FNマシンをいかに操るのか。そのパフォーマンスに注目したい。決戦の舞台は、11月18日だ。
(文=島村元子/写真=KLM Photographics J、JRP)
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