シャシー性能も一級品

トップモデルがMパフォーマンスモデル=M235 xDriveになるのは近年のBMWのお約束だが、それ以外の2機種も日本仕様は「Mスポーツ」に統一された。ということはつまり、周波数感応式パッシブ可変ダンパーの「アダプティブMサスペンション」を含むスポーツサスペンションや、シフトパドルを長引きすると10秒間だけパワーが上がる「ブースト」機能は、今回の試乗車にも標準装備となる。

かつてのドライブモードにあたる「マイモード」で用意される選択肢は、今回の試乗車では、デフォルトの「パーソナル」、そしておなじみの「スポーツ」と「エフィシエンシー」の3つだった。「エクスプレッシブ」や「デジタルアート」「ビビッド」「サイレント」など、斬新な選択肢は、サブスクサービスの「BMWデジタルプレミアム」を選ぶと追加されるとか。

3つのマイモードのどれを選んでも、乗り味の面で変わるのは、パワトレとパワステ、そして横滑り防止装置のセッティングのみ。ダンパーは前記のとおり、あくまで走行状況に応じてのメカニカル可変となる。

そんなシャシーの味わいは、車体形式以外のハードウエアを共有する「120d Mスポーツ」とほぼ選ぶところはない。まあ、2台ならべて試乗すれば、静粛性や乗り心地、リアの安定感で、グランクーペがわずかに有利なのが理屈だろうが、実際には特筆するほどの差はない。その120d Mスポーツの試乗記(参照)で生方さんが「硬め」と評したとおり、その乗り心地は総じて引き締まった印象ではある。

……と、あくまで硬めのスポーツ志向シャシーではあることを前提とすると、ハードウエアの基本設計はそのままに改良・熟成を重ねただけあって、シャシーもパワートレインに輪をかけて完成度が高い。荒れた路面での突き上げは少しばかり強めでも、ドライバーの目線が揺すられるわけではないので不快感はない。さらにステアリングがすこぶるタイトで正確なのも印象的だ。

車両の至近ではガラガラというエンジン音が聞こえるが、ひとたび乗り込んでしまえばそうした音はまるで聞こえない。
車両の至近ではガラガラというエンジン音が聞こえるが、ひとたび乗り込んでしまえばそうした音はまるで聞こえない。拡大
カーブドディスプレイを中心としたインテリアは最新のBMWではおなじみの眺め。「Mスポーツ」なのでダッシュボードの上面にレッド、ブルー、スカイブルーのステッチが入る。
カーブドディスプレイを中心としたインテリアは最新のBMWではおなじみの眺め。「Mスポーツ」なのでダッシュボードの上面にレッド、ブルー、スカイブルーのステッチが入る。拡大
シート表皮はアルカンターラとヴェガンザ(ビーガンレザー)の組み合わせが標準で、今回の試乗車のフルヴェガンザ仕立てはオプションの「ハイラインパッケージ」によるもの。このオイスターのほかにモカとブラックも選べる。
シート表皮はアルカンターラとヴェガンザ(ビーガンレザー)の組み合わせが標準で、今回の試乗車のフルヴェガンザ仕立てはオプションの「ハイラインパッケージ」によるもの。このオイスターのほかにモカとブラックも選べる。拡大
あくまで「グランクーペ」なので、背の高い人にとっては後席のヘッドルームがちょっと足りなく感じるかもしれない。中央のヘッドレストは前に倒して格納できる。
あくまで「グランクーペ」なので、背の高い人にとっては後席のヘッドルームがちょっと足りなく感じるかもしれない。中央のヘッドレストは前に倒して格納できる。拡大
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