初めてのローンチコントロール体験も! ポルシェのドライビングプログラムで走る楽しさを体感
2022.11.09 画像・写真2021年10月に千葉県木更津市にオープンした、「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)」。ここは全長約2.1kmのハンドリングトラックを備えるほか、カフェやレストラン、限定商品を販売するオフィシャルアイテムショップやイベントスペースなどからなる、ポルシェブランドの世界を体感できる施設です。
今回この施設で、女性限定のドライビングイベントが開催されました。ひとたび告知があればすぐに参加枠が埋まってしまうという人気のイベントに、いつかはオーナーになりたいとひそかに夢見るwebCGの渡辺が参加。そのドライビングプログラムを紹介します。
(文=渡辺 忍/写真=郡大二郎、ポルシェジャパン)
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1/24メインビルディングの前のピットエリアには、最新のポルシェがズラリと並んでいます。
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2/24メインビルディングに入ると、歴史的なミュージアムカーなどが展示されたアトリウムが広がっています。同じフロアには限定商品などを販売するオフィシャルアイテムショップや「956カフェ」が、2階には「レストラン906」やラウンジ、ミーティングルームのほか、世界有数のレーストラックをさまざまな車両で走行できるシミュレーター・ラボなどもあります。
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3/24この日のプログラムは午前7時半にスタート。ブリーフィングのあと、90分のドライビングプログラムを体験し、電気自動車(EV)「タイカン」の同乗試乗、レストランでのブランチ、EVについての講座、参加者がチームに分かれてEV関連のお題目でチームビルディングをし、表彰のあと写真撮影。12時に終了といった流れでした。
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4/2490分のドライビングプログラムでは、全長約2.1kmの「ハンドリングトラック」、スラロームや急制動を体験する「ダイナミックエリア」、ぬれた路面での定常円旋回やドリフト走行を体験する「ローフリクションサークル」、低ミュー路でハンドリングテクニックを学ぶ「ローフリクションハンドリングトラック」、油圧作動式のプレートが地面に埋め込まれた「キックプレート」、そして「オフロードエリア」(今回のプログラムには組み込まれず)の6つのモジュールが用意され、参加者の好きなエリアを好きなだけ体験することができるというものでした。
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5/24ドライビングプログラムには専任のインストラクターがついて、同乗しながら参加者の希望に合わせてプログラムを進めてくれます。用意されたモジュールをすべて体験する必要はなく、ひたすらハンドリングトラックを走り込むなんてことも可能なんだとか。私はよりスムーズなハンドリング操作を手に入れるべく、すべてのモジュールを試すことにしました。
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6/24私が選んだクルマは「ポルシェ911カレラ4」。3リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンをリアに搭載し、最高出力は385PS。担当してくださったインストラクターの平田 剛さんと試乗前の記念撮影。
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7/24クルマに乗り込みシートポジションを確認。ブレーキをしっかり踏める位置にシートを合わせ、手はハンドルに優しく添えて肩の高さで肘が90度になるように、ハンドルの位置、シートの高さ、背もたれを調整します。背もたれに背中がしっかりついている状態でハンドルの12時の位置に右手首が届けばOK。重要なのが左足で、フットレストに置きしっかり踏み込むこと。シートと体が固定され安定感が生まれるのです。ポルシェが推奨するシートポジションは少しタイトだと感じましたが、このポジションがしなやかで軽快なハンドリングを実現するのだそう。
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8/24早速ハンドリングトラックへ。インストラクターの運転でコースの説明を受けたあと実際の走行となります。日常の運転に役立つハンドリングスキルを学ぶようにつくられたといわれるように、コーナーの多い山道を走っているような感覚でとても気持ちがいい! はじめは肩に力が入ってしまいハンドル操作が雑になってしまいましたが、アドバイスどおり適切なコーナリングラインをとれるようにコースに置かれたコーン(クリッピングポイント)を意識して操作することで、少しずつコツがつかめてきました。
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9/24インストラクターの平田さんは、ここはサーキットではなくドライビングトラックなので……と何度も口にしていましたが、ポルシェの世界を体感できるトラックだけあって、ニュルブルクリンクのカルーセルコーナーを模したバンクコーナーやラグナセカのコークスクリューをイメージした立体コーナーなどが設けられ、サーキットさながらのドライビングを体験できます。バンクコーナーは進入するとき不安だったけれど、気持ちよく走ることができました。
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10/24続いて、ダイナミックエリアにてスラロームと急制動を体験。ここではポルシェのハンドリング特性と適切なブレーキング方法など、ドライビングの基本を学び、速く走るのではなく安全につながる日常の運転技術を磨くことができます。実は10年以上前に富士スピードウェイで開催されていたポルシェオーナー向けのドライビングスクールを体験したことがある私。そのときはハンドル操作が遅くパイロンを飛ばしていたのですが、今回は遅れることなくスムーズに走行できました。ポルシェが推奨するシートポジションの理由が少し分かった気がします。
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11/24次は急制動。ドライビングスクールのときに宇宙一(?)のブレーキを体験しているので、ここでは思いっきり試すことができました。そして初めてのローンチコントロールも体験。左足でブレーキを踏みながら右足でアクセルを踏み込むとディスプレイにローンチコントロール作動のメッセージが表示されブレーキから足をはなす。……すると、ドンっ! と素早く発進! そしてアクセルを踏み続け、フルブレーキ! 止まった瞬間「お~~~これがロケットスタートだ!」と声が漏れてしまいました。インストラクターの平田さんからは「とってもいいです! しっかり止まれています。 最高速度114km/h出てましたよ」と。ホントに!? 自分で運転していたのにその加速とスピードに驚いてしまいました。
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12/24次はローフリクションサークルでぬれた路面での定常円旋回とドリフト走行を体験します。ポルシェには全車に横滑り防止装置「ポルシェ・スタビリティー・マネージメントシステム(PSM)」が装備されるのですが、ここではPSMオンの状態とスポーツモード、PSMオフの状態をそれぞれ試し、その違いを体感できました。PSMオンからオフに切り替えるとあっという間にお尻(リア)がするっと滑ってオーバーステアに。PSMの大切さを実感しました。ドリフト走行にもチャレンジしましたが、怖さが先行してしまいスピンして止まるだけの状態でした。同乗している平田さんはヒヤヒヤだったことでしょう。
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13/24このあと、乾いた路面のローフリクションハンドリングトラックでハンドリング操作を練習。細かいコーナーが続く道でいかにスムーズな操作をするかがポイントです。インストラクターからのアドバイスは、ステアリングはグッと握らず優しく添える程度にすること。そしてスピードはあまり関係ないので、行く先を見てクリッピングポイントをなぞるように優しくゆっくりハンドル操作することの2つで、180度ハンドルを切ってもハンドルを持ち替えることなく、スムーズな走行が可能となるといいます。この練習はとてもためになりました。
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14/24次はキックプレート。ぬれた滑りやすい路面の手前に油圧で作動するプレートがはめ込まれていて、後ろのタイヤがプレートを通過するとセンサーが感知して左右にランダムにプレートが動き車体を滑らせる。実際の走行で起こる横滑りに対応する練習です。約40km/hで進入するとフッと後ろが浮いた感覚になり一瞬で横向きに。切り返したのですが回転しながら滑ってエリアからはみ出してしまいましたた。ブレーキが遅かったようです。実際起こることを考えるととても怖いけれど貴重な体験でした。
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15/24各モジュールでの練習成果を見せるべく、最後にもう一度ハンドリングトラックを走りましたた。はじめに走ったときよりも、滑らかにハンドル操作できている自分を実感。せっかくなのでアクセルを深く踏み込んでトライすると「いいですね~。しっかりアクセルを踏めていてさっきよりハンドル操作もスムーズにできています。このスピードで走れる女性はなかなかいないですよ」と平田さんからお褒め(?)の言葉をいただきました。運転のしやすさと安定性をもってあらためて、ポルシェの走りの楽しさを存分に体感できました。繰り返しますが、ポルシェは本当に運転しやすいです。
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16/24ドライビングプログラムで走行を楽しんだあとは、ポルシェ初のEV「タイカン」の同乗走行体験です。先ほどのドライビングトラックを走ったのですが、その加速力はハンパないですね。ポルシェのEVならではの運動性能の高さと静かさを感じることができました。ちなみに「タイカン ターボ」の0-100km/h加速は3.2秒。助手席からちらっとみたところ145km/hも出ていました!
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17/24「タイカン」による同乗走行のあとは、2階にある「レストラン906」でブランチ。参加者の方にドライビング体験の感想を伺うと、ペーパードライバーでなんと20年ぶり! に運転したという人も。「はじめは怖くて不安だったけど、とても運転しやすくてびっくりしました。ポルシェが欲しくなっちゃいました!」と、一瞬でポルシェファンになってしまった様子でした。
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18/24ブランチのあとは、デザートをいただきながらEVについて学びます。その前に、この日ファシリテーターとして参加していた自動車ジャーナリストの藤島知子さんは参加者に試乗した感想を聞いてあらためて、「ポルシェのシートはシンプルだけどホールド性が高いのでスポーツカーなのに乗り心地がとてもいい。快適性と走りの楽しさを両立しているのがポルシェの魅力ですね」と語ります。私も本当にそう思いました!
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19/24ここからが本当のお勉強。EVのパワートレインはモーターとコントローラー、バッテリーからなるといった仕組みから、「タイカン」の構造、普通充電(交流)・急速充電(直流)などについて学びました。またポルシェは2019年に初めてEVを発売しましたが、実は「ローナーポルシェ」時代の約100年前にもEV をつくったという歴史も。2025年までに新車販売の半分以上をEVにすることを目標としているポルシェ。次なるポルシェのEVに早く乗ってみたいと期待が膨らみました。
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20/24EVの仕組みを勉強したあとは、3チームに分かれてチームビルディング。そのお題はというと「『タイカン』でPEC東京から京都までの旅行プランを作ってみよう!」というものでした。条件は、スタート時の充電量は50%、200km走行できると想定。8時にスタートし20時までにウェスティン都ホテルに到着するという条件で、途中、ランチと観光スポット最低2カ所に立ち寄ること。Googleマップを駆使して距離を計算しながらチームごとにアイデアを出し合い、旅行プランを考えたのでした。
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21/24「タイカン」の充電は、公共の急速充電器:30分で100km、ポルシェの急速充電:20分で200km、ポルシェの普通充電:1時間で32kmと想定。早速ポルシェのチャージングマップとGoogleマップを駆使して距離と時間、充電時間を計算しながらプランを考えるのですがこれがなかなか難しい。私たちは各地にある最も充電効率のいいポルシェの急速充電スポットに立ち寄りつつ、静岡の漁港で富士山を眺めながらランチ、京都で甘味を食べ神社巡りをするのんびり気ままな旅プランを考えました。
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22/24他のチームは、最新施設や話題のスポットに立ち寄り温泉を楽しんだり、各地のお寺を回ったりと、楽しそうな旅行プランを発表。満充電で約400km走れる「タイカン」だからできることですが、電気自動車の生活を少し身近に感じることができるワークでした。最後に参加者全員の投票で一番いいと思った旅行プランに選ばれたのは恋愛成就をテーマにお寺を巡るプランでした。おめでとうございます!
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23/24難しいことを考えなくても、楽しみながらドライビングテクニックも学ぶことができる大変有意義なイベントでした。PEC東京では、女性限定のプログラムのほかにも定期的にイベントを開催しているようなので興味のある方はウェブサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。
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24/24今回は女性限定の特別プログラムでしたが、常時90分のドライビングプログラムが用意されています。運転免許証を保有する21歳以上の方ならどなたでも参加可能。基本はウェブサイトから事前予約が必要ですが、ふらっと立ち寄ったときに希望のクルマの予約が空いていればプログラムに参加することも可能とのこと。ちなみに、90分のプログラムで今回私が試乗した「ポルシェ911カレラ4」の場合の価格は6万5000円。また「カレラ」(後輪駆動)とカレラ4(四輪駆動)を乗り比べることができるプランだと7万7000円。