「第13回ディーノ・ミーティング」の会場から
2015.06.03 画像・写真2015年5月30日、31日、長野県茅野市で「第13回ディーノ・ミーティング」が開かれた。流麗なスタイリングとすばらしいハンドリングで、クラシックフェラーリのなかでも特に人気の高い一台である「ディーノ206/246GT」。それを中心とするフェラーリ設計の65度V6エンジン搭載車(「フィアット・ディーノ」「ランチア・ストラトス」)の愛好家が集う、「ディーノ・クラブ・オブ・ジャパン」が主催するオーナーズイベントである。今回は6台の「206GT」、17台の「246GT」、2台の「246GTS」と1台の「208GT4」からなる計26台が参加し、30日は車山高原~女神湖周辺のツーリングと総会、31日は蓼科高原芸術の森彫刻公園でミーティングが実施された。新緑に囲まれ、小川が流れる芝の上というすばらしいロケーションのもと、園内に展示された彫刻と同じく芸術作品といってもいいディーノが並んだミーティング会場から、参加車両を紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

ミーティング会場である、蓼科湖に隣接した蓼科高原芸術の森彫刻公園はご覧のようなロケーション。観覧者は園内に無料で入場できるが、ほぼ貸し切り状態である。
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ミーティング会場である、蓼科湖に隣接した蓼科高原芸術の森彫刻公園はご覧のようなロケーション。観覧者は園内に無料で入場できるが、ほぼ貸し切り状態である。
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ただし一般車両の進入を前提としていない設計のため、芝の上にたどり着くまでにはいくつかの関門を通り抜けねばならない。第1の関門であるゲートを抜けていく1969年「206GT」。ゲートの幅が狭いことに加え、路面の傾斜でエプロンを擦りそうになるのだ。
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ゲートを抜け、蓼科湖を見下ろしながらアプローチを下っていく1971年「246GT」。景色に見とれてしまいそうだが、路面左側の亀裂に注意。
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亀裂の先は路面が陥没しており、ただでさえ狭い道幅がいっそう狭くなっている。スタッフに誘導され、そろそろと下りていく英国仕様(RHD)の1973年「246GT」。
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最後の関門である、園内を流れる小川にかかる石橋を渡る1971年「246GT」。絶対的な橋の幅はともかく、ほぼ直角に曲がって進入せざるをえないため、慎重なステアリング操作が必要とされるのだ。
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左から、着脱可能なトップを備えた1973年「246GTS」、そして2台の73年および72年の「246GT」。
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樹木の緑と青空との対比も鮮やかな、ジャッロ(黄・1968年)とロッソ(赤・1969年)の「206GT」。「206GT」は生産台数152台といわれる希少車だが、今回は6台が参加した。
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1968年「206GT」。アルミ製ボディーのサイズは全長4200mm、全幅1700mm、全高1115mm、ホイールベース2280mm。エンジンは2リッターV6なので、60年代以降では唯一の「5ナンバーのフェラーリ」である。
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北米仕様の1972年「246GTS」。カリフォルニアの陽光に映えそうな70年代っぽいブルーがいい感じだが、グレーに塗られたトップとの組み合わせもシックでイカしていた。
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1972年「246GTS」の後ろ姿。最高出力195ps/7600rpm、最大トルク23.0kgm/5500rpmを発生する65度V6 DOHC 2.4リッターエンジンの後方にある荷室の容量は外観から想像するより大きく、オーナーいわく「2人でゴルフにも行けますよ」。
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ビシッと並べられた4台の「246GT」と1台の「246GTS」。ボディーカラーの色目もバッチリそろっている。
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別アングルから見た4台の「246GT」と1台の「246GTS」。
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前後バンパーを外すなどレーシングライクなモディファイが加えられた1973年「246GT」。これはこれでカッコイイ。
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シックなネロ(黒)に塗られた1971年「246GT」。
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「ディーノ」の名は冠していても、V8エンジン搭載のため本来ならクラブの入会資格から外れるが、所有者が以前は246オーナーだったため参加した1975年「ディーノ208GT4」。フェラーリでは例外的にベルトーネ(スタイリストはガンディーニ)が手がけた2+2ボディーに、2リッターV8 DOHCエンジンをミドシップする。
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1968年「206GT」のインパネとステアリングホイール。エクステリア同様、60年代生まれのスポーツカーの魅力を凝縮したようなデザインだ。
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1968年「206GT」の横向きにミドマウントされた総アルミ製エンジン。65度V6 DOHC 2リッターから、最高出力180ps/8000rpm、最大トルク19.0kgm/6000rpmを発生する。
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「206GT」および初期型「246GT」の特徴のひとつであるセンターロック式ホイール。センターキャップは“Dino”のロゴ入り。タイヤもオリジナルサイズである185R14を履いている。
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早世したエンツォ・フェラーリの息子の愛称を車名に冠した「ディーノ」。純フェラーリ製ながらフェラーリの姓を名乗らず、エンブレムにも“Ferrari”の文字や跳ね馬の姿は一切ない。
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この日の天気予報は2日前まで「曇り時々雨」だったが、前日に「晴れ時々曇り」に変わり、絶好のイベント日和となった。
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おしゃれな帽子をかぶった坊やならずとも気になる、黄色いモデルカーはやっぱり「ディーノ」?
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ワンオフのコンセプトカーである1967年「ディーノ206コンペティツィオーネ」の1/6モデルだった。フェラーリのモデルをバルサ材でスクラッチビルドしている山田健二氏の作品である。1/1の「フェラーリ308GTS」のオーナーでもある山田氏は、今回はこれを携え、友人の「246GT」のコドライバーとして参加した。
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クラブ会長の1971年「246GT」のフューエルリッドには、ピニンファリーナのチーフスタイリストとしてディーノのデザインを担当したレオナルド・フィオラバンティ氏のサインが。東京コンクール・デレガンス2009の審査員として来日した際にもらったものという。
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副会長の所有する1969年「206GT」のエンジンフードにも、同じくフィオラバンティ氏のサインが。フードだけ外してパーティー会場に持ち込みサインを頼んだところ、フィオラバンティ氏は一目見て「熱気抜きの穴が6つだから、最初のモデル(206GT)だね」と言ったそうだ。「246GT/GTS」では、穴が7つに増えるのだ。
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会場を後にする1968年「206GT」(手前)と73年「246GT」(奥)。