
2011年7月に発売50周年を記念して、トラック、バン合わせて1000台限定でリリースされた「サンバーWRブルーリミテッド」。ボディーカラーを除けば、最終生産モデルはこれらと基本的に同じである。
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2011年7月に発売50周年を記念して、トラック、バン合わせて1000台限定でリリースされた「サンバーWRブルーリミテッド」。ボディーカラーを除けば、最終生産モデルはこれらと基本的に同じである。
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1958年に発売された「スバル360」。軽でも実用車として立派に通用することを証明し、軽というカテゴリーを確立した傑作で、「てんとう虫」の愛称で呼ばれた。当時の日本は自動車後進国だったが、「スバル360」に限っては、コンセプト、性能ともに国際水準を凌駕(りょうが)していたといえる。
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1961年にデビューした初代「スバル・サンバー・ライトバン」。左が65年「ライトバン・スタンダード」、右が64年「同デラックス」で、「デラックス」はワイパーが2本になり、バンパーをはじめ各部にクロムの装飾が付く。どちらもフルオリジナルに近い状態を保った希少な個体である。「あっかんべえ〜」をしているような顔つきから、マニアの間では「あかんべサンバー」とも呼ばれる。
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全幅にわたって荷物棚が備わり、計器類は速度計のみという超シンプルな1965年「ライトバン・スタンダード」のダッシュボード。空冷エンジンなので水温計は不要だが、燃料計もなく、速度計の中にある残量警告灯だけが頼りである。ただし、より年式の古い64年「デラックス」は警告灯も付いていない。シートはベンチ式で、ギアボックスは3MT。
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燃料計も残量警告灯もなしで、どうやって燃料の残量を知るかといえば、燃料キャップにオイルレベルゲージのようなゲージが付いているのだ。燃料タンク容量は20リッター。ちなみにこれら2台は「スバルマチック」と呼ばれる分離給油機構を備えているが、1964年7月以前のモデルは混合給油(あらかじめ2ストローク用エンジンオイルを混ぜたガソリンを給油する)だった。混合比率はガソリン対オイルが20:1前後で、当時はGSで混合ガソリンが販売されていた。
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1950年にデビューした「フォルクスワーゲン・タイプ2」。写真は「バス」と呼ばれる乗用モデルで、バンやトラックなどの商用モデルは「トランスポーター」と呼ばれる。リアエンジン・ワンボックスの先駆で、「サンバー」のほか初代「マツダ・ボンゴ」などにも影響を与えた。
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「サンバー」より約1年早い1960年1月に発売された「くろがねベビー」。「サンバー」と同様に独立したシャシーフレームの後端に積まれたエンジンは水冷4ストローク2気筒で、スペックだけを見れば「サンバー」より高級だった。後にライトバンも追加された。
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1961年2月に発売された「サンバー・トラック」。これはカタログの表紙だが、記されているように最大積載量は350kg。「軽自動車免許で乗れる」というのは、当時は360cc以下の軽自動車と250cc以下の二輪が運転でき、16歳で取得可能な「軽免許」が存在したからである。なお、軽免許は68年に廃止された。
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カタログより、初代「サンバー・トラック」。車体後端にエンジンを納めるため荷台面積は制限されるが、床面までわずか35cmという低床設計が特徴だった。初代トラックの初期型は、写真のようにキャビンのルーフがキャンバス製だった。
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カタログより、1961年9月に加わった「サンバー・ライトバン」。初期型ライトバンはテールゲートのない3ドアのスタンダード仕様のみで、最大積載量は2名乗車で300kg、4名乗車で200kg。「平日はビジネスに、休日はレジャーに」というのが、貨客兼用車と呼ばれていたライトバンの決まり文句だった。楽しそうな表情のチャイルドモデルも、存命なら還暦近いはず。
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雨に煙る路地をいく1967年「サンバー・ライトバン・デラックス」。前年の66年1月にフルモデルチェンジされた「ニューサンバー」こと2代目の初期型だが、初代に比べてホイールベースが延び、安定感が増した。丸みを帯びたスタイリングも、グッと洗練されている。
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インパネにはようやく燃料計が備えられ、ダッシュにはグローブボックスが設けられたが、荷物棚はなくなった。タコメーターとオーディオは、もちろん後付けされたものである。
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リアシートを畳むとカーゴルームが現れるが、後端にはエンジンを納めた小さくない段差がある。アイボリーとブルーでまとめられたインテリアは、0系新幹線を連想させる。
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テールゲートは上下開き式である。
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356ccから最高出力20ps/5000rpm、最大トルク3.2kgm/3000rpmを発生する強制空冷2ストローク2気筒エンジン。オーナーが自らの手でオーバーホールしたそうで、ご覧のとおりきれいで快調だった。ウルトラ製のセミトラ(右上のオレンジ色)が後付けされている。
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1967年「サンバー・ライトバン・デラックス」のフロントドアは、俗にスーサイドドアと呼ばれる後ろヒンジ式で、前ヒンジのリアドアは左側のみ。翌68年にはリア右側にもドアが設けられ、70年にはフロントドアが前ヒンジに改められた。リアドアがスライド式になるのは、73年デビューの3代目、通称「剛力サンバー」からである。
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シンプルなリアビューは、「フォルクスワーゲン・タイプ2」によく似ている。
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ある旧車イベントにサンバー仲間と参加したオーナーのK氏(左)。クルマは2台とも1968年式「サンバー・ライトバン」だが、K氏が乗っているのは北米輸出用の左ハンドル仕様。オーバーライダー付きのバンパー、アンバーのウインカーレンズ、「Sambar」ではなく「Subaru」のエンブレム、リアサイドのリフレクターなどが国内用との識別点である。
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左ハンドルつながりということで、数年前に取材した北米仕様の1966年「サンバー・トラック ロッカー付」。フラットな荷台に三方開き式のアオリを備えた高床式で、国内仕様にも同じモデルが用意されていた。通常の荷台部分は鍵付きのロッカーになっており、荷台は2階建てというわけだ。
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商用バン(4ナンバー)の「ダイハツ・ハイゼットカーゴ」から派生した乗用登録(5ナンバー)の「ダイハツ・アトレーワゴン」のOEMである、現行の「スバル・ディアスワゴン」。新世代の「サンバー」も基本的にはこれと同じく、「ハイゼット」(トラック)と「ハイゼット・カーゴ」(バン)に六連星のエンブレムを付けて登場するはずだ。
『第141回:さよならサンバー! スバルが手がけた“ビッグな軽”を振り返る』の記事ページへ戻る