拡張現実男・大矢アキオのフランクフルトショー2017
2017.09.29 画像・写真フランクフルトモーターショー2017では、数々の主要メーカーが欠席した(関連記事)。その代わりに拡充されたのが、ITおよびスタートアップ系企業のパビリオンだ。もはやVR(仮想現実)は当たり前。AR(拡張現実)をいかに応用するかという提案が次々と行われている。ほかにも「子供自動車教習所」から「自動車業界就職相談コーナー」まで、さまざまなブースや新アトラクションがお目見えした。
もちろん、フランクフルトの常連サプライヤーの技術展示は、最新のトレンドを知る絶好のチャンスだ。例えば今回、電装系サプライヤーの多くは「アクセサリー電源48V時代」の幕開けを示した。
あるワイヤーハーネスメーカーは、48V機器の傍らで、シート内部の配線を展示していた(写真11点目)。その、なんと複雑で繊細なことよ。先にこれを見ておけば、自分のクルマの車内を清掃する際、シートに膝を立ててエアバッグセンサーを断線し、高額な修理代を請求されることもなかったろうに……などと悔やんだ筆者である。
展示のスタイルは変化しても、毎度のことながらフランクフルトショーは学びの宝庫。そんな会場で気になったシーンを写真で紹介しよう。
(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>、大矢麻里<Mari OYA>/編集=関 顕也)
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1/20ヒュンダイとレゴランドによる「子供自動車教習所」と名づけられたアトラクション。プレスデーは、まず大人が試運転?
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2/20主にIT企業やスタートアップ企業を集めたパビリオン「ニューモビリティー・ワールド」にて。カートリッジ式バッテリーはこれまでもさまざまなショーで提示されてきたが、今回もドイツのIKT社が写真の「eタクシー」で提案した。カートリッジ1個の重量は約10kgである。
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3/20中国で話題の自転車シェアリング業者「ofo」もブースを出展。ヨーロッパ各国への進出準備を着々と進めている。
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4/20ダイムラーの技術展示から。同社は四半世紀以上前から3Dプリンティングを試作品開発に採り入れてきた。今日では、年間10万点のプロトタイプ用パーツを製作する世界屈指の“3Dプリンティングメーカー”となっている。
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5/20スマートのブースに展示された、インテリアパーツのプリント技術。スタッフによれば、フランクフルトモーターショーの前夜祭で撮影したダイムラーのディーター・ツェッチェ会長を、エアコン吹き出し口の部品に印刷したもの。
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6/20スマートのスタッフに話を聞いていたところ、「ちょっと失礼」と中座された。何が始まるのかと思ったら、フラッシュモブ。会期はじめのプレスデーのせいか、まだみんな少々照れくさそうだった。
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7/20ホンダのコンセプトカー「アーバンEVコンセプト」のCピラーには、電源プラグを模した“彫り”が。ボクも含め、まずディテールに目がいく日本人にとっては楽しいアイデアだが……。全体のフォルムからその印象を判断する欧州ジャーナリストも、ここに気づいたことを願う。
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8/20フランクフルトモーターショーの“隠れた名物”といえば、環境保護団体・グリーンピースの自動車メーカーに対する抗議活動。今回は「石油に未来はない」と題し、メインエントランス前にこのようなオブジェを立てていた。
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9/20映画『カーズ/クロスロード』のプロモーション用オブジェ。スタッフによれば、表面を覆うミニカーの台数は5554台。
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10/20AIを活用したボイスアシスタンスを手がけるドイツ企業、スージー&ジェームズのマスコット。IT企業であれ、こうしたベタなプロモーションが一番効くのかも。
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11/20ワイヤーハーネスを手がけるサプライヤー、レオーニ社のブースにて。今日シートの内部には、これだけ複雑な配線が組み込まれている。
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12/20例年、アウディは期間限定の巨大仮設パビリオンを構えていた。しかし、今回からフォルクスワーゲングループ館に集約されたため、その敷地はぽっかりと空いて、ADAS(先進運転支援システム)などの体験コーナーに。
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13/20フォルクスワーゲン系金融機関のノベルティー配布コーナーで。アイデアを効かせたハンガー。
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14/20筆者が住むイタリアでは、「ダイハツ・ハイゼット」といえば、ピアッジオ社の姉妹車「ポーター」。だが今回、会場内のケータリング業者によって大量導入されていたのは、本物のハイゼットであった。
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15/20初代「フォード・フィエスタ」発見! ライン=マイン地方で清掃業務を行う事業体であるFESのディスプレイだった。
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16/20フランクフルトモーターショーには、連邦国防軍のブースもある。これは「フクス甲兵員輸送車(トランスポルトパンツァー)」。7.62mm機関銃を3基装備している。
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17/20かつてカルロ・アバルトはリンゴでダイエットに挑戦し、壮年期になってからフォーミュラカーのコックピットに潜り込むことに成功した。これはアウディが会場で配っていたリンゴ。アウディのクルマはボディーを軽量化しているのだから、皆さんもよろしく、という意味か?
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18/20ある車検機関のスタンドで。ポリツァイのカラーリングをまとった「フォード・マスタングGT」は、ドイツ・チューナー連盟が不正改造防止キャンペーンのために企画したもの。
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19/20テスラの展示……と思いきや、民間業者による「『モデルX』ドライブ体験」のプロモーションだった。ミュンヘンをベースに、郊外を1日走って999ユーロ。オーストリアのチロル地方までは2日間(1699ユーロ)とのこと。
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20/20皆さんおつかれさまです。プレスデー2日目の夕方の風景。