大矢アキオの上海モーターショー(街角編)
2015.04.29
画像・写真
上海モーターショー詣でにやってきたコラムニストの大矢アキオによるリポート。今回は街角編である。上海の街には、中国専用のロングホイールベースボディーの高級車と、ガムテープでぐるぐる補修されたスクーターが並んで走る。高層ホテルにもかかわらず、部屋には相変わらず怪しげなチラシが差し込まれる。そうかと思えば、高級ファッションビルの前で、売り物の自撮り棒を抱えたお姉さんがローラースケートで近づいてくる。この街の辞書に、退屈という言葉はない。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

浦東空港のバスターミナルで。バスはボルボ製だが、ラッピング広告は南京汽車-フィアット・インダストリアル系IVECO(イヴェコ)の合弁会社「NAVECO(ナヴェコ)」のものである。
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浦東空港のバスターミナルで。バスはボルボ製だが、ラッピング広告は南京汽車-フィアット・インダストリアル系IVECO(イヴェコ)の合弁会社「NAVECO(ナヴェコ)」のものである。
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上海・浦東空港から市街へ向かう桂林大宇製バスの車内にて。高速道路脇には、車展(モーターショー)ののぼりが延々と連なる。
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バスの車窓から。家具店イケアの背後には建設中の高層ビルが見える。テナント募集の連絡先電話番号は、中国で縁起の良い「8」の文字が連なる。
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名目上GDP(国内総生産)ランキングで世界第2位の国は忙しい。スクーター上でもスマートフォン!
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写真手前の「メルセデス・ベンツEクラス」や、奥の柵の向こうを走る「アウディA6」も、中国専用のロングホイールベース仕様である。
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中央の家族が乗るスクーターを見よ。ガムテープやビニールテープで補修されている。移動は遊びではなく、生活における真剣な一行為であることを無言のうちに物語っている。
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上海地下鉄の中山公園駅にて。身長1.3mを超えた子供は乗車券を買う規則である。
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地下鉄構内にて。不審者による車両火災の対処法を示したものだが、この作風ゆえ、緊迫感に欠ける。
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地下鉄車内のビデオスクリーンでは、自動車運転中の携帯電話操作が危険であることを示す実験番組が放映されていた。
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上海地下鉄の中山公園駅にある携帯電話の便利屋さん。修理以外にも、日本の携帯ショップでは絶対拒否されそうなモディファイも受け付けているようだ。
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駅入り口近くのバイク駐輪場で。電動スクーターは相変わらず少なくない。マッドガードには、販売店の広告が記されているのが普通。
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使えるものはポスターでも使え!
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「猫屎珈琲」とは、コーヒーの実を食べるジャコウネコのふんから取り出したコーヒー豆を焙煎(ばいせん)した珈琲のこと。今回は休業日にあたってしまい、残念ながら賞味できず。
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「家楽福」とはフランス系スーパーのカルフールのこと。そこで買い込んだ食べ物がこちら。今や50元(約1000円)で買えるのはこれだけ。上海の物価高を実感せざるを得ない。
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宿泊したアパートメントホテルで。部屋にひとつだけあるテーブルがやたら重い。クロスをめくってみたら雀卓(じゃんたく)だった。
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中国の宿といえば、ドアの下から差し込まれているチラシ。中国語で「あなた、どこにいるの? 私はここよ」などと怪しい誘いが。ついに登場した日本語版の片隅には、かなりきわどい表現とイラストが記されていたので、別のチラシを重ねて自主規制。
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テレビリモコンの表示は、ちょっとした中国語レッスン感覚である。
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浦東の高層ビル街を見渡せる黄浦江。ヒュンダイの中国合弁会社「北京現代」の巨大広告ネオンを掲げた遊覧船が目の前を通り過ぎた。上海には、このくらい大胆な広告のほうが似合う。
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上海屈指の繁華街・南京東路にて。目下、路上販売のイチ押し商品は「自撮り棒」である。
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午後10時、人民広場駅にて。一般商店が閉まったあとも、三輪自転車の果物屋台が店を続ける。