サーキットイベント「第36回東京ベイサイド・クラシックカップ/第12回ファミリーサーキットデイ」の会場から
2022.03.09 画像・写真2022年3月6日、千葉県袖ケ浦市の袖ケ浦フォレストレースウェイで「第36回 東京ベイサイド・クラシックカップ/第12回 ファミリーサーキットデイ」が開かれた。2013年から当地で開催されている東京ベイサイド・クラシックカップ(TBCC)は、1972年までに生産された車両(継続生産された同型車含む)による、年間4戦のクラシックカーレースのシリーズ戦である。通算36回目、シーズン9の4戦目(最終戦)となる今回は、東京都自動車整備振興会 調布多摩川支部が主催する年に一度の走行会、第12回ファミリーサーキットデイ(FCD)が併催された。
TBCCは車両のポテンシャルおよびドライバーの持ちタイムによって、下位からクラブマンズカップ、クリスタルカップ、スーパークリスタルカップ、ハイパークリスタルカップの4クラスに分けて競う。今回の出走車両はクラブマンズカップが24台、クリスタルカップが18台、混走となったスーパークリスタルカップとハイパークリスタルカップが11台の計53台。新型コロナ禍により今季は第2戦および第3戦の日程が変更され、開催間隔が詰まってしまったこともあって、今回はエントリーがやや少なめだった。
いっぽうファミリーサーキットデイは、年式や車種を問わずサーキット走行が楽しめるイベント。ヘルメットなどの着用義務なし、同乗者OKでセーフティーカーが先導するパレードランから、タイム計測ありのスポーツ走行まで5クラスに分けられ、合わせておよそ80台が参加した。好天に恵まれ、インシデントも一切なく、この種のイベントには珍しくタイムスケジュールよりも前倒しで進行した会場から、出走車両を中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/30TBCCの出走車両が並んだ早朝のピット風景。
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2/30雲ひとつなく晴れわたった空の下、パドックには年式や車種を問わないFCDの参加車両がズラリ。
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3/30最初のプログラムはFCDのパレードラン。ヘルメット不要で同乗者もOK、セーフティーカーの先導付きで追い越し禁止というこのクラスに参加した「スバル1000」。ホイールベースが長いことが分かる。
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4/30これもパレードランに参加した「シムカ1000」。フィアットが開発してフランスでつくられたリアエンジンのセダン。
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5/30ヘルメットとドライビンググローブの着用が義務づけられ、追い越し自由でタイム計測ありのスポーツ走行に参加した型式名SR311こと「ダットサン・フェアレディ2000」。丈の低いウインドシールドを持つため“ローウインド”と俗称される、1967年3月のデビューから約8カ月しかつくられなかった前期型。
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6/30スポーツ走行に参加した、レーシング仕様の初代「日産シルビア」。CSP311という型式名が表すように成り立ちとしては「フェアレディ1600」(SP311)のクーペ版である。かつて日産のコーポレートカラーだったトリコロールのカラーリングは、初代シルビアのエクステリアデザインを手がけた木村一男氏にお願いしたそうだ。
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7/30これもスポーツ走行に参加した「ジャガーEタイプ SPL」。上品なモディファイが施されたレーシング仕様。
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8/30ワンメイクレース用の単座マシンである「日産ザウルスジュニア」のシャシーに、「ポルシェ908/2」風のボディーカウルをかぶせたスペシャルもスポーツ走行に参加。
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9/30カーボン製ボンネットや大きなテールウイングを備えた「日産スカイラインGT-R」(BNR32)もスポーツ走行でタイムアタックを実施。
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10/30鮮やかなイエローに塗られた「アルファ・ロメオGTVカップ」。派手ないでたちと思ったらカップカーとのことだった。
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11/30最新の現行モデルである「アルファ・ロメオ・ジュリアGTAm」もスポーツ走行にエントリーした。
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12/30その「GTAm」の、いわばご先祖さまである1930年「アルファ・ロメオ・ティーポ6C」も走った。TBCCにはレギュラープログラムとして戦前車によるヴィンテージスポーツ走行が設けられているが、今回は若いモデルたちと混走となった。
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13/30パドックに並んだ新旧アルファ・ロメオ、「ティーポ6C」と「ジュリアGTAm」。年式差は92年で、さしずめ曽祖父(そうそふ)と曾孫(ひまご)といったところか?
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14/3024台が出走したTBCCのビギナーズクラスであるクラブマンズカップのオープニングラップで、中団を引っ張る初代「トヨタ・パブリカ」。オリジナルの697ccに換えて790ccの空冷フラットツインを搭載しているとはいえ、より大きなエンジンを持つモデルを従えたほぼこの位置をキープしたまま堂々8位でフィニッシュ。1000cc以下でクラス優勝した。
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15/30クラブマンズカップに初参戦した型式名TE27こと「トヨタ・スプリンター トレノ」。予選9位からスタートしたが、残念ながらリタイアした。
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16/30クラブマンズカップにおける「ロータス・エランS1」と「MGB」の2位争い。このままの順位でフィニッシュし、後方に続く「ローバーMini」が4位に入った。
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17/30クラブマンズカップに初参戦ながらポールポジションを獲得、決勝ではスタートこそ出遅れたものの数周でリカバリーして見事優勝を飾った「MGミジェットMk3」。
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18/30グリッド順にピットロードに整列して、中級クラスであるクリスタルカップ決勝のコースインを待つ18台の出走車両。
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19/30クリスタルカップ予選における「リスター・シェルビー」と「フォード・アングリア」。決勝では前者はリタイア(ちなみに完走して入賞しても排気量が基準以上のため賞典外)、後者は3位に入った。
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20/30TBCCの常連参加車両では唯一のドイツ車となる「ポルシェ911」。クリスタルカップ決勝に出走したがリタイアした。
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21/30クリスタルカップ決勝で4位に入った「ジェンセン・ヒーレーSPL」。ドライバーは同色のノーマルのジェンセン・ヒーレーで会場入りするという筋金入りの愛好家。
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22/30数少ない常連参加の日本車である「ホンダS800レーシング」。クリスタルカップでは最小排気量ながら6位、1500cc以下でクラス優勝。
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23/30クリスタルカップで激しいトップ争いを見せた2台のアルファ・ロメオ。結果は「アルフェッタGT」がこのまま譲らずに優勝、「ジュリア スパイダー」が2位。
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24/30混走となる上位のスーパークリスタルカップと最上位のハイパークリスタルカップの決勝のスターティンググリッド。11台が出走したが、1台はピットレーンスタートとなった。
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25/30スーパークリスタル/ハイパークリスタル決勝で、コースイン直前にエンジンがかからなくなってしまった「ロータス・コーティナMk1 Sr1」。他車がフォーメーションラップ中になんとか復活してピットレーンからスタート、コーナーでは内側前輪をリフトさせながら追い上げた。
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26/30スーパークリスタル/ハイパークリスタル決勝で終始バトルを展開した、これまた2台のアルファ・ロメオ。最終的に「スパイダー ヴェローチェ」が6位、「ジュリア スーパー」が7位でフィニッシュを迎えた。
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27/30こちらはスーパークリスタル/ハイパークリスタル決勝における2位争い。内側前輪をリフトさせている「フォード・アングリア」が2位、「アルファ・ロメオ・ジュリアTI」が3位となった。
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28/30スーパークリスタル/ハイパークリスタル決勝の序盤でトップを争う「ロータス・スーパーセブン」と「アルファ・ロメオ・スパイダー ヴェローチェ」。トラブルが発生したのか中盤からスーパーセブンが遅れはじめ、最終的には完走したものの最下位。アルファ・スパイダーは2位に20秒以上の差をつけて優勝した。
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29/30全レースとスポーツ走行の終了後のフィナーレは、希望する全車両によるパレードラン。
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30/302周のパレードラップの後、メインストレートに全車が整列。その前でレースの表彰式が行われた。