
東富士研究所内に展示されていた「トヨタESV」。「ESV」は「Experimental Safety Vehicle」(実験安全車)の略で、1970年にアメリカ運輸省が提唱し、ビッグスリーをはじめ世界の主要な自動車メーカーが計画に参画した。これは73年の東京モーターショーの出展車両の同型車で、衝撃吸収ボディやエアバッグ、ABSなどを備えていた。トヨタの安全対策車両のルーツ的なモデルである。
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東富士研究所内に展示されていた「トヨタESV」。「ESV」は「Experimental Safety Vehicle」(実験安全車)の略で、1970年にアメリカ運輸省が提唱し、ビッグスリーをはじめ世界の主要な自動車メーカーが計画に参画した。これは73年の東京モーターショーの出展車両の同型車で、衝撃吸収ボディやエアバッグ、ABSなどを備えていた。トヨタの安全対策車両のルーツ的なモデルである。
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「クラッシュテスト」で、「クラウン」とオフセット衝突した「ヴィッツ」。速度は双方とも55km/h、ご覧のとおりスカットルより前は衝撃を吸収して大破しているが、ピラーの変形もほとんどなく、キャビンはほぼ原形をとどめており、生存空間は確保されている。ドアは4枚とも人力で開き、脱出性も問題ない。
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自動車乗車中の事故による年齢別の死者数の推移。全体の死者数は減少しているが、65歳以上の高齢者は横ばいであることがわかる。
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「逆走注意案内」。高速道路を逆走しているとナビが判断すると、音声と画面表示で注意を促す。ちなみに逆走が多いのはインターチェンジ、本線、サービス/パーキングエリアの順という。
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「レクサスLS」による「追突・歩行者事故対応支援PCS」の体験試乗。40km/hで走行中に衝突の危険を判断してブレーキが作動し、マネキンの手前で停止した状態。
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停止状態で車内からマネキンを見た図。間近に迫って見える。
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「走路逸脱対応支援PCS」の体験試乗で、「トヨタ・クラウン」がバリアにノーブレーキで向かっていくところ。この後システムが作動して減速と操舵(そうだ)を行い、バリアの手前で停止した。なお、切り込もうとするステアリングにドライバーがあらがえば、ドライバーのほうが優先されるという。「あくまで支援システムであり、自動運転ではない」というのがその理由である。
(写真=トヨタ自動車) -
「アダプティブドライビングビーム(ADB)」の実験より。写真上はロービームを点灯した状態で、左右の路肩にいる歩行者を模した人形はほとんど見えない。写真下はハイビームで「ADB」を作動させた状態。先行車や対向車を照射する部分は遮光されているため、それらを幻惑することはない。にもかかわらず路肩の人形には光が届いており、認識することができる。
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「クラッシュテスト」で、55km/hで走行する「クラウン」と「ヴィッツ」が衝突した瞬間。この後ヴィッツは、はじき飛ばされた形で進行方向の反対側を向いてしまった。こうした「Car to Car」の衝突試験では、速度は最大140km/hまで、衝突する角度は0度から15度刻みで90度まで対応しているという。
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世界最大級という「ドライビングシミュレーター」。実車(レクサスIS)を収めた高さ4.5m、直径7.1mのドームが、回転したり、傾斜しながら奥行35m、幅20mの可動範囲を移動することによって、実際の走行を限りなく忠実にシミュレートする。最大加速度は0.5G、速度は6.1m/sec(22km/h)。まるでNASAかどこかの施設(見たことないけど)のよう?
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ドーム内壁の球面スクリーンには、360度にわたって豊田市内の市街地を模したCG(コンピューター・グラフィックス)映像が8台のプロジェクターで投影される。振動や実際に録音された走行音などの効果もあって臨場感はさすがだが、最新のドライビングゲームやハイビジョン映像を体験している目には、率直に言って映像の再現度や解像度は期待したほどではなかった。
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乳児から成人までの各種ダミー人形がそろった「ダミー室」。想像するに、夜間のパトロールは遠慮したい光景である。
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「クラッシュテスト」で「ヴィッツ」と衝突した後の「クラウン」。キャビンにはほとんど変形が見られない。ニーエアバッグが有効であろうことを実感した。
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骨格から筋肉、内臓までを忠実に再現したバーチャルな人体解析モデルである「THUMS」のイメージ図。
『第124回:「交通死傷者ゼロ」に向かって 〜トヨタの安全技術取材会から』の記事ページへ戻る