自動車イベント「ジャパン・クラシック・オートモービル」の会場から
2014.04.08 画像・写真2014年4月6日、東京・日本橋周辺で往年の名車の展示イベント「ジャパン・クラシック・オートモービル」が開かれた。日本橋といえば、古くは全国に通じる五街道の起点であり、現在も日本国道路原標が置かれている道路交通の原点である。国の重要文化財に指定されている、20代目となる現在の橋は1911年に建立されたものだが、架橋99周年を迎えた2010年に、交通の文化と歴史を物語るイベントとして「ジャパン・クラシック・オートモービル」が初開催された。以来、荒天により中止となった昨年を除いて毎年開催されており、今回で4回目となる。1956年に設立された、日本を代表する旧車クラブである「日本クラシックカークラブ(CCCJ)」の監修により集められた車両は、希少性、コンディションともに申し分なく、それぞれのヒストリーを持った30台。1896年竣工の、これまた重要文化財に指定されている日本銀行本店本館の前庭と、それに面した江戸桜通りの交通を封鎖して早朝から展示された。正午には、車検の無い数台を本館前庭に残して車両は日本橋に自走で移動し、上下車線をすべて封鎖して展示。この日の天気は全国的に荒れ模様で、日本橋周辺も時折雨粒が落ちてくる肌寒い一日だったが、橋の上は、展示されたクラシックカーに見入る人々で盛況だった。(文と写真=沼田 亨)

日本銀行本店本館に面した江戸桜通りには、戦後のモデル14台が並べられた。
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日本銀行本店本館に面した江戸桜通りには、戦後のモデル14台が並べられた。
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日本銀行本店本館前庭には、戦前のモデル16台を展示。
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1934年「ロールス・ロイス20/25クーペ」。白洲次郎のベントレーや吉田茂のロールス・ロイスをはじめ、貴重なロールスとベントレーを動態保存しているワクイ・ミュージアムの所蔵車両である。
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1922年「ベルリエV-G22」。この日の展示車両中、もっとも年式の古いフランス車。タイヤに付いているのは、戦前の日本で雨天走行時に装着が義務づけられていた泥はねよけ。石川県小松市にある日本自動車博物館の所蔵車両。
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1924年「ドラージュD1トルペードスポーツ」。ボートテールと呼ばれる、まさにボートのように後端に向かって絞り込まれた美しい木製ボディーを持つモデル。
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1953年「BMW 501」。51年に登場したBMW初の戦後型。2リッター直6エンジンを積んだ4ドアリムジーネ(セダン)で、後に2.6リッターV8搭載モデルも加えられた。これも日本自動車博物館の所蔵車両。
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1964年「日産セドリック・スペシャル」。初代セドリックのボディーをホイールベース2835mm、全長4855mmまでストレッチし、2.8リッター直6エンジンを積んだフラッグシップ。この個体は64年の東京五輪の聖火を運んだ、日産自動車の所蔵車両。
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「品川5」のシングルナンバーの付いた1959年「アルファ・ロメオ・ジュリエッタスパイダー」を先頭に、江戸桜通りから日本橋に向かう参加車両。
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江戸桜通りから中央通りに出る交差点にて。法政大学体育会自動車部の部車である1938年「ジャガー3-1/2リッター・サルーン」に、49年「プリマス・スペシャルデラックス」が続く。
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同じ交差点を行く1957年「キャデラック62コンバーチブル」。全長5.6m、全幅2mのボディーに6リッターV8エンジンを積む。
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中央通りに面した日本橋三越本店前を行く1934年「MG PAミジェット」、32年「MG J2ミジェット」、34年「ライレー9アルスター・インプ」など。
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1933年「アルファ・ロメオ8C 2300/2500」。直列8気筒DOHCスーパーチャージドエンジンを搭載、ルマンやミッレミリアなどで活躍したスーパースポーツ。後ろは24年「ブガッティT13ブレシア」。
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1931年「フォードA型」が2台続く。前を行くのは、慶応大学体育会自動車部が昭和20年代に警視庁から払い下げを受けて以来所有している個体。1920年代から30年代にかけて横浜に存在した日本フォードでノックダウン生産されたモデルである。
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1929年「シボレー・インターナショナルACロードスター」。シボレーで初めて直6エンジン(3.2リッター)を積んだモデル。この個体は希少な純正の木製ホイールを履いている。
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1930年「ラリーABC」。フランス製の小粋なライトウェイトスポーツ。花束を抱え、助手席から手を振る奥さまの笑顔がステキ。
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日本橋の上、国道1号線の全車線を封鎖して展示された参加車両。当初はもっと前後方向に広がって止まっていたが、途中で落ちてきた雨粒を避けるべく首都高速の下に収められた。
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目まぐるしく変わる、気まぐれな天候の合間、首都高速の上下線の間から差しこむ日をスポットライトのように浴びる1924年「ブガッティT13ブレシア」と35年「フィアット・バリッラ508Sコッパドーロ」。
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天候不順のため午後3時の終了予定を30分ほど切り上げて解散。ギャラリーに見送られて帰路につく1937年「ダットサン16型ロードスター」。助手席から顔を出している犬がかわいい。
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1961年「リンカーン・コンチネンタル・コンバーチブル」。観音開きのドアを持つ、当時のアメリカでも唯一の4ドアコンバーチブル。ジョン・F・ケネディが暗殺されたときに乗っていたのが、これをストレッチした特別仕様。
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このイベントのプロデューサー氏が駆る1959年「フィアット・アバルト750レコルトモンツァ」。